【セ・ラ・ノ#6】座布団忍者『B132』セルフライナーノーツ
アーティストによるセルフライナーノーツで作品の魅力を深堀りする新連載「セ・ラ・ノ」。
第6回となる今回は、一度聞いたら忘れない名前の4人組ギターポップバンド、座布団忍者が登場。
8月に発表された、初音源となる1st EP『B132』について、セ・ラ・ノ。
Track 1「記憶」
河上(Gt./Vo.)
バンドを組む前からdemoを聴いていて、狙っていないテンションの使い方が無邪気で良いなと感じていました。
テーマのフレーズがBOOWYのB・BLUEに似ていて好きです。秋田(Gt./Vo.)
歌い出しからサビにかけての僕のギターのフレーズは、かなり気に入っています。
憲将くん(※河上)のギターと合わさって、気分はWジョニーマー!
千鶴ちゃん(※野崎)が高2の時に書いたらしいこの曲の歌詞もいい。
僕は生まれた時から現在に至るまでずっと同じ街に住んでいるのですが、ずっと同じ場所に住んでいると、頭の中に古い思い出ばかり浮かんでしまい、まるで自分が過去の中に生きているかのような気分になることがあります。
そんな時はいつもこの曲が脳裏によぎって、なんともいえない感情で満たされたところを少しだけ持ち直すのです。野崎(Ba./Vo.)
昔話はいつだって楽しいけれど、それにはどこか空虚さが付き纏うものです。
振り向きすぎないでもっと今を生きれたらいいな、そんな気持ち!
もともと高2の冬に、受験生になる前に何か音源を出そうと思い作った曲の中の一つでした。
のちにメンバーがバンドでやろうと言ってくれて出来たのがこのバージョン。
とっても進化して嬉しい!金子(Dr.)
この曲は、ドラムをどうしようかと色々悩みました。
始めはもう少し違ったビートで全体的に重たい印象がありましたが、憲将くんが弾いたイントロのギターフレーズをもとに、もっと軽やかにしようと考え直したらグッと良くなり、今の形になりました!
「振り向くのはたまににして 今を生きて」のあとの間奏部分は、ライブではいつも自由に叩いているので、どう遊ぼうか考えながら楽しく叩いています(^ ^)
Track 2「真珠を盗む」
河上
見えたり見えなかったり、触れたり触れなかったりするものが好きで、ずっと追いかけてしまいます。
この曲は、僕なりの「ヴィーナスの誕生」であり、「傘がない」であり、中東はバーレーンの民族音楽「フィジリ」であり……。
そんな欲求を、初期ニュー・オーダーとロビー・デュプリの折衷案に乗せて、タミー・テレルとマーヴィン・ゲイ的な具合に歌っています。
貝や豆が好きな人、いっぱい聴いてください!秋田
あまり曲の題材とは関係がなさそうですが、この曲を聴くと霧の中を走る電車が頭に浮かびます。
この曲に影響を与えたAORやNEW WAVEのとある楽曲にも通じて言えることですが、一見すると無邪気に振る舞ってはいるものの、ふとした瞬間に影を感じさせるようなもの、人、音楽が好きです。憲将くんの歌詞は、どうしても深読みしてしまいます。
いい曲だなー。野崎
転調したメロディを対旋律にしたり色んなアイデアが詰め込まれていて、やっていて楽しい曲です。
飾り気がないようだけど、独特な響きがあるのが都会っぽくて好きです!金子
この曲のドラムを録る直前、憲将くんから「自由に叩いちゃって」と言われたのが印象的でした。
(自由で良いの⁉︎)と内心思いましたが、かえって自分のドラムの色が出て良かったかも。
歌を邪魔しないドラムが良いドラムだと思っているので!
Track 3「Born to Ruin」
河上
歌詞がとても好きです。
セクシーで、チャーミングで、歌っていてとても楽しいです。秋田
この曲は僕が高校生の時から演奏している曲です。
作曲の影響元としては、エミットローズ「床の上の顔」、Nazz 「Open My Eyes」、ジョージハリスン「What Is Life」あたりです。
タイトルは、スプリングスティーンの有名な曲をもじったものです。
高3の時に作った曲ですが、今でもとても気に入っています。
自分が大切にしていた価値観や損得勘定を忘れ、真っ暗な海に飛び込むロマンチックな瞬間!
僕にとってそれは、初めてビートルズを聴いた瞬間や、誰かに恋をした瞬間です。
この曲は至上のラブソングであり、ロックンロール讃歌でもあります。野崎
出会う前からこの曲は知っていたのですが、秋田君にしか書けない曲だなと出会ってから思いました!
サビのメロディや歌詞もとても好きです。金子
秋田くんとの出会いは高校生の時だったので、その頃からこの曲は度々耳にしていました(当時、秋田くんが組んでいたバンド“バナナコア”のver)。
もちろん当時のverも良い曲ですが、今のメンバーで作り直したものも遊び心満載で、この曲への思い入れが一層強くなりました!
座布団忍者で一緒に活動するようになって、昔から聴き馴染みのあったBorn to Ruinが新たに生まれ変わる瞬間に携われて光栄だったし、とても楽しかったです!
最後に
都内を中心に活動中です。ライブも月に数回あるので、ぜひお越しください。ライブ情報はInstagram、Xでお知らせしています(色んなお誘いもお待ちしております)。
ライブ盤、ライター、ステッカーなどの通販もあります(https://zubtoneninja.base.shop/)

座布団忍者
都内大学に在学中の4人組。2025年3月より活動を始め、8月には初音源『B132』をリリース。4人のソングライターが織りなす、その確かな根拠からなるポップネスは、界隈を問わず早耳なリスナーから評価を集めている。