【Who’s NXT】LIKE A KID | ポップパンクからポスト・ハードコアまで、様々なサウンドを内包しながら今にアップデートする新結成3ピースバンド

2021.4.25


LIKE A KID

LIKE A KID
2020年10月に結成されたばかりの新3ピースバンド。2020年10月末に1st single「Still」をリリース。続いて2021年3月にはその「Still」も含む5曲入りの1st EP『HALLELUJAH』をリリース。EP収録曲の「What we have」はApple Musicオフィシャルキュレータープレイリスト『The Great Eastern Fakekill』にも選出。エモ、スクリーモ、ポストハードコア、メタルコア、ポップパンク、オルタナなど様々な要素を内包しながら、新しく今の時代にアップデートしたダイナミックでクオリティの高いサウンドを展開。これからの活動に注目が集まるLIKE A KIDのKentoとKengoに話を聞いた。

メンバー : Kento(Vo) 、Hikaru(Gt)、Kengo(Ba)

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


——はじめに、音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

Kengo:小学6年生のころ『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011』を遊んでいた時に、coldrainの「Die tomorrow」が流れてきて衝撃を受けたことがきっかけでした。


LIKE A KID Kengo
Kengo(Ba)

 
Kento:僕は、小学2年生のときに父親からお古でもらったWindows 2000のPCを使って、当時まだはじまってすぐだったYouTubeで『NARUTO』のMAD動画を見ていて出会ったPapa Roachの「Last Resort」がきっかけです。そこから関連してLINKIN PARKやSUM 41を聴いて、ドツボにはまりました。それで、中学に入学した時に親のすすめでギターを始めました。歌は、高校の文化祭でONE OK ROCKのコピバンをしたときに、友達に頼まれてボーカルをやったのがきっかけで歌いはじめました。


LIKE A KID Kento
Kento(Vo)

 
——LIKE A KIDは昨年の10月に結成されたばかりだそうですが、活動の拠点はどちらですか?

Kento:東京です。今後は、地方、全国にもぜひ呼んでほしいですね。

 
——最新作の紹介をお願いします。

Kento:2021年3月26日に1st EP『HALLELUJAH』をリリースしました。5曲収録しているのですが、EPを最初から最後まで順番に聴いてもトータルで1つの曲のように楽しむことができるし、シャッフルで聴いてもそれぞれの楽曲が相性よく混ざることで、また違った楽しみ方ができる作品に仕上がっています。

1曲目から説明させてもらうと、まず「Allelujah」と、それに続く「Hallelujah」はSEから本編という形で2曲に分かれていますが、一緒に聴くことでより世界観が楽しめる楽曲になっています。攻撃的なサウンドと歌詞にキャッチーさもあわさっていて、特に後半のブレイクダウンの展開は、はじめて聴いた時はもちろん何回聴いても気持ちのいい流れだと思います。

3曲目の「Still」は、MVにもするくらいEPの中で一番の推し曲です。一聴するとシンプルなんですけど実は複雑なドラムプレイに、随所で聴かれるギターアルペジオが絡まって、何回でも聴きたくなる楽曲になっていると思います。体を揺らしたくなるようなサビのリズムやキャッチーな歌のメロディが、僕たちのことをよく知ってもらうにはいいきっかけとなるような、鍵になる楽曲です。

 
次の「What we have」はライブで一番聴いて欲しい曲ですね。ハードコア好きもポップパンク好きも、途中のテンポチェンジからは一緒に大声を出して拳を突き上げたくなる、そんなイメージやサウンドの曲になっています。

ラストの「蒼白」は1曲目の「Allelujah」と同じくインスト曲です。ピアノとリードシンセに激しいギターを合わせた哀愁漂う曲になっていて、ライブではステージに上がる際のSEとして使っているので、これが流れてくると自分たちも鳥肌がたちます。


LIKE A KID 「HALLELUJAH」

『HALLELUJAH』各配信ストア : https://linkco.re/Bz2mqaDF

 
——中でも思い入れのある曲はどれですか?

Kengo:自分は「Hallelijah」ですね。メタルコアが好きなら、シンセや間奏のブレイクダウンパートは刺さると思います。

Kento:僕は、やっぱりEPにも収録されてて1stシングルにもなった「Still」が大好きです。昔流行ったエモのサウンドに近代的なパーツが散りばめられていて、00’sのシーンが好きな人から現行のサウンドを好むリスナーまで、幅広い層に聴いてもらえる楽曲になっているんじゃないかなと。


LIKE A KID「Still」

「Still」各配信ストア : https://linkco.re/EfuUv3YC

 
——LIKE A KIDの楽曲は、どのような環境やプロセスで制作されていますか?

Kento:食事をしてるデスクの上にMacBook ProとオーディオインターフェースのPreSonusを置いて、AKAIのMIDIキーボードとGibsonレスポールを使って作曲しています。基本的には作りたい楽曲の雰囲気からいいリフを手探りで探していって構成を作り上げてからメンバーに共有します。それでメンバーの反応が良かったものを採用して、そこからまた細部まで僕のほうで仕上げていきます。

 
——自分たちでは、どんなところがLIKE A KIDの音楽的特徴だと思いますか?

Kengo:ポップパンクやメタルコアなど、色々なジャンルの良いとこ取りをしている感じかな。

Kento:そうだね、Kengoが言ったように色々なジャンルが混ざっていて、幅広い層に楽しんでもらえるバンドだと思います。

 
——そのようにLIKE A KIDは様々なサウンドがバックグラウンドにあるということですが、具体的にはどんなアーティストに影響を受けましたか?

Kento:3組あげるなら、Paramore、Hoobastank、coldrainです。

 

——楽曲でいうと、どんな曲に影響を受けましたか?

Kento:

You Me At Six – Gossip
このチャラくてエモいPVを見てハマり、高校1年生の僕が当時のお小遣いではじめて買った曲です。今でも定期的に聴きます。

 
 
Finch – What It Is To Burn
LIKE A KIDの楽曲ルーツには絶対不可欠なバンドです。00’s初頭のNate Barcalowの歌い方に哀愁をすごく感じます。

 
 
Yellowcard – Ocean Avenue
はじめてこの曲を聴いたときの「パンクにバイオリンがこんなにも合うの!?」という衝撃は、いまだに忘れられません。解散時の来日ライブでは号泣しました(笑)。

 
 
Paramore – Pressure
シンプルでパワフルな彼女たちの楽曲は何歳になっても飽きません。Hayley Williamsのステージングや歌にはかなり影響を受けてます。

 
 
coldrain – 8AM
自分の中で、日本のバンドでここまで幅広いジャンルの範囲内でキャッチーに激しく音を出しているバンドがいることに衝撃を覚えました。好きすぎて、学生のときにこの曲を午前8時の目覚ましにしていたこともありました(笑)。

 
 
Jamie’s Elsewhere – Giants Among Common Men
現Of Mice & MenのAaron Pauleyが所属しているポストハードコアバンドです。該当楽曲のアルバムを通して感じるAaronの透き通るクリーンと攻撃的なシャウトにはかなり憧れます。

 
 
Hoobastank – Crawling In The Dark
色気があって、アグレシッヴすぎず守りすぎない彼らの楽曲には心惹かれます。今年で20年を迎えるこの楽曲は、2021年に聴いてもなぜか古く感じないところが素敵です。

 
 
星野源 – Ain’t Nobody Know
ロックバンドでは出しにくい星野源なりのエロさは、作曲に行き詰まったときに癒されます。ブラックミュージックをルーツとした楽曲も次回作にうまく持っていければな、と思っています。

 
 
Hot Milk – Awful Ever After
今まで紹介したバンドに比べれば比較的結成されたのが最近のアーティストですが、メロディーのキャッチーさやシンセの取り入れ方、デモのミキシングなど全てに影響を受けています。

 
 
Chase Atlantic – SLIDE
今、彼らの音楽に影響を受けているアーティストは多いかと思いますが、僕もそのうちの1人です。エレクトロ、ヒップホップ、エモがうまく混ざりあっていて、いつも新しい刺激をくれます。

 
——音楽活動をする上で、なにか特に意識していることはありますか?

Kengo:1つのジャンルにとらわれない音楽の表現を目標としています。


LIKE A KID

 
Kento:楽しむことは大前提としてありますが、それに加え、等身大の自分たちであり続けることで良いものを一人一人のファン、リスナーと一緒に楽しめるバンドを目指しています。変に気負い過ぎず、精神面でも安定しながら長く良いものを作り続けることが目標なので、常に柔らかい思考で取り組むことを個人的には意識しています。


LIKE A KID

 
——現在の音楽を取り巻く状況について、なにか感じることはありますか?

Kengo:似たようなジャンルが多くなってきているので、差別化が図れるものがいいんじゃないかなと思います。

Kento:今の国内音楽シーンは、色々な音楽性を持ったバンドが日本全国にあふれていて、全体のジャンルを通してより一層ライブハウスやクラブに足を運ぶのが面白くなってきている状況だと思います。自分たちは、「今の音楽シーンをぶっ壊してやるぜ!」みたいな心意気とかは特になくて、数あるバンドの中においてちょっと変わった輝きを持つことで、リスナーやプレイヤー関係なく影響を与えあえる空気をもっと作れたら良いなと考えています。

 
——今後の活動予定や、展望を教えてください。

Kento:2021年は良いライブができるようバンド磨きをしつつ、楽曲もコンスタントに出せればと思います。願望としてはSUMMER SONICに出たいです。

 
——最後にひとことお願いします。

Kento:昔に比べると、サブスクが発達したおかげでたくさんの良い音楽をどこでも簡単に聴ける時代になったと思うので、さまざまな音楽に触れてみて、自分の世界を広げていきましょう!そしてこんなご時世ですが、僕たちの音楽をぜひ体で浴びにきてください!絶対楽しいですよ(笑)。

Kengo:ボーカルの顔と声がイケメンなので、チェックしてください(笑)。

 
LIKE A KID
Twitter
Instagram
Facebook
YouTube
TuneCore Japan

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア