再生が増える!? カンタン、自分でできるプロモーション「ジャンルプレイリスト」作りのススメ

2021.12.7

Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法

アーティスト自身で、自分がやっている音楽ジャンルのプレイリストをSpotifyで作り、そのプレイリストを伸ばすメリットとその方法について解説します。

今回フォーカスするのは「ジャンルプレイリスト」。セットリストやアーティスト楽曲をまとめたプレイリストとは別です。

自作の「ジャンルプレイリスト」に自分達の曲も入れておくことで、プレイリストの成長がプロモーションにもなります。プレイリストを伸ばしてより多くの人にアクセスされればされるほど、そこに含まれる自分達の曲を聴いてもらえる確率が上がるので。

では具体的にどうやっていくのか。筆者が毎週月曜に更新しているメタルコアプレイリストを例に、話を進めていきます。


 
なお筆者のプレイリストは海外バンドを中心に取り上げているため、記事内容もそれに準拠したものとなっております。細かい語句選びなどは、各自のプレイリストに合わせて調整していただければ幸いです。

※プレイリストの基本的な作り方などは下記の記事が参考になると思います。


説明文作りのコツ

まず、アーティスト側からのサブミットを受け付けるようにしましょう。

先方から連絡してもらえれば、更新内容を自分で探す手間も省けます。バンドとメッセージを交わす難易度も下がります。それをきっかけに親交を深めて、コラボに発展する可能性も生まれます。

具体的な方法としては「submission/submit/contact/IG」といった単語を入れておくのがオススメ。

「ジャンル名+submission」などで検索すると、サブミットに対応しているプレイリストが出てくるので、その書き方を参考にするのも良いでしょう。

なおスマートフォンアプリからだと説明欄が見切れるため、なるべく手前に先の単語を入れておくのが好ましいです。

Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
説明文も見え方を考えて工夫

 
例えば、筆者の場合はInstagramのIDを載せているので、こういったメッセージが定期的にInstagramに届きます。

Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
アーティストからのサブミットが。ここからコラボも生まれるかも

 
 

プレイリストを広める方法

サブミットしてもらった曲がプレイリストに合う場合は、次の更新日に追加。ストーリーズで更新をシェアすると共に、プレイリストに追加したバンドのアカウントへメンションを飛ばします。

そうすると、バンドによってはリポスト&シェアしてくれます。ここでメンションを飛ばす先は、メッセージをくれたバンドだけでなく、自分が好きで追加したバンドも含めましょう。


Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
メンションを丁寧につけることで、リポスト&シェアしてくれることも

 
バンドによっては別のSNSでシェアしてくれる場合もあるため、プレイリストカバーにはオリジナルの写真を使っておくと見栄えが良いです。


Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
メンションに気づいてくれてFacebookでシェアされた例

 
プレイリストフォロワーが1~2桁台のうちは、サブミットが来にくいので、こちらから積極的にバンドへメンションを飛ばしてみましょう。スパム的な勢いで行うのはもちろんNGですが、本当に好きな曲を追加して、その熱量を伝えれば向こうも悪い気はしないかと。

楽曲選びのコツとしては、活動規模が自分達と近いバンドを入れると良いです。例えばMetallicaやTaylor Swiftみたいな超有名アーティストだけを入れていても、何も起きません。メンションを飛ばしても関係性は発展しません。

曲が好きなことは大前提として、Instagramのフォロワー数やSpotifyの月間リスナー数などを目安に選んでいきます。

 
 

結果の測定方法

SpotifyのWeb Playerから見れる各アーティストページの「ここで聴ける」欄を目安に測定します。この欄は、“そのアーティストがよく聴かれているプレイリスト順”に並んでいるようです。

例えばDreamwakeやErase The Dayというバンドは、筆者のプレイリストでかなり再生されている様子。


Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
「ここで聴ける」はアーティストページ内でもかなり目につきます

Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
自分が作ったプレイリスト経由での再生が増えることは先方にとっても嬉しいはず

 
また自分達の曲を自作のプレイリストに入れておけば、再生数が分かります(Spotify for Artists → Musicタブ → “Listener”欄)。したがって、そこからプレイリスト内の他アーティストの再生数を大まかに推測することができます。

※Spotify for Artistsはぜひ活用しましょう。

 
「ここで聴ける」欄と、その自分達の再生数を元に、結果の測定(推測)は行えます。

見栄え的にはプレイリストのフォロワー数も大事ですが、「ここで聴ける」欄を見ていると、フォロワー数が他より少なくても上位表示されている場合があるので、やはり実体として「再生されているかどうか」が重要ですね。

 
 

「ここで聴ける」欄の活用方法

「ここで聴ける」欄はプロモーションにも使えます。この欄の上位に表示されていれば、目に留まりやすくなる。

つまり、ここに表示させることができれば、ある意味「広告エリア」として機能します。

もちろんリスナー数の多いアーティストだと、上位欄へ進出するのは難しいです。が、「ここで聴ける」欄が埋まっていないアーティストであれば、上位でなくとも表示されます。


Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
▲例:『Breakdown Masters』は筆者のプレイリスト。このアーティストは再生されているリスナープレイリストが少ないため、多少再生さえされればこうして「ここで聴ける」欄に載ることができます。

このように「ここで聴ける」欄が埋まっていないアーティストを見つけて、自作プレイリストに入れていく。そうすると、検索やバンドからのシェアとは別の方法で、アクセスを獲得できます。

ただし、ただ曲をプレイリストに入れれば良いわけではなく。当たり前ですが、プレイリスト内で再生されないといけません。そのためには、更新ペースを決めて、(一定のクオリティで)新しい楽曲を追加し、追加したアーティストへメンションを飛ばす。

そうしてプレイリストをアクティブな状態に保っていれば、以前取り上げたバンドが新曲を出したときに、向こうからまた連絡をもらえるようになります。


Spotifyで自作のジャンルプレイリストを伸ばすメリットとその方法
定期的かつきちんと内容のある更新を行うことで信頼度も上がっていきます

 
プレイリストフォロワーが100人を超えたら、Daily Playlistsでプレイリストを出せるようになるため、まずはそこを目指してみるのがオススメです。

 
今回は筆者の活動しているジャンルでの例となりますが、現在、音楽のジャンルは細分化が非常に進んでいるので、そういった状況においては、自分の音楽のジャンルについて最も詳しいのはある意味自分かもしれません。アーティストも、いち音楽リスナーであり、また専門的なキュレーターと言ってもいいでしょう。みなさんも自分がやっている音楽ジャンルのプレイリストを作って活用すると良いかもしれません。

この記事の執筆者

ビトク / Bitoku

東京生まれ東京在住 ・ ベーシスト / コンポーザー / レコーディングエンジニア / Ibanezのエンドーサー

https://note.com/bitokubass