snooty ― 福岡のスリーピースバンドが最新楽曲「学生」で魅せる圧倒的なポテンシャル(今月のおすすめ)

コラム・特集
2023.3.28
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snooty

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2018年3月に結成されたスリーピースバンド・snooty(スヌーティー)。深原ぽた(Gt./Vo.)、ユトリミサ(Ba.)、 しおり(Dr.)の3人から構成され、福岡を拠点に活動しています。2020年11月の1stミニアルバム『こぼれた』以降、2021年4月から6月にかけての3か月連続配信シングル「空白」「世界が終わるまで」「線香花火」、2022年2月の1stフルアルバム『たゆたう』、さらには2022年6月から8月にかけて2度目の3か月連続配信シングル「センターライン」「ガール・インザ・スペースルーム」「心音」と、順調にリリースを重ねてきた彼女達。地元・福岡のラジオでパワープレイされるなど、着実に支持を広げています。また、深原のアンニュイな歌声と卓越したソングライティング能力は国外からも注目を集めており、YouTubeのコメント欄では様々な言語でバンドへの賞賛が飛び交っています。

素朴ながらも洗練されたバンドサウンドも、彼女達の大きな魅力。疾走感溢れる楽曲は、邦ロック好きには刺さること間違いなしです。また、2022年7月のシングル「ガール・インザ・スペースルーム」では、それまでのギターロック然としたサウンドを保ったまま、チルなポップスやヒップホップの作編曲にアプローチし、リスナーを驚かせました。ユトリによる、ツボを指圧するような絶妙なベースラインが、心地良い余韻を作り出しています。


 

そして、2023年3月1日に配信リリースされた楽曲「学生」では、そのアンサンブルの可能性がさらに大きく深化。学生生活の日々をノスタルジックに綴った同楽曲は、乾いたスネアの連打と歯切れの良いギターのストロークが、深原の歌声と同じリズムで繰り返されるという、インパクト抜群のパートから始まります。そこから展開される、しっとりと語りかけるようなアルペジオと優しい歌唱、キャッチーなサビ、引き算されたアレンジとラップ、そしてラストサビでの転調と、わずか3分弱の間にこれでもかというほど詰め込まれたアイデアの数々には圧倒されました。

snooty「学生」

snooty「学生」
 

 
楽曲の世界観を作り上げているのは、深原による歌詞。スマホの写真フォルダをスクロールするように、学校で過ごす時間や放課後の様子の断片がコラージュされ、甘酸っぱい日々の記憶を蘇らせます。全てが上手くいったわけではない10代の日々を、過度に美化することなく、かといって引き出しの奥にしまい込むわけでもなく、リアルに映し出す深原。snooty(=うぬぼれた)というバンド名に反してその目線は鋭く、しかし同時に様々な感情を受け入れる暖かさも孕んでいます。

王道のギターロックを軸に、音楽性を広げ続けるsnooty。結成6周年を迎え、なおも進化を続ける彼女達の、これからの動きも要チェックです。

 
(文・サイトウマサヒロ)

 

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