HighTunes インタビュー | 表現力豊かなツインヴォーカルとグルーヴィなサウンドでリスナーを魅了する6人組ポップバンド

インタビュー
2014.8.15
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絶妙なツインヴォーカルとグル―ヴィなサウンドが魅力の6人組ポップバンドHighTunes。7月末の猛暑日、渋谷の某スタジオにて、HighTunesから山口航さん、さばんなさん、山本真一郎さん、東條光浩さんの4人にバンドのことから曲作りのことまでお伺いしました。

 

結成のきっかけ

——まずHigh Tunesの結成は去年の夏ということで、今でちょうど1年くらいですよね。

山口航(Vo/Gt):そうですね

——結成のきっかけというのは?

山口:もともと僕とギターの俊介が学生時代に別のバンドを組んでて。それが解散して社会人になって、久々に「スタジオ入りたいね」っていう話になったので、サークルの時の友達の中から思いつく人を呼んだんです。それでコピーもいいけど一曲作ってみようと思って出来たのが「PANIC GIRL」って曲で。

——リフがカッコいい曲ですね。

山口:あれ、僕が考えたのに自分で弾けないんですよ(笑)。

さばんな(Vo):デモ音源は、何回も弾いたうちの奇跡の一回だったんだよね(笑)。

山口:そう、奇跡の一回(笑)。で、最初はドラムがいなかったので僕がドラムをやって適当にスタジオ入って。それから自然とバンドやりたいって僕の中で勝手になったんですよね。あとはドラムが必要だねみたいなこと言って。そしたらみんなが「え?」って(笑)

東條光浩(Key):「あ、ちゃんとやるんだ」って(笑)。

——最初からバンドとして始めようと決めていたわけではないんですね。

さばんな:だって最初にスタジオ入ろうって話になったときなんか、「来ても来なくてもいいよ」って感じでしたからね(笑)。

全員:(笑)

山口:僕は前ずっと男4人のバンドをやっていたんですよ。でも1年半くらいやったところからずっと男女ツインやりたくて。ヴォーカル一人だと疲れちゃうし。

山本真一郎(Ba):サボりたいだけ(笑)。

山口:ハモりも好きだしね。

——ドラムの内城さんは学年が違いますよね?

さばんな:そうですね。彼もサークルの後輩で、以前バンドを組んだことが何度かあったので声を掛けたんです。

——みなさんサークル仲間だったんですね。音源のリリースは今年に入ってからですが、それまではどんな活動を?

山本:とりあえずライブはやりたいって話はしてて。

東條:じゃあ4曲くらいあればいいねってなって。

山本:それで音源が出揃ったからアルバムにしようってなったんです。この経緯、文字にしたらつまんなくない!?(笑)。

 

楽曲へのこだわり

——大丈夫だと思います(笑)。ちなみに今ある曲はどのような順番で出来たんでしょうか?

山口:さっきの「PANIC GIRL」が出来た後にまた新しい曲(「punchdrunker」)を作って、それを練習しようと思ってスタジオにバイクで向かってる途中に「あ、なんか来た」って思いついたのが「make it clear」ですね。

——そうだったんですね。普段曲作りはどう進めているんですか?

山本:山口が原案を打ち込みのデモ音源でガッツリ作るんですよ。それを共有してみんなが聴いて、週一のスタジオ練習で合わせて。

山口:そこで曲の構成や楽器陣のアレンジを詰めていったり、スタジオで録音した音源をひたすら聴きまくって違和感があったところを直していくっていう感じですね。

——なるほど。HighTunesの楽曲は、どれもメロディラインがキャッチ―でポップなのにアレンジはちょっと複雑というか、ファンキーだったりお洒落ダンスだったり、大人っぽいサウンドだなという印象があります。目指すサウンドのイメージはあったりされますか?

山口:メロディはまさにキャッチーさを意識しています。カラオケで歌いたくなるメロディというか。とにかく“一発で耳に残るけど、ずっと聞いても飽きない曲”っていうのを目指しています。現段階では。

——そういえば事前にお聞きしたみなさんのルーツ音楽にもJ-POPのアーティストの名前が沢山出ていましたね。

山口:そうですね。“バシーン!”というパワフルさよりも滑らかさを意識していて。歌詞もメッセージというよりは、メッセージを伝えるなら本を書けば良いと思っているので、歌だったら語呂の良さが大事かなと。

——歌詞の音感を重視するという点ではアプローチが洋楽に近いかもしれないですね。押韻とか。

山口:特に洋楽っていう意識は無かったんですけど。

山本:山口はラップが好きだったんだよね。

山口:そうそう、ラップ好き。というか、言葉遊びが大好き。

——どうして男女ツインボーカルという編成にされたんでしょうか?にしたかったんですか?

山口:前のバンドの時に限界を感じたんですよ、僕一人で歌うことに。ハモりが必要だと感じたし、思い浮かぶメロディが結構高いので、「これ女性ヴォーカルにしたら良い感じかも」と思って。それに見栄えもいい。オッサンばっかりより(笑)。

——男女ツインであることで、例えば「インスタント・チョコレート」の主人公2人のやり取りのようなドラマチックな演出も可能になりますよね。

山口:一番意識しているのは“飽きないこと”です。コーラス入れるにしても1番と2番で変えてみたりとか。

山本:けっこう唐突に入れたりね。

山口:「次何が来るんだろう」っていう意外性ですね。サビを繰り返しすぎないとか、繰り返してもコーラスをちょっと違うものにして、展開が豊かになるようにしています。

——ヴォーカルお二人の、男女での声域の差は意識されますか?

山口:前のバンドよりは楽曲の幅が広がっていますし、それに僕らあんまり声域が変わらないんですよ。僕が普通の男性よりちょっと高くて彼女(さばんな)が普通の女性よりちょっと低めなので。

さばんな:うん、低い。

山口:ジュディマリのYUKIさんとか、ああいうハイトーンが出るわけではないので。それに僕の作るメロディは自分の声域よりちょっと高いってのが多いので、ちょうどいいんですよね。

——お二人の特徴が上手く合致してHighTunesの楽曲になっているんですね。

山口:そうですね。なので現在は声域の差の少なさが生きていると思うんですが、その分選択肢が限られてしまうこともあると思いますし、今後ずっとやっていく中でもしかしたらその壁にぶつかるかもしれません。

——歌詞はテーマがかなり多岐に渡っていますよね。

山口:歌詞を書くときは2パターンあって。1つは「バレンタインだからバレンタインの曲を書こう」っていう季節に合わせたようなもので。もう1つはふと思いつくもの。いろんなものにドラマを感じてしまうんですよ。例えば、椅子ひとつとっても、椅子が「女以外座るんじゃねえ」って思ってるんじゃないかなとか(笑)。人や物になりきってそれら目線のストーリーをテーマにすることが多いです。

——「furikake!”(ふりかけ)」も歌詞がユニークですよね。

東條:これは確か、山口が「バカっぽい曲を作ろう」って原案をスタジオに持ってきて(笑)。

山口:僕、高校野球をやってて、そのとき補欠だったんで、補欠目線で書くことが多いんですよ。目立たない人をピックアップしたくなるみたいな。

 

HighTunesならではのパワフルなライブとアレンジ

——また、HighTunesはライブもパワフルですよね。ライヴで意識されていることは?

山口:シンプルだけど、まず見ていて楽しいこと。曲を作るときもそれは意識しています。あと、奇をてらったことはあまり好きじゃないので、一曲を通して自然にノれて、お客さんの「あ、ここで盛り上がるだろうな」っていう空気を裏切らない自然な感じを意識していますね。それがパフォーマンスにも出ているかもしれない。

——アレンジに注目してみると「make it clear」なんかはベースが途中で急にウォーキングになったりしますよね。アレンジするときに意識なさったりしますか?

山本:あの場面はけっこう意図的に作ろうとしていて。「ジャズっぽいのをここのセクションで作ろう」って決めて。普通すぎると面白くないかもしれないから、ここならジャズっぽいのもアリかもっていうポイントポイントに、曲の雰囲気を崩さないよう気を付けつつ入れました。

山口:大体の曲がそうなんですけど、この曲も先に2番まで出来ていたんですよ。そこからどうアレンジするかってなったときに、歌詞の内容とか流れ的に“じゃあ一旦落ち着こう”ってなるポイントがここ(ウォーキングベースの入る間奏)ですね。それから見栄え的に6人いるので。基本的にフロント2人が目立つようにっていうのは考えているんですけど、他の4人が目立って見えるところもあったほうがバランスが良いかなと思っていて。

東條:ああいうジャズっぽい演奏がもともと得意ってわけじゃなくて、「make it clear」にジャズっぽいアレンジが合いそうだからやってみようってなって、それから「あれ?ウォーキングベースってどうやるんだっけ?」って。

 

少ないリソースで音楽を届ける工夫

——また、作品を音楽配信された経緯というのは?

山本:このバンドって基本的に音楽は山口が良いのを作ってくれて、音源もちゃんとしたクオリティーで制作できているんです。そこで最近は毎回ライブに来てくれる方向けと新規の方向けマーケティングをそれぞれ考えていて。例えば、「インスタント・チョコレート」のお披露目の時はオリジナルパッケージのチョコレートを配布したりとか。ジャケット写真になってるものですね。ライブでしか味わえない体験を重要視しています。ただ、新規アプローチになかなか苦戦していて。友達以外の人にもちゃんと聴いてもらえるようにしていきたいんですね。そこでTuneCoreを利用して配信しようと。今このバンドの限られたリソースの中で一番リターンの大きくなる施策は何かなってことで。

山口:結果論ですけど、iTunesとかに載ってるってだけで地元の友達とかに興味付けができるんですよ。ライヴに行くひとつのきっかけになって。印象としては、今音楽市場でCDの販売っていうのが終わりつつあって、今後(音楽市場の中心が)ライヴになっていくだろうっていう中で、音源を無料化してライヴに人を呼んでそこで収益を上げる、その転換期の間くらいにいるような気がするんですよ。

——最後に、バンドとしての目標・展望は何ですか?

山口:直近では、大きなライヴハウスで演奏するとかフェスに出るとか。まずワンマンをやりたくて。でも、今けっこう余裕がない状態で。今日も仕事で来れないやつがいたり。でもやっぱりフェスとか、俺らが今まで見る側だったステージに立ちたいですね。1年以内に。


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この記事の執筆者
TuneCore Japan Official Ambassador
TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

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