【Who’s NXT】KoLuKe |「リスナーと思いや考えを共有するのが僕の音楽」沖縄発、モデルとしても活躍する新進気鋭のラッパー

2021.6.7


KoLuKe インタビュー

KoLuKe
2000年沖縄生まれ。10代の頃にサイファーを通じJoseph Blackwellと出会いトラップ・ネイティヴ世代によるユニット #ColdSpace を結成、ソロアーティスト”KoLuKe”としても活動。並行し”岸本ルーク”としてMen’s NON-NOなど様々なメディアでのモデル活動も行う。沖縄から東京の深層へと手を伸ばし表現者としての多面性を研ぎ澄ます。

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


——KoLuKeさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

僕が生まれ育った街が“コザ”という街で、そこには米軍基地があったり、外国人の方が運営するショップやレストランが沢山あったりと多国籍な街なんです。そこで小さい頃から遊んだりしていたので、物心ついた時からヒップホップやレゲエが街に溢れてました。沖縄はストリートダンスも盛んで、僕も小3からダンスをしていたのでヒップホップは身近な存在でした。気づいたら毎日ヒップホップを聴いてたし、小さい頃から自然に馴染んでいたって感じですね。

 
——そこからどのような経緯で自分自身でも音楽活動をするようになったのでしょうか?

地元の高校に入学してそこでもダンスをしていたんですけど、それと並行して地元のサイファーにも通うようになりました。気づいたら高1の途中でダンスも辞めてしまって、ラップに夢中になってました。そしてサイファーに通っていたら今も同じクルーで活動しているJoseph Blackwellに出会って、そこから一緒に曲作ったりライブしたりしてましたね。

 
——今も沖縄で活動されていますか?

3年前に沖縄から東京に1人で引っ越してきました。元々モデルをする為に東京に来たのですが、今年から勢力的に個人でも音楽活動を始めました。


KoLuKe インタビュー

 
——最新作について教えてください。

今年の5月21日に1st single「KANNANA/&NIGHT」をリリースしました。1曲目の「KANNANA」は夜の環七をイメージして作りました。僕、夜の環七の雰囲気がすごく好きで、朝とかお昼とかは車バンバン通るけど夜中になると大型トラックばっかりで、その光景を見た時に「この夜の環七に好きな子とドライブしたいな」って思ったところから「KANNANA」の着想を得ました。トラックもダークで疾走感のある感じにしてもらって、僕の目線から映る環七を曲に落とし込みました。環七って車道も広くて長い道で陸橋もあったり沖縄では見たことない道で、僕からしたらすごく不思議な場所なんですよね。あと、環七って名前オシャレじゃないですか?(笑)

そして2曲目の「&NIGHT」は僕の過去の闇を吐き出したような曲です。男女のすれ違いや自分で自分が嫌になる瞬間だったり、それもいつかは時間の無駄だったって気づくし、それって誰しも1度は経験したことあることで。その感情を自分の過去と照らし合わせて作った曲です。「&NIGHT」はすごくいい曲だし好きな曲なんですけど実は複雑な曲なんです。この曲はMVも出ていて、自暴自棄になったり、周りとのすれ違いっていう人間のセンシティブな部分にフォーカスを当てて撮りました。沖縄の音楽仲間、Joseph Blackwell、SOLA、Bruce Walkerも出演しているので是非観ていただきたいです。


KoLuKe KANNANA / &NIGHT

「KANNANA / &NIGHT」各配信ストア : https://linkco.re/ZzSQ9HYF

 
——これまでの作品で、特に思い入れのある楽曲はありますか?

イチオシの作品は僕が東京に行く前に同じクルーのJoseph Blackwellと作った作品「Takin’ Over」ですね。この作品は長い時間をかけて色々な方に協力をしてもらった本当に思い入れのある曲です。自分たちが次の段階に上がるという覚悟を語った曲ですね。実際Joseph BlackwellはAbemaTVのラップスタア誕生で準優勝してますし、僕もモデルとしてMen’s NON-NO専属モデルになるなど、本当に互いに成長していてこの曲で自分たち成長したと感じる曲です。

 
——楽曲の制作はどのような環境、プロセスで行っていますか?

今は東京の自宅にスタジオを作ってそこでレコーディングなどをしています。友達もふらっと自宅に来て遊び感覚で一緒に曲を作ったりしてます。家にいる時はYouTubeを観るか曲作っているかのどっちかで、思いついたらすぐ曲を作れるっていう環境ですね。僕は自分の声を聴きながらじゃないとリリックが書けないので、フローを決めつつリリックも書くっていうのを毎晩やっています。

 
——KoLuKeさんはご自身の音楽的な特徴を自分ではどんなところだと考えていますか?

歌もラップもするのでどこかしらにハマるんじゃないかなって思います。あとギャップですね。低い声でラップする時もあれば、高い声で歌うこともあるのでびっくりするんじゃないかと(笑)。モデルから僕を知った方はみんなは曲を聴いて「意外!!」 って言うのでみんなびっくりしてるんでしょうね(笑)。


KoLuKe インタビュー

 
——KoLuKeさんはどんなアーティストに影響を受けましたか?

まず一人目はSwae Leeです。彼は僕が音楽を始めた頃からずっと今でも聴いてるんですけど、僕の今のスタイルは恐らく彼から影響を受けているところもあります。

二人目は韓国のSik-Kです。Sik-Kの曲を聴いた時は衝撃でした。「アジアにはこんな人もいるのか!」って(笑)。色々な振り幅で音楽出来るし僕の理想のスタイルが彼なので、いつか一緒に曲作りたいです。

 
——楽曲でいうとどんな曲に影響を受けましたか?

Sik-K – RING RING

彼の歌い方などは「&NIGHT」の参考にさせてもらいました。ウィスパーっぽい声もすごい好きです。

 
 
Future – Rodical

Futureの低音ボイスやマンブルは学生時代めっちゃマネして曲をつくったりしていました(笑)。

 
 
Young Thug – Future Swag

これに関しては影響とかではじゃなくて、このトラックで曲作っていました。それくらい好きな曲です。Young Thugのベイビーボイスはマネしようとしても出来ないし彼の世界観が大好きです。

 
 
KEPHA – LOUDER

学生時代1番好きだった曲かもしれないです。日本人で意識して真似していたのはKEPHAさんでした。僕が高校生だった2017年、ほんとにKiLLaは最先端だったしその中でもKEPHAさんは独自の雰囲気があって好きでした。東京に来て初めてみたライブはKiLLaでした。

 
 
ASH ISLAND – Paranoid

最近で1番衝撃だったアーティストがASH ISLANDでした。とくに「Paranoid」は歌もラップも完成度高くて、Post Rock的な雰囲気もあって大好きな曲です。こういう曲もやりたくて、最近は1番影響を受けているアーティストです。

 
——KoLuKeさんが音楽活動をする上で、何か特に意識していることはありますか?

僕が思うに音楽は共有だと思うんです。音楽で泣く人もいれば、共感してくれる人もいるし。自分の思いや経験したことを曲にしてリスナーに聴いてもらう。そうしたら聴いた人から色んなアンサーをもらえる。そういうキャッチボールで自分の考えを共有するのが僕の音楽です。

 
——今の音楽を取り巻く状況について何か感じることはありますか?

今の音楽シーンは好きでもあるし嫌いでもあるって言う感じです。今はどこから曲が売れるか分からないし、逆にいえばそれだけチャンスがいっぱいあるっていうことなのでアーティストとしては最高の時代だと思います。ですがそれに甘んじてるアーティストも少なからずいると思います。それでリスナーのレベルが下がってしまうのはあんまりいいことではないのかなって。でもそれは僕の考えってだけで、みんなは好きな曲を聴けばいいし僕も好きな曲を聴くだけなので。

 
——今後の活動の展望を教えてください。

今年はKoLuKeが動き出した年です。色々なアーティストとコラボしようと計画も立ててるので今後も楽しみにしていてください。

 
——最後にメッセージをお願いします。

1st Single「KANNANA / &NIGHT」、とてもいい作品に仕上がったので是非。そして「&NIGHT」のMVもよろしくお願いします!


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