【Who’s NXT】月追う彼方 | キャッチー&ノスタルジックなサウンドと高い熱量のパフォーマンスで勢い増す北九州発スリーピースロックバンド

2024.9.12

月追う彼方

月追う彼方

北九州発スリーピースロックバンド、月追う彼方。Gt &Vo:しほ・Ba&Cho:かおりの2名で拠点を東京に移し勢力的に活動中。

チャットモンチーをルーツに結成され、00年代邦ギターロックの遺伝子を堂々と受け継ぎながらキャッチーかつポップな楽曲の中に“切なさ”と“ノスタルジックさ”が共存する楽曲、そしてライブでの高熱量&超感情的なパフォーマンスが持ち味。聴く人・観る人の心を掴みながらギターロックシーンでの勢いを急速に加速させている。

 
Who’s NXT : A series of interviews with featured artists
 


 
——音楽に興味を持ったきっかけ

しほ:私は小さい頃からずっとアニメや漫画が好きで、好きなアニメの主題歌をよく聴いていました。そこからバンドやボカロも聴くようになったので、それきっかけかなと思っていたのですが、よく考えたら両親とも音楽好きだったので、物心ついたときから気づいたら自然と私も音楽が好きでした!

かおり:小学校低学年の頃にYUIの13曲入りのCDを叔父さんにもらって、それを無限にリピートして聞き狂ってました。それで、他のCDも手に入れて、超虜になってました。そこから母がよくライブに行ってたFUNKY MONKEY BΛBY’Sを私も聞くようになって、「こんなに背中を押してくれる音楽があるんだ……!凄い……!」と思いながら青春時代を過ごしてました。音楽に興味を持ったのは完全にこの2アーティストのおかげです!

 
——月追う彼方の結成の経緯

しほ:好きな音楽にバンドが多かったのと、高校最後の夏休みに近くのライブハウスで高校生バンド大会が開催されるということで、当時から仲が良かったかおりを誘って始めました。父がギターが好きで家にずっとギターがあったので始めやすかったです。

かおり:メンバーのしほとは高校1年生の頃から3年間ずっと同じクラスで、入学した頃も隣の席だったし、波長が合ってすぐに友達になりました。高校2年生の頃にしほが「バンドせん?」って誘ってくれて、そこからコピーバンドを組んで音楽活動が始まりました!

 
——現在主に活動しているシーン、地域

しほ:普段対バンしているのは、私たちと同じギターロックシーンのアーティストが中心です。現在は東京へ拠点を移し活動しています。特に渋谷、下北沢が多いですね。ツアーに行く時には東名阪以外に必ず地元北九州を始め、全国各地に行くことが多いです。

 
——最新のリリース作品

しほ:9月11日に6曲入りのEP『軌跡』がリリースされました。今作の曲達は今まで自分がやろうとしなかった事、出来なかった事をけっこう盛り込んだ特に気合い入った曲ばかりです!ギターソロのフレーズに凝ったり、中でも月追う彼方史上初のショートチューン「嘘と本当」、サマーソングに初挑戦した「in the blue」は新しい月追う彼方を見せられると思っています。「拝啓、」に関しては上京して初めて書いた曲をアレンジしたので、自分的に“当時の自分じゃこういうアレンジは出来なかったな”と感じています。このEPを通して、ここまでくるまでの道のり、私らの成長、生き様を感じて欲しい、新しく知って欲しいと思います。私らの軌跡そのものです!

かおり:今回のEPは色んな雰囲気の楽曲が詰まってるので、こういう感じが好きな人はこの曲がオススメ!という感じで今まで以上に沢山の人へ、月追う彼方の楽曲が刺さりやすいのではないかなと思います。それでもやっぱり、1曲1曲の歌詞は気持ちに対して生々しいというか、気持ちの蓋や思い出の蓋をぱかっと開けて見せてもらってるみたいな気持ちになりますね。なので月追う彼方を初めて聴く人でも、親近感があってなんだか懐かしい気持ちで心がキュッとなる、っていう事が起こるのかなと思っています。

月追う彼方『軌跡』

月追う彼方『軌跡』

 
 
——イチオシ / 思い入れのある楽曲

しほ:私が一押しの作品は今回リリースする『軌跡』の1曲目、「一寸先は」です。この曲は私自身の上京してからの出会いや別れだったり、いろんな考え方に触れてきたり、それらを消化して、一皮剥けた自分が書いた曲と言えます。大切にしたいものが多すぎて潰れそうになった時、故郷を思い出すと自分を取り戻せて強くなれる、そんな曲です。

 
かおり:私はしほが書く楽曲が本当に好きで、何回聴いても“ここの歌詞良いな……ここの表現サイコー……”って思ってるんですけど、特に好きなのが2ndシングル『22』に収録されている「1998」という楽曲です。“めちゃくちゃ明るい曲調!元気になれる歌詞!”って訳ではないんですけど、「ずっと変わりたいと何度も泣いていたんだろう」や「何度でも夜を超え強くなれ」っていう部分で、しゃんとしなきゃという気持ちが彷彿させられます。以前考え込んで答えの出ない悩みをずるずると引きずって、“あーでもないこーでもない……もうどうしたら良いかわからん……”って時に「1998」を聞いて、自分がしっかりしないと。前に進まないとって、思わせてくれました。

月追う彼方「22」

「1998」収録のシングル『22』

 
 
——楽曲の制作について

しほ:作詞作曲は基本的には私が担当しているのですが、夜中に家で1人で作ることがほとんどです。アニメ、漫画、映画や小説を嗜む事が多いのでそこで感じたことや、日々思った事を文字で残したり、なんとなく口ずさんだメロディなどをボイスメモに残すようにしています。

 
——まだ自分たちのことを知らない人にアーティストとしての特徴を伝えるとしたら

しほ:切なさやどこか懐かしさが漂う等身大の歌詞と耳馴染みの良いキャッチーな歌、00年代ギターロックの影響を強く受けたソリッドなスリーピースサウンドはどんな世代の人が聴いても心地よいと思います。何より120%の私たちを伝えられるライブを一度でも見ていただけたら嬉しいです。

 
——影響を受けたアーティスト

しほ:胸を張って言えるアーティストはチャットモンチーです。実は私は元々ボーカル志望ではありませんでした。自分の声があまり好きではなかったのでギターだけ始めた人間でしたが、チャットモンチーに出会って歌の魅力を知り、オリジナルの楽曲を作ってみたいと思ったのが全ての始まりです。

かおり:私もチャットモンチーです!初めてバンドでコピーした楽曲がチャットモンチーということもあるんですけど、コピーする楽曲が増えるにつれて、“えっ、、何この表現、、かっこいい、、”と、どんどんのめり込んでいきました。スリーピースで全ての楽器が“私ここにいるよ!”って引き立っていて、歌詞は乙女な部分があったりするけどやってることは男前な感じが伝わって来てとても魅力を感じました。

 
——影響を受けた楽曲

しほ:チャットモンチーの「シャングリラ」と「風吹けば恋」です。初めてバンドでカバーした楽曲でした。メロディーセンスが独特で、でもキャッチーで当時の私にはすごく目新しく刺激的でした。

かおり:私はチャットモンチーの「恋の煙」です。特に難しい事をしているわけはでないのに、なんだかすごく緊張感と迫力がある曲だと感じて、初めて聞いた時とてもワクワクしたのを覚えています。

あとはFUNKY MONKEY BΛBY’Sの「希望の唄」ですね。とにかく歌詞がドカンと背中を押してくれます。優しいし、自信を持てる、強くなれる曲だと思っています。

 
——音楽活動をする上で心がけていること

しほ:私たちの音楽は背中を押すでもなく、背中を見せるでもなく。聴く人に寄り添った楽曲を提供したいと考えながら活動しています。

かおり:思考についてですが、バンドをしている人やその他の音楽活動をしている人で、ずっと童心があり続ける、自由な感性を持った人に私が惹かれるので、関わる人に対してこの人はどうしてこう思うんだろうということをけっこう考えています。そしてずっと少女の気持ちは忘れずに生きたいと思っています!

 
——共感 / リスペクトするアーティスト

しほ:チャットモンチーと並んで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。歌はもちろんですが、歌詞が情緒的で何度聴いてもグッときます。歌詞に反してキャッチーなメロディやノスタルジックなギターフレーズもとても好きです。

かおり:私は’それでも尚、未来に媚びる’という大阪のバンドです。私達上京する前は、小倉FUSEというライブハウスをホームとして活動していたのですが、そこによくツアー等で来ていて知りました。曲も演奏もとんでもなくかっこいいんですけど、ライブがとにかく“迫力!!”って感じのライブをするバンドで、本当に本当にかっこよくて、メンバーのGt.ろくさんとVo.がーこさんが裸足でライブをするのに影響されて私もライブは裸足でするようになりました。今はもう裸足に慣れすぎて、裸足じゃないとじゃないと演奏し辛いくらいです。

 
——今の音楽シーンに対して感じること

しほ:00年代ギターロックに憧れてバンドを始めたので、正直いうとSNSだったり、今風のラブソングに需要が高まっているシーンに適応するのがなかなか大変だと感じています。

かおり:私は1年前くらいにレコードが聴ける音楽プレーヤーを買ったんですけど、そこで初めてちゃんとレコードで音楽を聴いて、おばあちゃんの家のような安心感に包まれるサウンドだと思ったんですよね。それまでレコードに触れる機会がなかったので、もっと早くこの良さを知りたかったなという気持ちと共に、CDでもカセットでもそれぞれで音楽を聴く良さがあると思っているので、今の携帯で音楽を聴くのが主流の世代の人たちにも、もっとそういうアナログな物にに触れる機会が増えればいいなと思います。

 
——今後の予定や展望

しほ:純粋に1人でも多くの人に、月追う彼方を出会って欲しいと強く思っています。

かおり:直近だと今作『軌跡』のリリースツアー「白煙を引いて」が開催されます。私たちの地元小倉で9月22日からスタートします。全国6か所を周るのでぜひこの作品を聴いてくれた方みんなに月追う彼方のライブを見て欲しいです!

 
——最後にメッセージを

しほ:私たちの音源を聴いてくれるだけでも嬉しいのですが、かおりが言った通り、一度だけでもライブに足を運んで欲しいと思っています!月追う彼方はライブバンドとしてあなたを魅了する自信があります。ライブハウスで待っています。

 
 

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