【セ・ラ・ノ#14】hirunotsuki『春空の便り』セルフライナーノーツ
アーティストによるセルフライナーノーツで作品の魅力を深堀りする連載企画「セ・ラ・ノ」。
第14回となる今回は、hirunotsukiが登場。
3月に発表された、『春空の便り』について、セ・ラ・ノ。
『春空の便り』各サブスク
Track 1「ブレス」
大垣友(Gt./Vo.) (以下 大垣)
まずこのバンドをはじめるときに、最初に作った曲です。リフなどはこだわった記憶はないのですが、パッと出てきたような気がします。
ラスサビはあえてリズムをハーフにすることによって、そこが際立つように意識しました。そしてなにより、男女ツインボーカルの掛け合いを一番おいしいところに持ってきた感じですかね。それに伴って、歌詞も男女の姿が思い浮かぶようなものにしました。
名桜(Vo./Gt.) (以下 名桜)
最後のギターのユニゾンの部分は友くんが弾くフレーズが目立つように。このフレーズこそこの曲の顔だと思うので、それが際立つようなバッキングを弾くようにしています。
聞きどころはやはり2人が歌うラスサビですね。それに向かって熱を帯びるようなイメージで、序盤走り出す感じです。ライブではその部分でお客さんと一体感が生まれるような楽曲となってます!
通勤とか朝のひと時に聴いてください!
Track 2「クオリア」
大垣
自分がソロでやってた時のバンドで作った曲です。メロディーなどは好きだったのでこのバンドに持ってきたところ、上手くハマったと思います。
最後の転調は元々なかったのですが、なんかこうメロディーが結構平坦なので、一つギアを入れる意味で、上げてみました。
名桜
なぜ私に歌詞を任せてくれたんですか?
大垣
このバンドで共作をしたいとはずっと思ってて、歌詞が浮かばなかったので、ぶん投げてみました(笑)。おかげでありがとうございます。
名桜
この曲は作詞を担当しました。
友くんが送ってくれたデモを最初に聞いたときに、彼が作る曲独特の青さと、どこか懐かしさを感じました。聴いてるうちに、”同級生” “夕立”などのイメージが浮かび上がってきて、大人になって思い出す旧友の姿、あの頃の情景を歌った詞になりました。
最初、登場人物は一人称「俺」と、「あいつ」だったんですけど、このバンドの世界観の視点から友くんと話したときに、「僕」と「あの子」になりました。まぁでも変わらず主人公は男性のイメージの物語だったので、友くんに歌ってとお願いしました。
初めての2人の共作なので、思い入れ深い曲です。
Track 3「灰色の部屋と花」
大垣
綺麗めな曲ばかりなので、少し気負わずに聴けるような曲を書きたくて、最初のリフもいい意味でちょっとアホっぽく作りました(笑)。でもメロディーは綺麗なのを目指しました。
間奏はあえて8分の7にしてアホっぽいながらもフックになればと、思いつきました。
キャッチーな曲なのに、歌詞の内容は「体だけの都合のいい女性」というちょっとドロっとした内容を書きました。
名桜
友くんから歌詞の真意を聞いたときに、なんちゅう曲を歌わせるんやと思ってましたが、いざ音源になって聴いていると、これからの季節に合いそうだなと。(今は3月)
スルメのように好きになれた曲です。
この曲では間奏部分の、ギターが入って、友くんギターとベースが入って…みたいな、ライブ感とか私たちが演奏してる光景が浮かぶ、そんな曲になりました。(そこがレコーディングで1番大変だったところ笑)
キメやリズムに乗りながら楽しく聴いてください。
Track 4「snowpiece」
大垣
この曲も、前のバンドで作っていた曲で、これはもう言っちゃいます、B’zが僕は好きで「いつかのメリークリスマス」を意識して作りました(キッパリ)。歌詞を見ていただくとわかると思います(笑)。
冬の曲なので、みんなで話し合いながらところどころに鈴の音を入れました。それがいいアクセントになってると思います。
とりあえず、シンプルな構成にしてますが、イントロや間奏のギターリフだったり、ベースはあえて外した進行になっているのがポイントです。
名桜
最初はA、Bメロは友くんが歌う予定だったんですが、この曲の世界観や、重量感で名桜が歌ったほうが軽やかさが出ると思い話し合った結果、全て私が歌うことになりました。
冬の哀しさだったり、なんていうか…包まれてる感じを表現したくて、ギターの音色なども1番こだわった曲です。詞は切ない気持ちや情景なので、それをリスナーに感じてほしくて、歌い方もやさしさとか哀愁を意識して歌っています。
早く冬にこの曲を聴いてほしいなぁ。
Track 5「hakuchūmu」
大垣
ゴリゴリシューゲイザーな曲を作りたくて、多分、1時間くらいでできた曲です。とりあえず長くてうるさければいいだろうと思って作ったところ、「長すぎる」とメンバーに指摘され、短くなりました。
これ名桜ちゃんには怒られるかもしれないのですが、歌詞に特に意味はありません(笑)。hirunotsukiというバンド名が決まる前に「suzukaze guys」というバンド名を提案し、却下されたんです。そのなごりで1Aメロの歌詞に「すず風」という言葉をねじ込みました。
轟音の中で名桜ちゃんの透き通る声が際立ってすごく良い仕上がりです。聴いてくれた人の評価も高くて、よっしゃーです。
名桜
1stライブで披露した曲の中でおそらく1番好評だった曲です。私も何気に1番好きな曲です。
この曲を起点にこのバンドのスタイルや、色が決まっていったらいいなぁ。友くん怒られるとか言ってましたけど、意味のない歌詞だとしても、このバンドを強くイメージして作ったんだろうなという隠れた意志のようなものを感じる曲です。
長い間奏のあとの、「止まる時間」の部分は1番聴いてる人を引き込みたいなと思いながら歌ってます。
Track 6「涙のゆくえ」
名桜
このEPで唯一の私作詞作曲の曲になってます。これからこのバンドでやってくぞという時にこのバンドで演奏している姿、バンドでステージに立った時の気持ちを強く想像したときに、聴いてくれてる人たちに1番何を伝えたいかを色濃く書いた曲になってます。
「眠ってたいよ」などの印象的なリフレインを入れたり、サビのメロディーを繰り返したりして、リスナーの心にスッと入って留まるようなそんな曲に仕上がりました。編曲は友くんが私の意向を汲み取って、1発で完璧にしてくれたので、マジでサンクス。
大垣
はじめ、名桜ちゃんが送ってくれたデモは、ギター・歌詞・メロディーだけでしたが、いい曲作るなと。
名桜ちゃんから、バンド曲にするならこういうテイストで、という要望もすぐに理解できたので、形にしやすかったです。レコーディング時も、名桜ちゃんからどんどんアイデアが出てきて、イントロのハミングもそこで生まれました。いいな、と(笑)。
僕が作った「ブレス」、名桜ちゃんが作った「涙のゆくえ」をhirunotsukiのシングル曲として最初に出せたのはとてもbeautifulなスタートだと自負してます。
最後に
このバンド走りだしのEP、長い冬を越えて試行錯誤して生まれた曲たち詰め込みました。広く皆さんに轟いてゆけばいいなと思います。ぜひ、聴いてください!
hirunotsuki一同

hirunotsuki
シューゲイザーを彷彿とさせる空間系のサウンドに、溶け込むようなボーカル・名桜の歌声が特徴的な男女ツインボーカルロックバンドhirunotsuki。
2025年9月に結成後、制作期間を経て2026年2月から本格始動。
Gt.vo大垣友が作り出すどこか青々しい楽曲と名桜の歌声が織りなす、まるで青空に透ける月のような世界観に注目。
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