Tartino & Windu、「Analog Planet」を配信開始

新曲情報
2022.3.25

Tartino & Winduが「Analog Planet」を配信開始

Tartino & Winduの「Analog Planet」が配信開始された。今回、デジタル配信リリースされた楽曲は、「Intro」「atheism (feat. Tom)」「Bushido (feat. Hanzo Reiza)」「Planet Rock」「Fake Flex」「Haze」「Deep Night (feat. Raw & ok yoyou)」「Isadora」「atheism (feat. Tom) [Remix]」となっている。

2022年、世界中がコロナパンデミックと戦う中で音楽の進化は止まることを知らない それは海外の音楽も国内の音楽も同じでジャンルの多様性やリリースの仕方なども見直されている実情がある そして、2015年の段階でHipHopが最も世界で聴かれている音楽ジャンルとなりその勢いは今も変わらない 逆に言えばHipHopと言うジャンルは様々な意味で消費されている コマーシャルとしての力を発揮したり、タイアップでの使用も目立つようになってきた そんな中で"変わらないHipHop"の魅力もそれらと同じように存在感を放っている 今回、紹介するアルバムはその"良い意味で変わらないHipHop"を堪能出来る それこそがTARTINO VS WINDUの「ANALOG PLANET」である 今回はVSと言った名義ではあるがTARTINOとWINDUはレペゼン八王子のラッパーで実の兄弟でもある この2人は幼い頃からHipHopに慣れ親しみ、10代の頃からクラブカルチャーがすぐそばにあったヘッズ そして、ベースにはHipHop以外のブラックミュージックが敷き詰められている SoulやJazzの高密度な知識とHipHopへの愛や誇りのバランスがとても良く、今後ローカルを背負って立つユニットと言っても良い 兄・TARTINOはビートメイカーでもあり、個性的でILLなビートを量産する 弟・WINDUもそのビートを上手く乗りこなすあたり兄弟としての息は常にピッタリと言えよう それではレコード解説に入っていきます 今作の「ANALOG PLANET」は一言で表すなら"特濃" "これぞHipHop"と言わんばかりの魅力が味わい深く滲み出ている10曲となっている 軽快なサックスのインストから始まるANALOG PLANETはまさにタイトル通り、どこかタイムスリップしたかのようなサウンドの惑星と化している まず、2曲目と10曲目でalbum verとRemixで分けてある「atheism」は硬派過ぎてバリカタな痺れるビートとSOUL SCREAMを彷彿とさせる2人のラップが至高のナンバーである 一見、喧嘩しそうなホーンセクションとハイハットのロールが相性抜群でキックの位置も気持ちいいポイントに配置されている 何度聴いてもこの淡々としたループが堪らない さらにHookに乗っかるメッセージはリスナーに思考の時間を与える "見るべきなのは現実のヴィジョン 他の誰でもねぇ自分でジャッジメント godアラー釈迦仏陀は一意見 他人にお前の何がわかってる?" 先が見えない将来に対して、不安になる 杜撰な国家に対しても怒りが込み上げてくる そのネガティブな気持ちを匿名でぶつけ合う しかし、誰しもが本質を見極めていない そして、結局は何事も自分次第であると言うこと この現代のテーマを抉ってくるフレーズだと思う 次に気になった曲は4曲目の「Planet Rock」 まさかこの角度で魅せてくるか…と聴きながら思わずニヤついてしまった Afrika Bambaataaの代表曲でありHipHopの礎を築いたビッグチューンでもあるPlanet Rockをサンプリングしているわけだが…引用しているのとはまた違ったオマージュで聴き進めると鼓膜に興が乗る様が体感出来る 80年代のアンセムを2020年代式のDubstep的なアプローチのビートに変身させている点がセンスを感じる 新しさのあるシンコペーションと年季を感じる上物が絶妙なセッションをしていて聴き応えがある リリックも調子が良い感じで"人と地球ROCKしたバンバータ"なんて言ってみたと思ったら"肌とフェロモン出しすぎハンパねぇ"と浮いた内容に舵を切ったりとワードチョイスが戯けていて最高 そして、このアルバムで一番心を掴まれたのが「Deep Night feat.Raw & ok yoyou」 使われている音色が非常に扇情的で音楽の中での色欲を刺激してくる 特にスネアのデッド感が個人的にツボを押してくる この乾いた楽音とドラムのミックスが快感でしかない グルーヴ・音の波以上にビートの凪みたいなモノがしっかりと意識されていて聴神経が喜びを覚える 客演で参加しているRawは2人の地元の幼馴染であり、シンガーとして活動している 同じくfeatしているok yoyouは神戸のラッパーでこのゲストのスキルも余すところなく引き出されている 綴られている歌詞も音楽のIQを感じるラインが豊富に詰まっている "get off work もち定時 空はrainy pick you up Baby 車内でplay'n 80s zapp slave trouble funk 戻ってJB's なびく君の髪と俺の襟" 定時とrainyなどシンプルに脚韻でライミングしつつ、JBなどの固有名詞も差し込んでくる余裕感 この曲を聴くと決して俗っぽくないモダンな夜景の映像が網膜を回遊する 雑多な渋谷の夜じゃなくて妖艶な銀座とでも言えば簡単な話だが、その光景は各々のリスナーがイメージ出来るオリジナルな視界だ さらには後半でインスト「Isadora」を持ってくるのだから最後まで気が抜けない US American Popの匂いが香るエレピと軽やかなリズム隊が素晴らしいハーモニーを奏でている 2分34秒に広大な宇宙が広がっている 是非ともこの無重力なHipHopを堪能して欲しい そして、私がこのアルバムを総評するなら 「リズムの惑星に連れてってくれる音の集合体」 この言葉を使いたい Tartino&Winduはマイクとサンプラー、数多くのレコードを駆使して僕たちの感情を揺さぶってくる存在である 人間は様々な感情に苛まれて、浮き沈みも激しい生き物 そして彼らは、まだ成長途中の我々リスナーに宇宙規模のHipHopを届けてくれた 私は今回の「ANALOG PLANET」でHipHop元来の"変わらないことに対する美学"や"貫き通す美徳"を再確認する事が出来た 目まぐるしい現代社会で、この「ANALOG PLANET」はなくてはならないアルバムなのかもしれない 是非とも、この機会に彼らのアナログで輝かしい音楽を堪能してみては如何だろうか あなたはすぐにANALOG PLANETに辿り着くはずだ リラックスしてこの作品を聴けばね  高級な宇宙服を身に纏い…いざ、ストリートの旅へ

なお「Analog Planet」は、Apple Music、Spotify、iTunes Store、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimitedなどの音楽配信サービスで聴くことができる。
各配信サービス:Analog Planet

Analog Planet
  • 1: Intro

    Tartino & Windu

  • 2: atheism (feat. Tom)

    Tartino & Windu

  • 3: Bushido (feat. Hanzo Reiza)

    Tartino & Windu

  • 4: Planet Rock

    Tartino & Windu

  • 5: Fake Flex

    Tartino & Windu

  • 6: Haze

    Tartino & Windu

  • 7: Deep Night (feat. Raw & ok yoyou)

    Tartino & Windu

  • 8: Isadora

    Tartino & Windu

  • 9: atheism (feat. Tom) [Remix]

    Tartino & Windu

配信開始日:2022-03-25

Refill

ジャンル: ヒップホップ/ラップ

配信ストア: Amazon Music, Amazon Music Unlimited, Apple Music, iTunes Store, LINE MUSIC, Prime Music, Spotify

Tartino & Windu

Tartino & Winduの他のリリース:Tartino & Windu