yahyel、新作EP『SALVAGED』で1stアルバム楽曲を再構築 ダブ、ミニマルミュージック、AORの影響を詰め込んだ一作に
yahyelがシングル『SALVAGED』をリリースした。
2023年3月に3rdアルバム『Loves & Cults』を発表し、約5年ぶりの復活を果たしたyahyel。アルバムタイトルを冠した東名阪ツアーを成功させ、バンドとしての音像をより生々しく進化させた姿は、幼年期を超えた共同体としての成熟を感じさせるものとなった。愛と狂信という言葉を対に立てることで、対岸の人間との類似性を示し、時代の虚しさと希望を暗示したアルバムの後、テーマは“新しい形の共存”へと向かっていく。不確かなまま、個々のまま、我々はどのようにして共存し、対話への道筋を見出すのか。我々は、それぞれの曖昧さと対峙し、見つめ直すことができるのか? かつては、古今東西のベースミュージックを吸収し、“無機質”とまで形容される削ぎ落とされた音像が特徴だったバンドは、演奏という肉体性をもって、より自由で血の通った、yahyelとしか形容できないロックを定義した。
『SALVAGED(遺されたものを引き上げる)』という言葉をタイトルにした本作では、2016年11月にリリースされた1stアルバム『Flesh and Blood』収録曲から4曲を再編集。ダブ、ミニマルミュージック、AORなどからの影響も見て取れるように、メンバーがそれぞれの現場から持ち寄った要素が更に詰め込まれた。何かを断ち落とすための変化ではなく拾っていくための変化、次の新たなダイナミズムと進化の兆しを探すバンドとしての軌跡が描かれている。