【このリリースがすごい!】メタボリックシンジゲート『ULTIMATE SYNDIGATE』| ユーモアと骨太ロックサウンドに満ちた痛快ベストアルバム

コラム・特集
2026.3.30
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音楽ファンは要チェック、注目のリリースをレビューする特集企画『このリリースがすごい!』。今回は、メタボリックシンジゲートの新ベストアルバム『ULTIMATE SYNDIGATE』を紹介。


「平成の日本が生んだ生活習慣病的組織」。そんな強烈なキャッチコピーを掲げる大阪発のエンタメコアバンド、メタボリックシンジゲート。活動の集大成とも言えるベストアルバム『ULTIMATE SYNDIGATE』を2026年3月26日にリリースした。全20曲、67分。これまでの作品群から選び抜かれた楽曲たちが、一枚のアルバムとして新たな文脈を持って並んでいる。

このリリースがすごい!というコラムの性質上、本来であれば全曲に触れたいところであるが、今作はボリューム満点のベストアルバムであるため、数曲をかいつまんで紹介してみようと思う。

まず触れたいのは、各種サブスクリプションのランキングでも上位に位置する「マンパワーが足りない。」だ。タイトルからしてこのバンドらしいユーモアが炸裂している。パワーコードが痛快に響くパンキッシュなサウンドと、小刻みにフックを作る疾走感のあるビートメイク。猫の鳴き真似をするコーラスも含め、面白い楽曲なので、このバンドの入門的楽曲としてぜひ聴いてみてほしい。

続いて紹介したいのは「石橋トントンセミナー」。「トントン」という歌詞をリズミカルに歌う流れも含め、気持ちの良いリズムの中に言葉選びが秀逸な日本語を落とし込むのが見事だ。高速ビートなダンスロックが好きな人でも楽しく踊れるコミカルさが宿っている。

「ロックンロールに恋したあの娘は」は、先ほど紹介した2曲に比べて、ちょっとエモさがあるというか、ある種の青春ロックみがあるナンバーになっている。ツービートで展開されるビートに、叫びにも似たボーカルを展開させる流れやサビでメンバーがコーラスに入ってボーカルを太くするような流れは、好きな人にはとことん刺さる”青さ”が光る。

「キドアイラク」は、喜怒哀楽という感情をテーマにしたミディアムテイストの楽曲である。こういうテンポでも楽曲にぐいぐい引き込まれるのは、ベースにあるボーカルがしっかりしているから。聴きやすくて、伸びやかで、フレーズのひとつひとつがしっかり届くことを実感する楽曲である。

「厨2ディスコ」は、マキシマム ザ ホルモン的なビートとユーモアが好きな人にも刺さるような、鋭いギターのリフとエッジの効いたビートメイクが光る楽曲である。Bメロでは首を縦に振って乗れるような自由自在さがある。

他にも、某カードゲームバトルを彷彿とさせるタイトルが面白い「ずっとオレのターン!」、大阪にあるディープなスーパーで有名な玉手を絶妙な切り口で楽曲に昇華した「ダンジョン玉出」、全てが身も蓋もなくてある種社会性が宿った楽曲になっている「MVの再生回数が戦闘力に見える。」など、多種多様なラインナップを網羅的に堪能することができる。

コミック的な要素もあるけど、骨太なロックバンドの楽曲としても楽しめるのがメタボリックシンジゲートの凄いところ。本作は、メタボリックシンジゲートを初めて聴く人にとっての最高の入口であり、既存のファンにとっては活動の軌跡を一気に振り返ることのできる一枚。ぜひこの機会に聴いてみてほしい。

 


メタボリックシンジゲート「ULTIMATE SYNDIGATE」

メタボリックシンジゲート『ULTIMATE SYNDIGATE』各サブスク

 
 

この記事の執筆者
ロッキン・ライフの中の人
ロッキン・ライフという音楽ブログとイベントを運営している中の人です。