【Who’s NXT】S.I.(エスアイ)|「泥臭くてダサいって思われてる事をやれるアーティストでいたい」ジャパニーズ・レゲトンミュージック=“ジャパトン”を届けるジャパトンシンガー

コラム・特集
2023.4.24
【Who’s NXT】S.I.(エスアイ)|「泥臭くてダサいって思われてる事をやれるアーティストでいたい」ジャパニーズ・レゲトンミュージック=“ジャパトン”を届けるジャパトンシンガーのサムネイル画像
S.I.

S.I.(エスアイ)
日本人初のレゲトンシンガー・S.I.。情熱的でセクシーなラテンミュージックに出会い、Daddy YankeeやOzuna, Malumaなどに影響を受け、ジャパニーズ・レゲトンミュージック=ジャパトンを始める。ファンが0人にも関わらず、300人キャパの会場でのワンマンライブを2023年2月23日に開催決定。2022年12月現在、金土日の19時~22時頃まで福岡はであい橋にて雨、風、寒さに負けず、路上ライブで愛と笑いを届けている。その様子をTikTokへ投稿したところ、合計2,000万回以上も再生され、S.I.の楽曲である「防波堤でカーセッ」は日本全土を中心に話題を呼んでいる。また、以前から開設していたS.I.(エスアイ)の恋愛相談所がバズり、総再生数約3,000万回(2022年12月現在)、フォロワーが2万5,000人を超えており、数々の恋愛相談や、自身の経験をもとに作った楽曲「ロック画面」は、TikTokで総再生数500万回以上を記録。目指すは「日本武道館を楽しく踊れる場所」にすること。本場のラテンミュージックに負けないくらい愛を歌うジャパトンシンガー。

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


——音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

中学生の頃にORANGE RANGEの「ロコローション」を聞いたのが全ての始まりでした。ORANGE RANGEのアップテンポで少しエロい歌詞を聞いた時にめちゃくちゃ興奮して音楽にどっぷり浸かることになってしまいました(笑)。その後、RIP SLYMEに完全にハマってしまい、LIVE DVDを買って完コピして2時間ぶっ通しで友達とそのセットリストを歌ってました。それだけじゃ物足りなくなって「FUNKASTIC」というRIP SLYMEの歌に自分の歌詞を付けて歌い出したのが音楽を始めたきっかけです。

 
——本格的な音楽活動をやることになったきっかけを教えてください。

かなり前になりますが、中学卒業と同時にKxD(ケイカケディー)というグループを組んで福岡を中心に活動していました。その後、進学や就職などもありメンバーが散り散りになり、ずんだれというグループを結成し地元である対馬を中心に音楽活動を始めました。ですが、活動するうちにメンバーの方向性の違いなどもあり悩んでいたところ、コロナウィルスに感染し14日間40.8℃の高熱が続き本当に死ぬかと思った時に、音楽に対しての未練がめちゃくちゃあると気付いて、1人で死ぬ気でやろうと思いS.I.として活動を始める事になりました。

 
——現在どの辺りを中心に活動していますか?

福岡です。

 
——直近でリリースされた作品を教えてください。

4月5日に1stアルバム『JAPATON』をリリースしました。このアルバムは二面性を持ったS.I.が今この世の中に伝えたいことを詰め込んでいます。「防波堤でカーセッ」や「聖なる夜に土下座をしてる」といったちょっとアホで明るい気持ちになれるような面白い楽曲もたくさん入ってるんですけど、僕自身が歌を唄っている理由である「世界が悲しい歌で溢れないように」という楽曲や、はじめて母に書いた「旅立ちの日に」などを入れた全13曲を収録してます。是非S.I.WORLDを体感してみてください!


S.I.『JAPATON』

S.I.『JAPATON』

 
——中でも特に思い入れのある曲をあげるなら?

めちゃくちゃ悩みますが、「旅立ちの日に」ですね。母に作った歌なんですが、何を書こうかなと考えた時にまずは一個の節目である卒業の曲にしようと思ったんですけど、僕自身が高校中退してしまって、高校を辞めてしまったんですよ。ちょっと人と違った卒業をすることに対しての葛藤と、後々知った母の気持ちをストレートに曲にしました。特にサビにある「散らかったまんまの部屋時計は止まったまま」という部分は僕が高校を辞めて社会に出た後に1年ぶりに実家に帰ると自分が出ていった頃のまま部屋が残されていて、なんでだろ?って思い母の友達に聞いてみると母が片付けきれないって言いながら泣いていた話を聞いて、この詩を書きました。色々な気持ちこもった曲なので是非聴いてみてください。

 
——普段の音楽制作はどのような環境やプロセスで行っていますか?

レコーディングがとにかく遅くて、自宅にレコーディングできるブースをDIYしました(笑)。納得いくまで何テイクでも録りたいのでレコーディングやピッチ修正までは全部自分でやります。それをエンジニアの方に投げてという感じです。鼻歌でレコーディングして、出来たフローに歌詞を入れていくような感覚で全部作るようにしてます。後は面白いフレーズを常に考えていますね。

 
——まだ自分のことを知らない人にアーティストとしての特徴を伝えるとしたら、どんなところになりますか?

変な曲を歌ってるアーティストですって毎回自己紹介するようにしてます(笑)。

 
——影響を受けたアーティストを教えてください。

オレンジレンジ
音楽を聞き出したキッカケのアーティストです。

RIP SLYME
音楽を始めるきっかけになったアーティストです。はじめて友達を呼んでカラオケでカバーLIVEをしたのもRIP SLYMEです。

Daddy Yankee
影響を受けたラテンのアーティストは沢山いるんですが、やはりこの方を出さずにはいられないというか、僕のラテンミュージックの父です(笑)。去年引退を発表しましたが、今なお語り継がれる名曲もあるし、48歳で出したアルバム『LEGENDADDY』でもヒットソングを何曲も出せるソウルや、レゲトンという音楽シーンにこれほど貢献した方はいないと思います。死ぬまでこのDaddyの曲を聴き続けると思います(笑)。

 
——影響を受けた楽曲を教えてください。

ORANGE RANGE – ロコローション

何度も言ってますが、やはりこの曲があったから音楽に目覚めたんだと思います。

 
 
RIP SLYME – 楽園ベイビー

やっぱりなんだかんだちょっとエロい曲が僕は好きで、RIP SLYMEのこの曲を聴いた瞬間に一気にファンになりましたね(笑)。

 
 
RIP SLYME – FUNKASTIC

この楽曲で初めて勝手に歌詞を変えてライブしました(笑)。その当時早口が一番カッコいいと思っていて。速度マックスにして歌ってたのも印象深いです(笑)。

 
 
Daddy Yankee – Gasolina

やはりDaddyと言えばこの曲ですよね。クラブに遊びに行き始めた頃に超ヒットソングでめちゃくちゃ踊ってたのを覚えてます。

 
 
Manuel Turizo – La Bachata

僕がRemixで作らせてもらった楽曲なんですけど、最近はBachataにめちゃくちゃハマっていて、ラテンバーに通って皆に教えてもらってます。恐らく日本でBachata必ず流行ると思います。

 
 
Bad Bunny – Después de la Playa

この曲でメレンゲというジャンルを知りました。最近ではバチャータとメレンゲめちゃくちゃハマって聴き込んでますが、レゲトンアーティストが作るバチャータやメレンゲの方がポップで聴きやすくて好きです。

 
 
Feid – CHORRITO PA LAS ANIMAS

ここ最近で一番聴いた曲です。サウンド、フロー、声質、ミックス全ての面でドストライクすぎてヤバいです(笑)。Feidの曲は一生聴けるのでずっとリピートしてます。最近僕の中で1番好きなアーティストですね。

 
——音楽活動をする上で、なにか心がけているスタンス、考え方はありますか?

面白い方に進むようにしてます。曲を聞いてもらう為にデジタルで頑張るのももちろん大事なことだとは思うんですけど、僕はアナログが好きなので目の前にいる人達をどう楽しませるかを路上ライブをやりながらひたすら考えてます。バズらせることが目的ではなくて、何か目的の為に行動することで勝手にバズってるって感覚をすごく大事にするようにしてます。あとは、人を大事に出来るように心がけるようにしています。

 
——現在の国内音楽シーンについて何か感じることはありますか?

僕がいる世界が、見ている世界が狭いかも知れませんが、アーティストならこうじゃなきゃいけないとか、これをするとダサいとか、それはやっちゃいけないとかそういう考え方をぶっ壊して、泥臭くて、ダサいって思われてることをやれるアーティストでいたいなって思ってます。

 
——今後の活動の展望というのは?

2025年武道館の舞台に立ちたいと思ってます。

 
——最後にメッセージをお願いします。

繰り返しになりますが、1stアルバム『JAPATON』をリリースしましたので、是非みなさん聞いてみてください。後、少し先ですが9月24日にワンマンライブを行いますので、是非遊びに来てください!

 

S.I.
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