HipDistrict インタビュー | ブラックミュージックをルーツに、躍動する生音ヒップホップバンド

インタビュー
2016.8.10
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HipDistrict
HipDistrict – L to R :熊谷 勇哉,Mao,相坂 興毅,尾崎 旅人(写真提供:underthemountain) 
 

ブラックミュージックをルーツにもち、今にも踊りだしたくなる様な上質なグルーヴサウンドが特徴的な生音のヒップホップバンド、HipDistrict。今回は「AOフェス」で優勝し、「出れんの!?サマソニ!? 2016」より200倍以上の倍率をくぐり抜けて「サマーソニック2016」への出演を決めた、今最もアップカミングなバンドという呼び声も高いHipDistrictのMCであるMaoさんにお話をうかがいました。

 

楽曲へのこだわり


——普段どのように楽曲を制作しているのですか?

曲はメンバー各々がリフなりビートなり素材を持ってきて、それをみんなで集まってジャムしながら調理するっていう感じですね。そこでフリースタイルで歌詞を乗っけて、後から持ち帰ってリリックを練って書き直すっていう。あと、僕たちのバンドは音楽理論をしっかりわかっているやつがベースの旅人くらいだから、最終的にサウンドの話になると旅人が作っているという感じはありますね。

——ジャムりながらとなると、トラックメイカーのように制作が家で済むと言うわけにはいかないので、大変じゃないですか?

今はメンバーが全員学校同じって事もあって、ギターが現役で所属しているロイヤルサウンズジャズオーケストラっていうジャズビッグバンドの部室を借りていつも練習させてもらってます(笑)。

——他のメンバーは所属していないんですか?

実はドラムの興毅も、ベースの旅人も、ここのOBなんですよね。なので、僕自身もこのバンド組んで活動し始めてからロイヤルに誘われてステラジャムっていうジャズのビッグバンドのコンテストにロイヤルの一員として出たりもしてね(笑)。その時はそのコンテストでロイヤルも入賞したし、ラップっていうステラジャムじゃ評価し難いものも、なんか審査員が急遽、賞を増設してくれて。ラッパーの俺を無理やり受賞させてくれるという面白いことも起きて、思い出に残ってますね(笑)。

——今回8月10日にリリースされるEP『Stick To No.1』はどんな内容ですか?

サウンドは曲によってまちまち。ロック寄りのトラックもあれば、がっつりヒップホップなサウンドもあるし、ポップで乗りやすい曲もあります。このバンドはこれまで聴いてきた音楽の脳内のファイルみたいなものがメンバー全員バラバラで、それがうまくEPの構成に反映されてると思いますね。

——どんな音楽を普段聴く人に聴いて欲しいですか?

どんな音楽を聴く人でも、このEPを聴いてほしいよ(笑)。まぁ、でもkendrick lamar、The Roots、Rage Against the Machine、Red Hot Chili Peppersとか聴く人は聴きやすいと思うかな。

——『Stick To No.1』というタイトルはどういった思いで付けたのでしょうか?

今世間が、ちょっとしたラップブームみたいになってるじゃないですか?でもメディアの取り上げ方がひどくて、すごくラップとかヒップホップがダサく見えてる気がするんだよね。かっこいいなって思って尊敬してたラッパーが、テレビで芸人とかタレントさんと変に絡んでいるのを見ると毎回悲しくなるし。ラッパーもテレビに出れるからってすごい下手に出て、しょうもない演出なのにオファー受けちゃったんだろうなみたいなのが見えちゃって。こういうことしてるからヒップホップが一個認められない感じがあるんだよって、ヒップホップが他のジャンルに劣ってるように見えるんだよって、なんか悔しくて。

そういう心境の中で、自分の好きなヒップホップを世間に認めさせたいといつも思ってて。だから、自分たちがヒップホップを背負って、いろんなジャンルの音楽がある中で天下取るっていう思いを込めて『Stick To No.1』っていうタイトルをつけました。

自分らのかっこいいと思うサウンドを世に出し続けていく


——ヒップホップの地位を向上したいって思いがあるんですね。

そうだね。向上したい。だから、僕はバンド体制でやってるみたいなところもあるんですよね。バンドってだけで、普通のポップスとかロックと同じ目線で対等に見てもらえるんだよね。ヒップホップっていうステレオタイプの色眼鏡を取って観てくれる。だから、お客さんに良さが染み込みやすいんだと思います。今のヒップホップブームが、ただの”ブーム”じゃなくなるには、僕らみたいな存在が必要だと思う。ヒップホップを押し上げることは、このバンドの使命のひとつだと思ってます。

——TuneCore Japanを使おうと思ったのはなぜですか?

僕自身、TuneCore Japanのアンバサダーとして活動していて、凄くいいサービスだと思ってたから自分がリリースする時は、前から使おうと思ってて。iTunesからSpotifyまで、ほとんど全ストアに登録する面倒さをっvシングルだったら一括1,500円くらいで解消できるって安くない?しかも、配信ストアの売上100%バックだよ?(笑)ていうか、そもそもレーベル通さないとほとんどの配信やストリーミングサービスの業者に受け付けてもらえないよね、普通。


『Stick To No.1』
 

——今後のヴィジョンはありますか?

ヴィジョンとかは特にないけど、ひたすら自分らのかっこいいと思うサウンドを世に出し続けて、出来るだけメイクマネーするっていうヴィジョン、というか理念みたいなものはありますね(笑)。日頃はそれに従って小さい目標を立てるって感じです。例えばasiaでライブやるとかサマソニでるとか。今だったらCD1000枚を3ヶ月で完売させるとかね(笑)。

——長い目での、目標はありますか?

Mステのテーマソング変えることですかね。

——面白い、なかなかそのような目標は持てないですよ(笑)。

これはドラムの興毅が言い出したんだけど、前にある音楽プロデューサーの方にバンドとして具体的な目標ないとダメだよって説教されまして(笑)。でも長距離で具体的な目標って立てても意味なくねって感じで、その時、俺らは理解できなくて(笑)。そしたら興毅が反抗してじゃあMステのテーマソング変えますって言い出して、爆笑、みたいなね。俺らまったく売れてもないのに、Mステ出るんじゃなくて松本さんのテーマソング変えちゃうんだみたいなね(笑)。それからメンバー内で言ってて、インタビューとかで聞かれた時にこれを答えてるんだけど、今ではなんかおまじない的に言ってていつか叶ったらいいなぁと漠然と思ってます(笑)。


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この記事の執筆者
TuneCore Japan Official Ambassador
TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

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