今年中に聴いておきたい2022年の注目曲・アーティスト【Coming Freshers編】
最新・最先端の要注目アーティストをいちはやくピックアップし、YouTubeチャンネルの他、THE MAGAZINEでのプレイリスト「イツマデモフレッシュ」を含め、様々なアプローチで情報を発信し続けるComing Freshers。単なる数字や話題にとらわれることなくストイックに楽曲と向き合い、高感度なセンス、フラットかつ鋭いキュレーションで、アーティストやリスナーから信頼を集めています。今回、昨年に続きComing Freshersのメンバーが、今年中に聴いておきたい2022年の注目曲・アーティストを紹介。2022年も残すところあとわずか、今年の締めくくりに是非チェックしてみてください!
目次
■ DJ RyuNosuK(Thlive) セレクト
FTL SHINKI「N3XT」
FTL SHINKIの1st Single 「N3XT」を選びましまた。 自分のCrewであるFTLに所属するFTL SHINKIは、Madam Wooのスタッフとして働きながら、USと遜色ない最先端のHIPHOPを吸収している面白い経歴のラッパーです。ずっと続いている渋谷のStreetのHIPHOPを理解してる数少ないFreshな存在です。
「N3XT」に関しては、produceを同クルーのビートメーカーGDM beatsが担当しました。またミックス、マスタリングは、I-DeA氏。GDM beatsの心地よいビートに、優しくも深いFTL SHINKIのlyricが上手く組み合わさり、とてもクオリティの高い作品に仕上がってます。
2022年の年末には、大人気イベントNever Brokeに出演したり、MIXTAPE形式の作品のリリースが控えているなど、2023年は目が離せない存在になると思います。
是非FTL SHINKI, そして俺らThliveをCheckして下さい!
DJ RyuNosuK
https://www.instagram.com/djryunosuk_thlive/
■ HC セレクト
RIZA「Out Of Sight (feat. CAZ)」
関西で活動する映像、音楽のクリエイターチームYEGGA(イェガ)のリーダーを務めるラッパーRIZA(リザ)。
今年は2曲(2組)を紹介するのだが、その内の1曲にそんな彼の11月にリリースされた”Out Of Sight”を今年の1曲として紹介。
まず彼の特徴として、”多彩なフロウの使い分け” や “幅広いジャンルの楽曲(トラックはほとんどがサンプリング)” で、いちリスナーとして驚かされる。
そして”Out Of Sight”も驚いた1曲で、イントロを聴くとブーンバップ調の楽曲かと思いきや、ビートスイッチでガラッと曲調が変わる。
昨今USやUKのシーンでは多く取り入れられている手法だが、中々日本ではまだまだ少ない。そんな手法を取り入れた楽曲でもあり、先に述べたように、彼のフロウもバチッとハマっていてかっこいい楽曲だ。
こういった流行りの手法を取り入れたり、フロウやジャンルの幅広さは、彼の話しを聞くと納得できる。
10歳からロック中心に音楽を聴き始め、15歳でドラムンベースやEDMなど四つ打ちが入口となり19歳でラップを始めたそうだ。
現在もUKシーンの音楽も好きとの事で、やはり柔軟に色んな音楽に触れてきたアーティストは、自身の楽曲にそれが色濃く出たり、アーティストとしての幅が広いと私は思う。
そして最後に、私が思う彼の1番の特徴は”声質”。最近はオートチューンなど、声を加工しているアーティストが多い中、地の声が特徴的でかっこいいのはラッパーとしての才能だと思う。
これを読んでくれた方は、是非すぐチェックしてほしい。
AMY McFLY「BE HONEST」
2曲目の紹介は、AMY McFLYの10月にリリースされた2ndEP『Attitude』の中から”BE HONEST”。
神戸を拠点に活動する、フィメールラッパー(シンガー)AMY McFLY。現在関西で勢いのあるラッパーの1人だ。
まずそんな彼女の特徴が、”楽曲のジャンルの幅の広さ”。リリースのペースも早く、沢山の楽曲をリリースしているのだが、その幅広さに毎曲本当に驚かされる。
トラップからベースミュージック、そして今回今年の1曲に選んだ”BE HONEST”はR&B要素もある楽曲で、シンプルなトラックに透き通った声がマッチしているのと、更にリリックも相まって、エモさがあり今年のお気に入りの1曲だ。
そんな彼女のルーツは、幼少期からヒップホップを聴いて育ち、小学生の頃には”Destiny’sChild”や”Rihanna”等に絶大な影響を受けていたとの事。
あくまでも個人的な見解だが、Destiny’sChildやRihannaに影響を受けたと聞いて腑に落ちた所があり、先に述べたように”楽曲のジャンルの幅広さ”が、特にRihannaにはピッタリの特徴だと思ったからだ。
そんなAMY McFLY、アーティストとしてはもちろん、1人の人間としてかっこいいと思う一面が。
実は2児の母親で、子育てをしながらアーティストとして活動を行っているという事。普通でさえ、大変な子育てとアーティスト活動を同時にこなし、楽曲制作もトラックメイカーでパートナーの”abletonGANG”と夜子供が寝た後にトラック作りからレコーディングまで精力的に行っているとの事で、本当に尊敬でしかない。
そういったバックボーンも含めて、彼女のアーティストとしてのかっこよさであり、深みだと感じている。なので、いちリスナーとしてもこれからも期待と応援をしているし、本当にオススメのアーティストなので、是非皆さんにもチェックしてもらいたい!
最後に、ラッパーのRatchetとのユニットA:CTとしても活動。ソロ名義の時とはまた違う雰囲気の楽曲が多いので、是非こちらもチェックしてほしい。
HC
https://www.instagram.com/hcgypsophila/
■ Cyne PL セレクト
7AW「YB!」
今年、平和島のクルーONENESSに加入したのも話題となった7AWが、2022年ど頭(1/11)にリリースしたこの一曲。ビート上をYB!(やたらバウンス!)する7AWとgyiygによるサンプリング1ループビートは相性バッチリ。
Ganeesha「THINKING OF YOU」
京都を拠点とするラッパーGaneeshaが10月にリリースしたアルバムからの一曲。メロディーが最高なうえに、ビートチョイスやリリックからも感じられる、いわゆる”HipHop感”がバランスよく大好きな曲。2分44秒あるのにもう1バース欲しいなと思わされ何回もリピートしてしまう。
Young zetton「本音 (feat. Watson)」
毎年推し続けているYoung zettonとHomuncul$とのコンビだが、ここにWatsonがリンクした好曲。お互いに影響を受けたのかクスッとやハッとさせられるラインがあり、リリシストぶりを発揮している。先にリリースされた「New Real」でもこの3者の相性の良さが存分にはっきされているので、Watson, Young zetton, Homuncul$名義のEP、欲を言えばアルバムまで期待したいところ。
J-BACK「Trap Wave (feat. DNE)」
福岡から全国へ、バチバチにかましているPGSから、J-BACKがリリースしたアルバムに収録された一曲。LIL Gのビート上をDNEと共にかまし続ける様はまさに”Trap Wave”
Cyne PL
https://www.instagram.com/cyne_pl/
■ hzm セレクト
LOWTUS X BESTKID「BADTRIP」
Gène D’・LOWTUS・BESTKIDからなる埼玉のMANDALLAから、LOWTUSとBESTKIDのダブルネームでリリースされたEP「ah zas」に収録の楽曲。
ラップには”BADTRIP”らしい溶けるような感覚が表現されており、岡山のdxnxb(ディーエヌビー)が手掛けるビートの複雑な展開もその感覚を引き立てる秀逸なマッチング。NIPPSやThink Tankの往年の名作を想起させるドロドロっぷり。
今年はMANDALLAでもシングル「惨殺」をリリースしており、「ah zas」ではエンジニアリングを手掛けるGène D’もラップ・ビートを自身で全てこなしたミックステープ「All Roads Lead to Me」をリリースしている。
新しさとイナタさを兼ね備えた国産Boom Bapを求めているリスナーにぜひチェックしてほしい。
YELLASOMA「ODORINA」
福島のクルー・PanDeMiCsからYELLASOMAのソロシングル。ビートはPanDeMiCsよりijuiceが手掛けており、USのネクストトレンドのジャージー・ドリルをいち早く取り入れた国内楽曲のひとつ。
アップテンポなビートの上にYELLASOMAの軽快なラップが聴いていて楽しく、「回転寿司みたくマニーを重ね回らないお寿司を食う」といったワードプレイも欠かさない。今年はPanDeMiCsでもEP「Welcome to PanDeMiCs」をリリースしている。
ライブでも高いパフォーマンス力を見せるPanDeMiCsは都内のイベントでも出演が増えており、今のうちにぜひチェックしておきたい。
Kay-on as Kwi 4 Kang「KOREAN DOGG.」
第2回高校生ラップ選手権王者として知られる大阪のKay-onの楽曲。
在日コリアン3世というルーツと高いラップスキルを持ち、レイシズムへのカウンター、ラッパーとしての誇り、そしてルーツへの誇りをドリルビートの上にラップしていく。
同じルーツの人はもちろん、そうでない人の背中までも押してくれる、ヒップホップの持つパワーに溢れた一作。
hzm
https://twitter.com/hazz_0901
■ dezao セレクト
Sadajyo & Jeff Loik「Understanding」
昨年8月の「MUSASHI」を皮切りに、EP1作とシングル8曲をリリースしてきたラッパー・Sadajyoとビートメイカー・Jeff Loikのコンビ。高水準かつバリエーションに富んだ楽曲郡に毎度魅了されているのだが、中でも筆者が強く惹かれたのが今年5月にリリースされたこの曲。Jeff Loikによるソウルフルでスローなサンプリングビートと、緩急自在のフロウでまとわりつくようにビートを乗りこなすSadajyoのラップが溶け合ったこの曲は、2人それぞれの確かなスキルと共にコンビとしての抜群の相性を見せつけるのに十分だろう。
Sadajyo & Jeff Loikとしてのアルバムは来年、2人に加えてQNとAriel Miraiが所属するコレクティブ・Musashi Villageのアルバムも近日中にリリースされるとのことで、この先もシーンを賑わせていくのは間違いない
dezao
https://twitter.com/dezao1996
■ Coming Freshersの中の人 セレクト
Ice Cream Castle『Cookie & Cream』
昨年に引き続き、1曲ではなくEPとして選ばせていただきます。Coming Freshersとして、インタビューもさせていただいたDAIKON、 YanYan 、 Lamdaの3人組の西東京出身のビートメーカーチーム・Ice Cream Castle。東京から若手のビートメーカーチームがでてきたことにまずはテンションが上がりました。ビートメーカーチーム自体が日本にはまだまだ少ないので、そこもフレッシュさを感じます
このEPのジャケにもなっている、アイスクリームの絵も彼らで書いたり、「Ice Cream yummy」というビートメーカータグも全てがキャッチーで、作品のどこか常に”Tokyo”や”GALっぽさ”を感じます。3人とも作るビートの色が違うことも彼らの強みです。
ビートメーカーとしてのキャリアをスタートさせたばかりの彼らですが、すでに自分達のスタジオを八王子にかまえており、休みの日にはスタジオに篭って制作をする姿や、制作スピードの早さなど2023年も彼らから追いかけたいと思っています
全てのアーティスト
今年もComing FreshersのプレイリストやYouTubeチャンネル、その他のSNSをチェックしてくださった皆さま、毎日のように楽曲を送ってくださったアーティストの皆さま、2022年も誠にありがとうございました。
今年も700曲近くセレクトさせていただきました。キュレーターもとても悩んで1人5曲を毎週選んでいます。皆が悩むくらいにたくさんの楽曲が毎週リリースされていることをうれしく思っています。
COVID-19も昨年に比べて、少し落ち着き今年はクラブイベントや大きな会場でのHIPHOPフェスも多く開催されました。少しづつですが、現場に触れる機会が増えています。来年は今年よりも普通の日常に戻り、さらに音楽を色々な場所で楽しめることを祈っています。
来年もComing Freshersをよろしくお願いいたします
Coming Freshers
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