「MV(ミュージック・ビデオ)はいつアップするのがベストなタイミング?」プレイリストへのピックアップとの関係から考える

アーティスト向け
2020.12.23
「MV(ミュージック・ビデオ)はいつアップするのがベストなタイミング?」プレイリストへのピックアップとの関係から考えるのサムネイル画像

「MV(ミュージック・ビデオ)はいつアップするのがベストなタイミング?」プレイリストへのピックアップとの関係から考える

MV(ミュージック・ビデオ)はいつ公開するのがベストなタイミングなんですか? ―― アーティストの方から時々こういう質問をされることがあります。正直、公開するタイミングにひとつの正しい答えがあるわけではなく、自身のリリースやプロモーション、その他アーティスト活動にまつわる様々な要素がある中で、ケースによってそのタイミングは異なるでしょう。

しかし、一つ考え方のベースとなるグローバルなマナーが実は存在します。今回はそのマナーをご紹介します。

 
現在、音楽ストリーミングサービスで再生が増えるきっかけの一つにプレイリストへのピックアップがあります。中でも、それぞれのストリーミングサービスのオフィシャルプレイリストはフォロワーも多く展開面も目立つ場所にあるため、その影響力は大きいでしょう。

ただ、新しい曲がどんなに素晴らしくてもプレイリストにピックアップされる確率が著しく低くなってしまうケースがあります。それは、新曲のストリーミングサービスでの配信開始前にその新曲の同一音源フル尺を他のサービス、プラットフォームで公開することです。例えば、新曲の配信リリース前にYouTubeにその曲のフル尺のミュージック・ビデオをアップすることなどがこれにあたります。

これはストリーミング時代の今、海外の音楽業界では一般的に知られたマナーです。国内でも関係者の間では徐々に浸透してきていますが、自分で楽曲をプレイリストにピッチして自分でMVをアップするタイミングを決めるインディペンデントアーティストの場合もぜひ覚えておきましょう。今後プレイリストに楽曲をピッチする際は、リリース日とMVの公開タイミングを必ず意識するようにしましょう。

SubmitHubやPlaylist Pushといったピッチングサービス、Spotify for Artistsのようなストリーミングサービスが用意しているツールからのピッチングTuneCore Japanが提供しているサブミット機能、これらを使ってプレイリストへピッチ、アプローチをしているにも関わらず同一音源のフル尺のMVを配信リリース日より前に先出ししていると、せっかくのプレイリストピッチングが徒労に終わってしまいます。ちなみに、MVに限らずリリックビデオなどでも同一音源をフル尺であげていれば同様です。

このことからMVをアップするタイミングを考えるにあたって、その曲をプレイリストピッチしているかどうかが重要なポイントとなります。早めにMVをアップしたい場合も、その楽曲をプレイリストピッチしていてプレイリストに取り上げられたいと考えているならば、少なくとも楽曲を配信した当日まで待ってからMVをアップするようにしましょう。

これは音楽ストリーミングサービスとYouTubeのような動画配信サービスとの間だけではなく、例えばある一つの音楽ストリーミングサービスだけに先行配信した場合も同様です。ある配信サービスだけで先行リリースしてしまうと、後から配信がはじまるその他のストリーミングサービスではピックアップされる可能性はかなり低くなります。

プレイリストにピックアップされたい、ストリーミングサービスからサポートを期待したい、といった場合は媒体限らず全サービス同時配信をされることをおすすめします。例えばSpotifyでは厳密な基準が設定されており、同時の公開を推奨しています。

正しいマナーでピッチ/サブミットしたからといって必ずしもプレイリストにピックアップされるとは限りませんが、その確度を少しでもアップするためにもこういった事項もぜひ覚えておきましょう。

なお、この記事はTHE MAGAZINEを運営するTuneCore Japanが実際に音楽ストリーミングサービス / 配信ストアへ確認した内容に基づいています。

この記事の執筆者
THE MAGAZINE
国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア