【Who’s NXT】KLEPTO | ガレージロック・リバイバルサウンドでオフィシャルプレイリストに多数ピックアップ、注目を集める宅録2人組インディーロックバンド

2022.4.10

KLEPTO

KLEPTO
2019年、東京で結成。ガレージロックリバイバルを敬愛する2人が宅録を中心に創作活動をしている、2人組インディーロックバンド。メンバーはかつて大学の同期であったSJM、BNKNで構成されている。

2021年5月から4ヶ月連続楽曲リリースを行い、同年8月に3rd EP『A DAY IN THE SUMMER』をリリース。
2021年12月25日、new single 「VIVA LA MY LIFE」をリリースしJ-WAVE TOKIO HOT 100にてトップ20にランクイン。
Spotify公式プレイリスト“Edge!”に楽曲が多数選出され、また同プレイリスト内の2021年に再生された楽曲ベスト50にも選出されているなど多くの注目を集めている。

member:
SJM (vocal, guitar)
BNKN (bass, drum)
[写真左よりSJM、BNKN]

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists
 


 
——まず、KLEPTOのお二人が音楽に興味を持ったきっかけをそれぞれ教えてください。

SJM : 小学生くらいの頃に姉の部屋からBUMP OF CHIKENの「天体観測」が流れてきてかっこいいなと思ったのを覚えてます。自分の部屋でも聞きたくて当時姉にMIXテープを作ってもらったのですが、中に入っていたのは「ダイヤモンド」という違う曲で。とても悔しかった記憶があります(笑)。その後中学3年生から友達とバンドを組んでのめり込んでいったっていう感じです。

BNKN : 僕は小学生の時にオリコンのヒットチャートに凄く興味を持った時期があり、歴代のヒットチャートなどを掘り下げて自分の世代より古い音楽を聴いたのがきっかけで音楽に興味を持ちました。その中でMr.Childrenの「星になれたら」という曲を聴いてベースやドラムに興味を持ち、高校入学と同時にバンドを始めました。

 
——KLEPTOが結成された経緯というのは?

SJM : 元々BNKNとは岩手の大学の軽音楽部で出会って、3ピースのバンドを組んでました。卒業してからはお互い離れた場所で仕事に就いたのでしばらく連絡とってなかったんですが、たまに曲を作った時は彼に送って感想を聞いてたりしたんですよね。ただ自分1人で作るのにモチベーションなどの限界を感じて、一緒にやってくれないか相談したのがバンド結成のきっかけです。当時はPC上でやり取りしながら作曲進めていたのですが、2021年の春に彼が上京してからは直接会って作業してます。

BNKN : 僕は大学を卒業してから数年は楽器に触る頻度はかなり減って他の趣味に没頭していましたが、ある年に急にベースが欲しくなって何時間もかけて遠出をして楽器を買いに行きました。その1週間後にSJMからバンドに誘われたのが偶然とはいえすごくタイミングが合っていたこともあり本格的に活動を始めました。

 
——現在どの辺りを中心に活動していますか?

SJM : 僕らの制作スタジオは浅草方面にあります。お互いの自宅もスタジオから近いのでとても集まりやすいです。ライブ活動は渋谷、下北沢などが多いです。

 
——最新作について教えてください。

SJM:先日3月30日に新曲の「Vanilla」が配信リリースされました。テーマは60’sのUKとガレージロックの融合ですね。前回リリースした「VIVA LA MY LIFE」がクラシックなテイストの曲だったんで、せっかくなら似た雰囲気で色々作りたいなと思い作りました。昨年末にエドガーライト監督の『Last Night In Soho』を観たんですが、内容的には現代から60‘sの世界へタイムスリップするというもので。その映画にすごい感化されたので楽曲の世界観などはその影響がかなり出ています。タイトルを「Vanilla」にしたのもその影響です。

BNKN:新曲の「Vanilla」は前作の「VIVA LA MY LIFE」と近いサウンドイメージの曲ですが、展開が多くスピード感のある前作とは違い腰を据えたリズムになっています。シンプルな展開の中で流れる歌や上物をしっかり聞いてもらいたいです。

KLEPTO「Vanilla」
「Vanilla」

https://linkco.re/0CdEXupA

 
——KLEPTOは昨年は4ヶ月連続リリースをするなど、コンスタントに作品をリリースされていますが、最新作以外でオススメの曲はありますか?

SJM : KLEPTOを初めて聴く方には「VIVA LA MY LIFE」を勧めます。アップテンポで明るいので朝聴くと気分の良いスタートが切れると思います。ジャンルや規模の大小に関わらず、些細でも夢中になれることがある人生は素晴らしいっていうことをテーマに書きました。

KLEPTO「VIVA LA MY LIFE」
「VIVA LA MY LIFE」

https://linkco.re/ZTHDmgnH

 
BNKN : これまでの中だと「let me down」は自分たちにとって特に得意なジャンルで好きな作品です。2000年代のギターロックから影響を受けている楽曲なので、ギターのシンプルなかっこよさを感じてもらえたら嬉しいです。

KLEPTO「let me down」
「let me down」

https://linkco.re/eD1vHP5C

 
——KLEPTOでは楽曲の制作はどのようにされていますか?

SJM : 普段は僕がまずギターでコードと歌メロを作り、それにシンプルなドラムとベースをつけてPCのソフトに展開します。1番サビまでしか作らない時もあるし、フル尺で作ることもあります。それをBNKNに聴かせて、反応が良ければそこからは2人で作りますが、反応があんま良くなければお蔵入りします(笑)。ベースとドラムのアレンジは彼が作ってます。

BNKN : SJMが作ってくれるデモはどれも良い曲なのですが、その時々のお互いの気分にマッチしている楽曲を優先して作り始めることが多いです。デモの段階でイメージを共有してからドラムを作って、それを踏まえて楽曲の展開を変えたり歌や歌や楽器の内容について相談しながら詰めて完成させます。

 
——KLEPTOをまだ知らない人に、アーティストとしての特徴を伝えるとしたら、どんなところになりますか?

SJM : 宅録でバンドミュージックをやっているところは特徴だと思います。セッションしながら音源を作っているわけではないので、ライブだと音源とはまた違った印象を持ってもらえるんじゃないでしょうか。

BNKN : 僕たちは同じ音楽に対して良さを感じている部分がお互いに全然違うことを自覚しているので、楽曲制作においても2人が足りないところを補い合う形であれば、より色々な角度からの良さを感じてもらえるバンドだと思います。

 
——SJMさん、BNKNさん、それぞれどんなアーティストに影響を受けましたか?

BNKN : バンドとしてはThe Strokes、Circa Wavesからの影響を意識して楽曲制作を行うことが多いです。2人ともどちらのバンドの曲もほとんど頭に入っているので、作業中のイメージ共有ではキーワードになりやすいです。個人的には元Cymbalsの沖井礼二さんが好きで、コードに対する解釈や音数の多いドラムのアレンジなどに影響を受けました。

SJM : 自分は時期によって影響を受けるアーティストは変わるんですが、ギターを始めた頃は兄の影響でTRICERATOPSをひたすらコピーしてました。特に歌メロが最高です。あとはアーティストではないですがShawn Everettというエンジニアの音が大好きです。Alabama ShakesやHINDSなど、僕が好きなサウンドはほぼ全て彼の仕業です。彼がロックの音を更新している気がして、そこが好きです。

 
——影響を受けた楽曲をあげるなら?

SJM :

TRICERATOPS- Raspberry

ギターリフというものを学びました。ギターソロがそこまで難しくないのにかっこいいので何度も練習してました。

 
The Strokes – Bad Decisions

最新アルバムの曲です。このアルバムが出てから2年くらい経ちますがまだずっと聴いてます。音の抜き方などが絶妙で大好きです。

 
 
BNKN :

Cymbals – My Patrick

コード進行とベースのメロディーが複雑に絡みながら高速で進行していく展開に、ベースによる楽曲の広がりの可能性を知りました。

 
The Strokes – The Modern Age

The Strokesの最初のアルバムの楽曲全てに言えますが、音の数やアレンジを最小限に減らして楽曲を盛り上げていく展開は今でも聞くたびに新しい発見があります。

 
——KLEPTOのお二人は、音楽活動をするにあたってなにか特に意識していることはありますか?

SJM:たとえ完璧な音源ではなくてもその都度ベストを尽くせていればOKだと思ってます。まだ粗さみたいなところもあるかもしれないですが、僕らの成長過程も含めてリスナーに一緒に楽しんでもらいたい、という気持ちで活動してます。

BNKN:時代によって必要とされる音楽の形があると思うので、音楽以外のカルチャーを通して感じる感覚も含めて、今表現したい音楽を形にできたら良いなと思います。

 
——そういった意識の中で、リスペクトするアーティスト像とかはあったりしますか?

SJM : The Flaming Lipsなど多作なアーティストのアティチュードが好きです。まあまあ大御所なはずなのに気づいたら1年に何作も出してた、という。数年に1回しか出さないのはファンとしても寂しいですからね。

 
——また、現在の音楽シーンについて何か感じることはありますか?

SJM : インディー寄りな音楽がメジャーシーンなどメインストリームに食い込むことが多くなってきてるなという印象があります。海外ではすでにそういう流れがあるので、今後国内でもその流れが強くなることを期待してますし、それを僕らが促したいとも思ってます。

 
——今後の活動の予定や展望を教えてください。

SJM : 今年はアルバムを出す予定です。できれば年内にもう1枚EPも出せたらなと思ってます。あとはLIVE活動も積極的にしたいですね。何よりフェスに出たいです。

 
——では最後に伝えたいこと、メッセージなどあればお願いします。

SJM : 現在アルバムを制作中です。まずは先行リリースされた曲達を何度も聴いて心待ちにしてほしいです。アルバムには過去と現在というテーマや、60’s UKのような世界観が散りばめられているのでそういったところも感じ取ってもらえたら嬉しいです。

BNKN : 音源では宅録ならではの作り込みで世界観を表現していますが、ライブではロックバンドとしての熱量をより伝えられると思います。
自分たちが10代の時に感じたように、改めてギターロックのかっこよさを伝えられたら嬉しいです。

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