DJ CHARI & DJ TATSUKI (Air Waves Music) インタビュー |「とにかく新しい音楽を発信していく」

インタビュー
2018.4.25
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DJ CHARI & DJ TATSUKI from Air Waves Music |「とにかく新しい音楽を発信していく」
DJ CHARI & DJ TATSUKI

 

DJ CHARI & DJ TATSUKI ふたりのルーツ

——今回はインタビューの機会をありがとうございます、よろしくお願いします。

DJ CHARI & DJ TATSUKI:AIR WAVES MUSICに所属する、DJ CHARI & DJ TATSUKIです。よろしくお願いします。最近の主な活動としては、国内外問わず最新のヒップホップをDJやMixTape、自分たちのシングルなどを通して発信しています。

——いまやDJはもちろん、数多くのアーティストをプロデュースされたりとご活躍のおふたりですが、はじめてDJに興味を持ったのはいつごろでしたか?

DJ CHARI :中学2年生の時にKICK THE CAN CREWを知ってヒップホップにのめり込むようになりました。そこでラッパーがライブするにあたってDJは必要不可欠だな、と思ってDJに興味を持ちましたね。

DJ TATSUKI:同じく中2の時に、たまたま買った雑誌の表紙がDABOさんだったんです。それで友達がニトロの存在とか色々教えてくれて、HITMANとかS-WORDさんの『ONE PIECE』を聴いて「ヤバいっ!」てなって。当時はDef Jam Japanが大好きでした。その後に「公開処刑」が出て、「8Mile」があって。友達の先輩にDJがいたりして興味はあったので、高校の時に西武新宿の「ぺぺ」にある楽器屋に通って、DJを教えてもらっていましたね。

——中学生の頃はどんな少年だったんですか?

DJ CHARI :国内外問わず最新のヒップホップをディグるためにTSUTAYAとレコード屋に通い、MDに焼いてまわりの友達に配っていました。最終的には高校卒業の時に初めてのMixCDを自主制作、販売したんです。その時のMixTapeのタイトルは『RIDE ON CHARI』です(笑)。


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DJ CHARI『RIDE ON CHARI』

——MixTapeはどのように作っていたんですか?

DJ CHARI :当時レコードでやっているので60分間、大体30曲くらいを全て1発録りでやっていました。なので途中失敗したら、最初から何度もやり直して作っていたのを思い出します。

DJ TATSUKI:しかもレコードだから、気に入ってる曲だとこすりすぎてて頭の音がスカスカだったりするんですよ(笑)。『RIDE ON CHARI』はCHARIと出会ってすぐ聴かせてもらったんですけど、すごい刺激になったのを覚えてます。

——TATSUKIさんの中学時代は?

DJ TATSUKI:バイオリンをやっていて、DJを始めた頃はまだ頻繁にさわってましたね。それもあってMiri Ben Ariというヒップホップバイオリニストのアルバムはすごいハマりました。あとはひたすら地元の友達と一緒にいただけで特にないんですけど、みんな共通してヒップホップが好きでした。それこそ上のニトロとか教えてくれたやつとかなんですけど、みんなとは今でもしょっちゅう一緒にいますね。


DJ CHARI & DJ TATSUKI from Air Waves Music |「とにかく新しい音楽を発信していく」
まだ幼さの残るふたり

 

とにかく新しい音楽を発信していく

——Air Waves Musicレーベルをはじめられたきっかけというのは?

DJ CHARI :BCDMGにDJというカタチで所属したんですけど、より最新のメインストリームのヒップホップを発信していきたくて、それで新たにAir Waves Musicを立ち上げました。

DJ TATSUKI:僕も所属してますが、CHARIが立ち上げたレーベルっていうことで自然と今にいたってて。CHARIはDJ人生の大半を一緒にいるんで、一緒にやることしか思い浮かばないですね。


DJ CHARI & DJ TATSUKI from Air Waves Music |「とにかく新しい音楽を発信していく」
DJキャリアの大半を共に過ごしてきた

——レーベル名の由来というのは?

DJ CHARI :“Air Waves”というのがテレビやラジオの放送電波のことで、自分たちの曲がテレビやラジオをジャックするという感じで。メンバーのDJ L-ssydeが考案したんです。

——そうなんですね!Air Waves Musicではどういったことを展開されているのでしょうか?

DJ CHARI :まず所属のアーティストが、ラッパーのRENE MARS、DJはCHARITATSUKITIGUSIBASpiTeL-ssydeRyuNosuKで、最新のヒップホップをとり扱っています。主な活動は「BLUE MAGIC」っていうクラブイベントにDJ陣で参加したり、音源の制作をしたりですね。

DJ TATSUKI:このレーベルでやってること、もっとやりたいことは、とにかく新しい音楽を発信していくことです。Air Waves Music はDJ集団なんで、みんなヤバくて得意なジャンルがあって。それをうまく活かして邦楽洋楽問わず、良いものを広めてると思いますし、これからももっと広めたいと思っています。

DJ CHARI :あとちょうど最近、Spotifyのプレイリストを作ろうとしていました。イベントに向けて用のプレイリストとか、今後うまく使っていこうかなと。

——CHARIさんのプレイリストは気になります。レーベルで力を入れているところはどこですか?

DJ CHARI :クラブでDJをする時に、USの楽曲と一緒にプレイできるような楽曲を制作することですね。DJも多く所属していますが、それぞれの得意なジャンルに合わせた楽曲制作、DJ活動を広げていくことが理想形だと思ってて。

DJ TATSUKI:Japaneseヒップホップシーンで、最もイケてる新しい音楽を発信するレーベルでありたいと思っています。

——すでに多くの作品をデジタル配信されていますが、実際にレーベルを始動してから今にいたるまで、感じたことはありましたか?

DJ CHARI :個人で活動している時に比べて、「日本の最新のヒップホップ」という印象が大きくなったと思います。レーベルではコンスタントに音源を出していくことによって、みんなの認知度が上がって、全体のストリートミング再生回数が増えていきましたね。1曲のヒットが出ることでほかの楽曲も聴いてもらえて、ストリーミングが増えたのは嬉しかったです。

——関連して他の曲もひろがっていくのは良い流れですね。もちろんアーティストにとってもメリットがあるでしょうし。

DJ CHARI :そうですね。基本自分が思うのは、みんなが知らないようなカッコいいラッパーを起用して、一緒に曲を作ってヒットにつなげて、そのラッパーが多くの人に知れわたって有名になっていくことが理想だと思っています。

DJ TATSUKI:レーベルとしてというよりも、「ビッチと会う」をリリースしてからは特にビジネスとしても成立するっていうのが明確に見えました。その中でストリーミングの存在はすごく大きくて、曲を聴く方法自体が変わってきたんだなと実感しましたね。

——デジタル配信だけでも市場はそこそこ大きくなってきているということですね。実際にまわりのヒップホップが好きな人たちの音楽の聴き方も変わってきている感じはありますか?

DJ TATSUKI:友達って言えるのが数人程度で、そいつらには新曲ができるたびに聴かせてたり共有してるんであれなんですけど、そいつらがたまに俺が知らない曲とか知ってたりしているときは、大半がストーリーミングきっかけですね。自分でも使うけどやっぱり便利だし、間違いなく聴き方は変わってきたと思います。自分たちがやってること、発信したいこととして、デジタルはマストだと思ってます。

 

最高に面白い今のシーンがもっと発展するように

——日本の音楽シーンはこれからどのようになっていったら面白いと思いますか?

DJ CHARI :やはり日本ではヒップホップがまだまだ浸透していないように思います。どうしてもフリースタイルバトルのイメージだったり、ハードコアなスタイルばかりを連想されたりすることが一般的なんですけど、その世間が持つヒップホップのイメージを変えるために活動しているし。最新のヒップホップのトレンドを含めた楽曲を制作して、オリコン1位を獲得できるぐらいヒップホップのシーンが大きくなれば面白いな、と思っています。

DJ TATSUKI:もっと Japaneseヒップホップが当たり前になって欲しいです。自分がDJを始めてから、今にいたるまで日々着実に広まってきてると思っていて、そういう意味で今のシーンが最高に面白いと思ってるんで、これがもっと発展したらいいなと思いますね。自分たちも若いアーティストをどんどん発掘したいです。

——逆に若いアーティストたちは、どうしたら Air Waves Music のみなさんにチェックしてもらえるのでしょう?

DJ CHARI :InstagramやTwitterのDMで送ってもらえたら。でも、その前に現場で声をかけてもらってつながったあとに音源を送ってもらえると、本人とも話せるし、それが1番いいかな。

DJ TATSUKI:もちろんこっち側も常に探してるんで、積極的に動いていたら絶対につながると思います。自分たちはDJだけど、いわゆる若いと言われてた頃は、うざいくらい積極的だったし、若いみんなもそうして欲しいと思いますね。

 

アメリカとアジア、日本の架け橋になれれば

——今後、海外への発信や進出は視野にありますか?

DJ CHARI :最近は88risingなどのメディアプラットフォームが注目を浴びることで、アジア全体のヒップホップが成長していると思うんで、自分たちもその波にのってアメリカとアジア、日本の架け橋になれればと思いますね。88risingは、Kith ApeやHigher Brothers、Rich ChiggaなどUSのヒップホップシーンでも活躍出来るアーティストの楽曲やMVを88risingのYouTubeアカウントからあげて有名になった印象があるんで、日本にもそれくらいの影響力があるメディアプラットホームがあればすごくいいなと思います。

DJ TATSUKI:まずは日本をって感じだけど、きっかけがあれば海外へもガンガンいきたいです。アジアとかももちろんだけど、ブルックリンとかのクラブでかかるようなヒット曲作りたいですね。

——レーベルとして、いちばん実現したいことはなんですか?

DJ CHARI :自分たちの楽曲が日本のメインチャートを占めるようになって、誰もが Air Waves Music を知って、ジェイ・Zにもシャウトアウトされるようなヒップホップレーベルになることです。

DJ TATSUKI:全員で今のまま好きな音楽を追求して、自社ビル建ててエントランスにCHARIの銅像を建てたい(笑)。


DJ CHARI & DJ TATSUKI from Air Waves Music |「とにかく新しい音楽を発信していく」
DJ CHARI

——そして、今回、初の“DJ CHARI & DJ TATSUKI”名義でのアルバムをリリースされますね。

DJ TATSUKI:制作はとにかく楽しかったです。参加してくれたアーティスト全員が想像以上の内容を返してくれたので、どんどんアルバムとして形になっていくのが快感でした。CHARIと作戦たてて作った初めてのオフィシャルアルバムなのでぜひ聴いてください。このアルバムを聴いてることが「イケてる、カッコいい!」と思ってもらえたらなによりです。

——最後に未来のアーティストへひと言お願いします。

DJ CHARI :誰にも負けないFLOWを生み出せるか、誰にも負けないLIFESTYLEがあるか、自信がある方は是非 AIR WAVES MUSIC へ!


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この記事の執筆者
THE MAGAZINE
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