アーティストが作るプレイリスト、その目的とは?(Spotify プレイリスト作成 後編)【Study & Practice】
前回の記事ではプレイリストの作り方に焦点を置きましたが、今回はどのようなプレイリストを作っていくべきなのか。様々なアーティストの例を見ながら探っていきましょう。
- プレイリストを作って公開してみる(前回)
- なぜアーティストプレイリストが重要なのか(今回)
プレイリストを自分で作る上で重要なことは
「目的を決めて、更新し続けること、発信すること」
この3点です。そもそも何のためのプレイリストか、なぜ続けるのか、いかに広げるのかを考えていきましょう。
ではまずアーティストプレイリストはそもそもどのような種類があるのか、そして目的別に考えた場合その中でどれが適しているのか。Spotifyで順に見ていきましょう。
アーティストプレイリストの種類
セトリプレイリスト
いわゆるライブのセットリストをそのままプレイリストの形にしたものですね。ONE OK ROCK、Official髭男dismのようなトップアーティストの皆さんもライブの直後に公開されています。
コンプリートプレイリスト
こちらは全曲集的な内容ですね。これまでのリリースをまとめたり、featurigで参加したものをまとめたり、改名したアーティストであればまとめるほうがわかりやすいですし。
KANDYTOWNのようにグループ名名義での活動に加え、各メンバーそれぞれの活動でもリリースが多い場合はそのすべてをまとめて1つのプレイリストにするものコンプリートプレイリストですね。
ムードプレイリスト
リラックス、ドライブ、勉強と、様々なムード、シチュエーションに合わせたプレイリスト。上記の2つと違ってこういったプレイリストの場合、自分の曲を入れる割合が少し下がってしまいます。アーティストが公開する場合は、自分の曲も追加できるような自分のアーティスト活動と近い雰囲気・ムードのものであれば良いですね。
小瀬村晶さんはご自身のコンプリートプレイリストはもちろん、ムードやジャンルに沿って自分の曲もいれたプレイリストを作られています。
ジャンルプレイリスト
ムードと近いですが明確な音楽ジャンルを決めて作成するプレイリスト。特定のジャンルに絞ってしまって、自分の曲も追加するのがよいでしょう。
バックグラウンドプレイリスト
アーティストとしてのこれまでの過去、現在を映し出すようなプレイリスト。影響を受けた音楽や、次作のアルバムに向けて聞いているような曲を集めたり。ただし、この場合自分の曲を入れる割合は少し下がってしまいます。
フックアッププレイリスト
他のアーティストもフックアップしたり、アーリーなアーティストを特集するプレイリスト。
Marshmelloがゲームするときに聴いてほしい曲を集めているプレイリストですが中身はフックアップ的要素が非常に強いです。Duckworthsound & Shisoのような日本人アーティストもここから発見されたりします。
Tom Mischのこちらのプレイリストは入れてほしい曲を募集しています。Kan Sanoのような日本人アーティストも入っていますね。
日本でもDJ HASEBEさんはご自身のMIXシリーズのコンセプトをプレイリストに落とし込み、更新し続けるプレイリストです。アーリーなアーティストも多くアーバンで一貫性のあるGOOD MUSICを紹介し続けています。
他にも多数の種類のプレイリストが存在するとは思いますが、これまで見てきたプレイリストをおさらいしましょう。
- セトリプレイリスト
- コンプリートプレイリスト
- ムードプレイリスト
- ジャンルプレイリスト
- バックグラウンドプレイリスト
- フックアッププレイリスト
ではこれだけ種類のあるプレイリスト、どう使い分けるのが良いでしょう?
アーティストプレイリストの目的
プレイリストの種類というベクトルではなく、目的というベクトルで考えてみましょう。
そもそも何のためのプレイリストを行いたいですか?
何のためのプレイリストなら続けれますか?
目的別に考えていきましょう。
自分の曲を聞いてほしい!
とにかく自分たちの曲を聞いてほしい、せっかく気づいてくれてアーティストページまで来てくれたのであれば、長く聞いて知ってほしい。そんな場合は
→コンプリートプレイリスト
→セトリプレイリスト
が向いているでしょう。自分たちの曲で構成されるわけですから再生回数に直結します。
自分とつながりを持ち続けてほしい!(エンゲージメント目的)
曲をリリース(配信)しつづけることでファンとエンゲージメントを高めていくのがストリーミング配信の鉄則です。とはいえ制作スケジュールの都合でリリースの期間が空いてしまう。でも自分とつながりを持ち続けてほしい。そんな場合は今作っている作品の参考にしてる曲、影響された曲をまとめて公開してみましょう。プレイリストを「次作までこちらを聞いて待っていてね」という意味合いで使いましょう。4s4kiさんの例のように。
→バックグラウンドプレイリスト
得意なことで新規のユーザーに気づいてほしい
自分の好きな音楽でプレイリストを作るのがそもそも得意な人、自分の曲を知ってほしいのもあるけど、とにかく人気のプレイリストを作りたい!そんな場合は
→ムードプレイリスト
→ジャンルプレイリスト
が向いているでしょう。どちらも需要が高いので人気のプレイリストを作ることはまだまだ狙えます。ユーザーが検索しそうなプレイリストで、かつ自分が得意なもの見つけましょう。
例えば「フリースタイル」で検索するとユーザーが作っているプレイリストが多数ありますが、まだダントツ人気というプレイリストが存在しません。フリースタイルが得意なラッパーを集めたプレイリストを作ってみるというのは狙い目かもですね。
自分を含めたカルチャー全体をおしあげたい
自分の音楽活動はもちろんだか、自分以外のアーティスト、これからのアーティストをサポートしてあげたい、フックアップしてあげたい。そして結果として自分のいるカルチャー全体を盛り上げたい。そのような場合は
→フックアッププレイリスト
がよいでしょう。Tom Misch、DJ HASEBEさんのような。
自分が向いていそうなアーティストプレイリストの方向性見えてきましたかね。
もちろん実際に作った後は発信してきましょう。
発信する
- 自分のプレイリストを作ったとき
- プレイリストを更新したとき
- リクエストを募集するとき
- 新譜のリリースに合わせてプレイリストにも追加したとき
- プレイリストのカバーを変更した時
- フォロワーが増えた喜び
- プレイリストに取り上げたアーティストが気づいてくれた時
上記のような1つ1つの出来事がファンとエンゲージするチャンスです。必ず都度SNSで投稿して発信してきましょう。その投稿きっかけてプレイリストに来てもらい、自分の曲を聞いてもらいましょう。
注意すべきこと
曲数/分数はどれぐらいがよいのか
これはシチュエーションによって変わってくると思います。ムードプレイリストであれば50曲以上の長いものであったとしても、そもそも流し聞き需要なので問題ないでしょう。でもコンプリートのプレイリストは、そもそも自分の曲をまとめておいて聞きやすい状態にしておくのが目的ですから、見つけてもらってそれを聞いてもらうだけでも良いわけです。プレイリストで長く聞いてもらうことが必ずしも目的ではない(もちろん聞いてほしいんですけどね)。注意点としてSpotifyの場合は無料ユーザーの場合はシャッフル再生になってしまいますので、なるだけ30曲以上にしておくのが良さそうです。
新鮮さを保つ
作りっぱなしで置いておくのではなく、定期的に追加したり入れ替えたり、そして入れ替えたことをファンに伝えてエンゲージメントしていきましょう。必ずしも全曲いれかえる必要なんてないのです。
再生したくなる要素
ファンのかたが、もしくはたまたま検索で見つけてくれた方が再生したくなる要素は何でしょうか。ある程度すでに人気の曲をいれておくのもポイントかもしれませんし、魅力的なプレイリストカバー画像がポイントかもしれませんし、プレイリストのタイトルそのものが魅力的であれば再生したくなるかも。すでに人気のプレイリストをリサーチして調べてみましょう。
まとめ
プレイリストを作る上で重要なことは
「目的を決めて、更新し続けること、発信すること」
何のためのプレイリストか、そしてなぜ続けるのかを常に考えましょう。作りっぱなしになってしまう方が多いのですが、大切なのは、あなたが楽しく頻繁に更新し続けることです。
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