【このリリースがすごい!】ghost girl in my bed「femme」| 東京の新星シューゲイズバンド、シーンに新風もたらすデビューシングル

コラム・特集
2026.1.22
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いま注目すべき最新リリースをレビューする特集企画『このリリースがすごい!』。今回はghost girl in my bed「femme」をご紹介。


2026年1月、東京のインディーシーンに新たな風を吹き込むシューゲイズバンド、ghost girl in my bedがデビューシングル「femme」をリリースした。 ghost girl in my bedは東京を拠点に活動し、シューゲイズのヘヴィーな側面を強調したスタイルが特徴だが、デビューシングル「femme」でもそのスタイルがいかんなく発揮されている。本作は作詞・作曲・プロデュースをghost girl in my bed自身が手がけており、DIY精神が貫かれた作品となっている。

イントロのエッジが効いたミドルテンポのギターのカッティング、そこから展開される美しい爆音の炸裂。1990年代初頭のMy Bloody ValentineやSlowdiveのような、ギターのディストーションとフィードバックを壁のように積み重ねたシューゲイズの伝統を受け継いでいる。轟音の中に甘美なメロディを忍ばせる手法や儚く揺らめくような世界観のエッセンスを感じさせながら、現代的なサウンドに洗練された心地を覚える。グランジ的なサウンドの荒々しさを持ち合わせている一方、ノイジーなボーカルが際立っているのも特徴だ。演奏とボーカルを絶妙なバランスの中で着地することで、ジャンルとしてのサウンドのインパクトを与えながらも、どことなくメランコリックな歌の世界を溶け込ませながら構築している印象を受ける。激しいというイメージと切ないという印象の両立がこの楽曲に内在している印象を受ける。シューゲイズ的な美しさとグランジの荒々しさを持ち合わせた結果、ゴツゴツした野菜で熟成させたとろみのあるカレーを生み出したような……。そんな不思議な味わいを覚えることになるのだ。

もう少し楽曲を細かくみていこう。必聴なのは2分32秒あたりからの30秒強のバンドアンサンブルであろう。暴れ狂う歪んだギターサウンドと、実直に音のレイヤーを厚くするベースサウンドと、シンプルながらも一発のパンチ力が極限まで高まったドラムの集結。こんなサウンドが好きな人なら全員が心躍るようなアウトロであろう。各パートが互いを喰い合うのではなく、ひとつの巨大なうねりとして押し寄せてくる感覚がある。ヘッドフォンで聴けば、左右から波のように包み込まれる没入感を味わえるはずだ。没入できる音世界を入口にして、時間からは切り離された自由な世界に埋没できる。現代のシューゲイズはまだまだ面白いぞ。そんな無言の主張が耳に届くかのような気持ちよさがある。

なお、本作はリリース直後にアメリカのシューゲイズ専門ラジオ局・DKFM Shoegaze Radioの「New Tracks Weekend」で取り上げられるなど、海外からも早くも注目を集めている。

2026年1月から、DIYなインディーシーンが面白いことを予感させる快作であると感じる。シューゲイズという確立された様式の魅力を活かしつつ、現代のシーンに合わせてブラッシュアップされたサウンドがここにある。ghost girl in my bedの今後の動向にも注目していきたい。


ghost girl in my bed「femme」

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この記事の執筆者
ロッキン・ライフの中の人
ロッキン・ライフという音楽ブログとイベントを運営している中の人です。