音楽だけじゃない、広まるサブスクでのMV配信|プロモーションに限らないミュージックビデオの活用法

2020.3.19

YouTubeには日々数多くのミュージックビデオが投稿されています。1日に何千万人ものユーザーが訪れる環境に楽曲の魅力やアーティスト性を表現できる映像を投稿することは音楽活動をする上で非常に意味のあるプロモーションになるでしょう。実際そのおかげで音源の再生回数が伸びたり、ライブの動員数が伸びたというアーティストも多数いらっしゃると思います。

しかしYouTube上に膨大な量の映像が投稿された結果、コンテンツが溢れかえり思うようにユーザーに届いていない現状があるのも事実です。時間やコストをかけてハイクオリティなミュージックビデオを撮ったはいいが、再生回数も伸びず、収益も上がらず、いまいち成果を実感できていないアーティストの方も多いのではないでしょうか。

このような現状をApple MusicやLINE MUSICといったビデオ配信ストアへも公開することで打破できるかもしれません。

昨年、LINE MUSICでミュージックビデオの視聴が可能になったり、Official髭男dismやBAD HOPのライブ映像がApple Music限定で公開になったりと、各ストアが映像に注力している様子が見られます。今まではミュージックビデオが見られる環境といえばYouTubeが主流でしたが、ストリーミングサービスでもミュージックビデオやライブ映像が見られる環境が整いつつあります。今まで通りYouTubeに配信することは前提として、その上でビデオ配信ストアにも配信することはこれからの時代、必須ともいえるかもしれません。これはすでにYouTubeで成果が出ている方にも、まだまだ成果を実感できていない方にも言えることでしょう。

本記事ではビデオ配信ストアへ映像を配信することが、アーティストにとってどのようなメリットがあるのか、そしてあなたの音楽や映像を楽しみにしているファンにとってどんなメリットがあるのかを解説していきたいと思います。

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ミュージックビデオを収益化できる

まず一つ目のメリットはあなたのミュージックビデオを収益化できるという点です。

YouTubeでもミュージックビデオを投稿し収益を得ることも可能です。しかし現在(2020年3月19日時点)の「YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格」によると、公開動画の総再生時間が直近の12ヶ月間で4,000時間以上、チャンネル登録者数が1,000人以上、といった条件を満たす必要があります。不可能な条件ではありませんが、活動したてのアーティストやレーベルに所属せずインディペンデントで活動するアーティストにとってこの条件をクリアするのはそう簡単なことではないでしょう。

ビデオ配信ストアでは音楽同様、30秒以上再生で1再生とし、1再生から収益を得ることができます。それまでの再生回数やフォロー数等に関わらず収益化できるので活動間もないアーティストでも利益を期待することができます。アーティストやレーベルの方の中にはワンマンライブの際に映像を撮ったはいいが、DVDにするには経費がかかりすぎるし、YouTubeに無料で公開にするにはもったいないというジレンマに悩まされている方もいるのではないでしょうか。そのような人々にとっても1再生から収益化されるビデオ配信ストアであれば、DVDよりも多くのユーザーに手軽に届けることができ、YouTube収益化資格のハードルよりは低いと言えるでしょう。

また、ストアによってはストリーミング再生のみならず、ダウンロードやプレイリストへの追加も可能です。そのためあなたの熱心なファンであれば、ダウンロードして繰り返し映像を見てくれたり、MVやライブ映像をプレイリストに加え楽しんでくれるかもしれません。

 

より多くの人に見てもらえる可能性

2つ目のメリットはあなたのミュージックビデオをより多くの人に見てもらえる可能性が高くなるという点です。

昨今、Apple MusicやSpotifyをはじめとするストリーミングサービスの利用者は年々増加しており、ICT総研の調査によると2018年末の時点で約1,980万人と推計されています。そういった状況ですので、ビデオ配信も備えたストリーミングサービスにMVを配信することは、その分ファンやリスナーとのタッチポイントが増えることになります。

配信ストアによっては音源同様、ストアのピックアップによるミュージックビデオのプレイリストやアーティストごとのプレイリストを設けている場合もあります。これらにピックアップされることで、今まであなたのコンテンツを知らなかったリスナーへのアプローチにつながるかもしれません。

加えてストアにミュージックビデオを配信すると、音楽同様あなたのアーティストページにミュージックビデオが表示されます。ファンは音楽を聴いている流れでアプリを切り替えることなくシームレスにミュージックビデオやライブ映像を楽しむことができます。

また先日THE MAGAZINEの記事でも解説したYahoo! タイムラインもうまく活用することでより多くのリスナーへのアプローチも可能です。

 

ファンも快適に視聴ができる

3つ目はあなたのことを応援してくれているファンにとってもメリットがあることです。前述したように現在数多くのリスナーがストリーミングサービスで音楽を楽しんでいます。その環境にミュージックビデオやライブ映像を公開することでリスナーは広告なしで快適に視聴することができます。またダウンロードも可能なストアが多いので通信量を気にせず何度でも見返すことができます。

さらに、ミュージックビデオのプレイリストを作成できるストアもあります。そういったストアにライブ映像を配信していれば、ファンはセトリ順に並び替えたビデオプレイリストを作成しそのライブ当時の熱量を体感することができます。

ファンに対しスムーズにコンテンツを楽しんでもらえる状態を提供することは、ファンエンゲージメントを高めるにおいて非常に重要です。より濃いファンベースを築くためにも、あなたのコンテンツが提供される環境をそれぞれで整えましょう。

 

まとめ

改めてビデオ配信ストアでリリースするメリットを整理すると以下の3つになります。

・ミュージックビデオを収益化
・より多くの人に見てもらえる可能性
・ファンへ快適なコンテンツ体験を提供

最後に一つ注意点をあげると、ストアにリリースすれば勝手に再生回数が伸びるということはあまりありません。音楽やYouTubeで公開していたとき同様、SNSでの告知など地道なPRも必須になります。YouTubeの活用も含めて今まで通りの活動を続けた上で、ビデオ配信ストアにリリースすることでより相乗効果を得られるでしょう。

冒頭にもあげたLINE MUSICのMV公開や、Apple Musicの限定コンテンツなど、各配信ストアでも映像コンテンツの価値は高くなっています。この流れはより加速していくことは間違いないでしょう。昨今ミュージックビデオはプロモーションの一つとしての意味合いがかなり強かったように感じます。しかしこのような変化はミュージックビデオにコンテンツとしての価値を強くもたらすことになるのではないでしょうか。

正直成果を実感するまで時間がかかるかもしれません。それでも長い目で見ればファンにとってもアーティスト自身にとっても必ずプラスの効果を得ることができるはずです。今一度あなたのハードディスクに眠っているミュージックビデオの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

ビデオ配信ストアでミュージックビデオを配信する場合はこちらから

source:ICT総研/YouTube収益化条件

この記事の執筆者

Video Kicks

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