邦ロック特集「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」#13【sakimori、猫は液体、The Docci、KAWAUSO NIGHT QUESTION…?、MOTHER GOOSE、旧作、海風邪、最強マンボウ修羅ぼうや、Style 5.、かいじゅうと花束】
“先取り邦ロック”を武器に音楽ライターやイベント企画で活動する遊津場が、その月に気になった邦ロック楽曲を10曲セレクトする【Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場】。
「若手が中心となるので、新たな発見があるはず!あなたをコアな邦ロックリスナーにさせてみせる!」と遊津場は息巻いてるとか何とか。
以下、セレクト楽曲を遊津場が解説。本記事の解説とともに、セレクト楽曲をまとめたTHE MAGAZINEのプレイリストもお楽しみください(毎月更新)。
#13 セレクト楽曲(2025年12月1日更新)
1. sakimori「四葉」

前回取り上げたコロブチカの紹介でも「京都の大学生バンドが熱い」と書きましたが、その熱さの中心にいる1組が4人組バンド・sakimori。
京都らしい自然派オルタナとでも言えそうなバランスの取れたサウンドが心地よいです。出すべきとこで出してくる力強さは他の曲でも見られて、ギターロックが集まった対バンでも存在感を出すことは間違いないでしょう。
2. 猫は液体「シャボン」

純度の高いバンドサウンドで今年の関西ライブハウスシーンで名前を広めた1組。実は先日、私の主催イベントにも出ていただきました。
今作は明朗なアップテンポなナンバーで、彼らのイメージの幅を広げました。シャボン玉のような儚さと透明感がある時間を余すことなくパッケージ。あなたの中の思い出の小さな公園を思い出すことでしょう。
3. The Docci「地獄へだって」

全国で精力的に熱いライブを重ねる東京のロックバンド。なんと今作は7ヶ月連続リリースの10曲目。12月12日には下北沢近松にて初のワンマンライブも開催します。「やれること全部やる」と鎌田凌(Gt.Vo)はポストしてましたが、有言実行しています。私も能動的に活動を追っていたわけではないですが、自然と活動情報が入ってくるバンドです。
曲名は物騒ですが、閻魔様も踊り出すような楽しいナンバーです。
4. KAWAUSO NIGHT QUESTION…?「Transparent,Synchronicity」

“孤独や閉塞感の果てに生まれたポップロック”を鳴らす3人組バンド。元々バンドサウンドという枠に囚われないサウンドが持ち味ですが、今作はよりカラフルさに満ち溢れていて、ドラマチックが止まらないトリップナンバー。
実際お会いしたこともあるのですが、バンドのみならずアイドルも好きとのこと。聴くとそれもよく分かりますし、楽曲提供する日は近いと踏んでいます。
KAWAUSO NIGHT QUESTION…?「Transparent,Synchronicity」
5. MOTHER GOOSE「向かう先の楽園」

独自な立ち位置を保ちながら、ライブハウスシーンで着実にその名前を広げている大阪のロックバンド。先月には横浜にて初関東ライブも行いました。私も2月にライブを見ましたが、そりゃブッカーは呼びたくなりますわ。
轟音。シャウト。その強烈さに負けないメロディの美しさを持っています。洗練されて無駄のない歌詞にもこだわりとセンスを感じます。
6. 旧作「おいで」

若くして今の山形のライブハウスシーンの希望の光を放っていると、関西にいる私にも思わせる彼らが待望の4曲入りEPをリリース。ライブ感もあります。
この雄大な力強さに抱きしめられると涙腺崩壊するリスナーが全国に山ほどいると信じて疑わない温かさ。東北にも大型フェスやサーキットが定着してきましたし、来年辺り山形代表、ほどなく自然と東北代表と全国のリスナーから呼ばれてほしいですね。
7. 海風邪「上京」

9月の始動報告の時点で話題となり、11月に初ライブ、今月以降も魅力的な対バンライブが多数解禁されている高円寺の5ピースバンド。
爽やかなイントロで一気に引き込んで、そのまま男女のツインボーカルから放たれる2種類の温度感で雁字搦めにされます。破壊力もありながら、この繊細な浮遊感。1人暮らしの長い私には歌詞も刺さりまくりました。
8. 最強マンボウ修羅ぼうや「猫猫同盟シュプレヒコール」

変わらずお怒り中の関西のロックバンド。その怒りは着実に共感を集め、話題のイベントに今年は多数出演。12月31日には大阪の強烈年末イベント・KINDAMAにてバックドロップシンデレラや夜の本気ダンス等との共演も決まっています。
「こんなパーティー抜け出さない?のパーティー運営側」という独自の視点からスタート。いろんな人に優しくして一億総にゃんこ社会が来ないようにしよう。
9. Style 5.「OVER HEAT」

宮城出身、滋賀在住のシンガーソングライター。エレクトロなサウンドを武器に、ライブ活動も展開。今年の閃光ライオットのライブ審査にも進出しました。
元々バンドの経験も豊富な彼。この曲はその生感のあるギターの音と、良い意味でインターネットカルチャーを感じる打ち込みサウンドが混じり合って、新たな遊び場を創造しています。今をちゃんと刻む熱です。
Style 5.「OVER HEAT」収録のアルバム『Select all squares with Style 5.』
10. かいじゅうと花束「とぅいんくる☆ぱらだいす」

楽曲自体は前々からあったのですが、先月突如広がりを見せ始めました。特にこの時期は二度寝を誘発する曲なので、早起きを習慣付けたい人は気を付けてください。
印象に残る歌声とファンシーな雰囲気。ただTao(Dr)以外はメンバーの情報も少なくて、謎めいています。そして実は多彩なタイプの楽曲を持っています。学業も頑張る大学生バンドの今後に注目です。
「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」プレイリスト