2021.2.5
自分で作った楽曲を好きなタイミングでリリースできる今、誰もがバイラル&ヒットする可能性のある時代になりました。SNSで話題の曲をランキングするチャート Spotify Japan「バイラルトップ 50」には、自分たちのスタンスで力強く活動するインディペンデントアーティストも日々多くランクインしています。「Independent Goes Viral」では、さらなる飛躍の可能性を秘めたインディペンデントなバイラルチャート新登場アーティストにいち早くフォーカスします。
今回フォーカスするのは、今年1月25日からSpotifyバイラルチャートインの続いているラップコレクティブ・梅田サイファー。
梅田サイファーについて
大阪・梅田の歩道橋で開催されていたサイファーに集ったラッパーのまとまり。これまでに3枚のアルバムとEP1つをリリースしています。Creepy Nutsとして各方面で活躍するR-指定が有名ですが、他のそれぞれのメンバーも彼に劣らないサイファー叩き上げのスキルと個性を持ち、楽曲制作やMCバトルで活躍しています。「HEADSHOT pt.2」には「トラボルタカスタム」や「梅田ナイトフィーバー’19」と同じくテークエム、ふぁんく、R-指定、KBD、KennyDoes、KOPERU、KZ、pekoの8名が参加。他にもラッパーやDJ、サポートなど多数のメンバーがいるようで、公式ホームページでは16人が主要メンバーとして挙げられています。
「HEADSHOT pt.2」がチャートインラッシュ
4thアルバムの先行シングルとなる「HEADSHOT pt.2」は2021年元旦にリリースされて以来、様々なプレイリストに選出されています(Spotify New Music Wednesday 、Spotify Japan 急上昇チャート、Spotify Tokyo Super Hits!、Spotify New Era: J-Hip Hop、Spotify Weekly Buzz Tokyo、Spotify Next Up、Spotify J-Pop 新幹線、Apple Music ニュー・ミュージック・デイリー、Apple Music エクササイズ:J-ヒップホップ、tuneTracks Weekly など)。
【 News: 梅田サイファー 】
1月2日に配信開始した『HEADSHOT pt.2 (feat. テークエム, ふぁんく, R-指定, KBD, KennyDoes, KOPERU, KZ & peko)』がSpotifyのプレイリストに追加されました。
”New Music Wednesday”https://t.co/hBYFDZNCEg#梅田サイファー https://t.co/TP4RiZc4yM
— 梅田サイファー【公式】 (@umeda_cypher) January 6, 2021
「HEADSHOT pt.2」のサウンド
同日に公開されたMVは1ヶ月が経過した2月1日の時点で385,234回視聴されています。楽曲では8人のラッパーがそれぞれのスキルフルなフロウとライミングを見せつけ、近年短い時間の楽曲が増える中で、8人で5分弱という長いマイクリレーをしっかり聴かせられるのは実力者の大所帯である梅田サイファーの強さでしょう。R-指定のhookは流石の器用さを見せており、ジャパニーズレゲエの強い大阪らしさを感じさせるラガ・フロウが耳に残ります。ドラムの鳴りの良いCosaquのビートもラッパーの個性を引き立てるものに仕上がっています。
バイラルチャートでの動き
「HEADSHOT pt.2」はリリースから3週間ほど経過した1月25日に17位でSpotify Japan「バイラルトップ 50」に初登場し、最高では27日に9位まで上昇。その後も20位前後をキープしています。発表から若干の間をおいてのチャートインの要因は何でしょうか。今やバイラルヒットにつきもののTikTokでのバズは今のところ確認できていません。もともとのファンの視聴に加えて、様々なオフィシャルプレイリストに取り上げられ、多くのユーザーのライブラリやプレイリストに追加されたり、SNSでシェアされたことで、バイラルの指標が向上したと考えられます。22日に彼らのアルバムの発売延期が発表されたことも逆に新曲への注目を高めたのかもしれません。
それ以外にも、彼らの各方面でのコラボレーションの影響もありそうです。最高位となった27日には、アニメ『呪術廻戦』エンディング曲「LOST IN PARADISE(feat. AKLO)」で知られるALIのEP『LOVE, MUSIC AND DANCE』が発売されました。様々なヒップホップアーティストが参加したこの作品の1曲目「FEELIN’ GOOD」に梅田サイファーが客演しており、このタイミングで注目度が高まっていそうです。
また、31日にはヒプノシスマイクのライブイベント『Division Rap Battle- 6th LIVE >』が開催され、梅田サイファー・Creepy Nutsが楽曲を提供したオオサカ・ディビジョンのどついたれ本舗が登場。このイベントを前にした高まりもバイラルの背景として考慮できそうです。
多様化する日本語ラップリスナーの結節点
梅田サイファーはもともとそれぞれのメンバーが培った高いスキルをもとに日本語ラップリスナーの信頼を集めており、さらにR-指定の躍進も相まって大きく活動の場を広げました。今回の「HEADSHOT pt.2」のバイラルチャートインは、以前からの日本語ラップ好きや近年のMCバトルブーム以降のリスナーのみならず、Creepy Nutsのラジオリスナー、メジャーで快調なALIを経由したリスナー、全く新しい層となったヒプノシスマイクのファンなど、多様に広がる日本語ラップリスナーの結節点に梅田サイファーがいることを示していると言えるでしょう。サブスクリプションサービスが一般的になり、コラボレーションをきっかけに知ったアーティストの楽曲を聴いてみるということはよくある体験となってきています。しかしながら、梅田サイファーの高い実力があってこそ様々なリスナーを引き込めているということは言うまでもないでしょう。
「HEADSHOT pt.2 (feat. テークエム, ふぁんく, R-指定, KBD, KennyDoes, KOPERU, KZ & peko)」各配信ストア : https://linkco.re/gDNeP6S6
梅田サイファー
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