CIRRRCLEインタビュー “New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ

インタビュー
2018.9.21
CIRRRCLEインタビュー “New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオのサムネイル画像

CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
CIRRRCLE(Illustration : Sho Hanafusa)
 

「日本のまわりの人に言っても反応がいまいちなんですけど、NYの知り合いに言ったらめちゃめちゃ驚いてて!」とメンバーのAmiideが語るとおり、名だたる世界のトップアーティストが名を連ねるSpotify (US)のプレイリスト”New Music Friday”に、先日リリースした「Fast Car」が入るなど、国内外で急速に注目を集めているCIRRRCLE(サークル)。東京とLAに拠点を置きながらインディペンデントなスタンスで精力的に活動するCIRRRCLEから、AmiideとA.G.Oに、貴重な Spotify for Artists のデータも開示していただきながら語っていただきました。

 

コレクティブな文脈を持つhiphop trio

——今日はよろしくお願いします。まず、CIRRRCLEの3人の出会いからお伺いしていいですか?

Amiide:私はフューチャーR&Bのユニット・AYENをやっていて、JyodanはLOKYOっていう全員外国人のHIPHOPクルーにいたんですけど、私はそのクルーの別のメンバーともソウルバンドをやっていたんで、その繋がりもあってJyodanとは以前から一緒に曲作りはしていました。

A.G.O:僕は一人で細々とクリエイター活動をしていました。SoundCloudにひたすら曲をアップして、再生回数5回みたいな(笑)。

Amiide:それで3年前にアンダーソン・パークの初来日ライブがリキッドルームであったんですけど、たまたま3人全員その場にいて。

A.G.O:そこに僕とAmiの共通の知り合いがいたんで、Amiを紹介されて。「ちょっと歌ってもらいなよ」みたいな流れで、試しに1曲作ってみたらすごくいい感じになったんで、「じゃあJyodanも入れよう」ってことで割とサクッとスタートしました。それが2016年の冬ですね。

——CIRRRCLEは、初期は”クリエイティブ・コレクティブ”と言っていましたよね。

Amiide:最初は関わっているビデオグラファーやグラフィックアーティストとかも含めコレクティブという形でやっていこうと思っていたんです。tokyovitaminみたいな活動というか。でも、なんだかんだで3人での動きが増えてきたっていうのもあって。

A.G.O:関わる人はどんどん増えてきているんですけど、見え方として3人でCIRRRCLEのほうが伝わりやすいというのもあって、今は”hiphop trio”というカタチに落ち着いています。

Amiide:MVやグラフィックの面も含め、結果としてはコレクティブな動きになってはいるんですけど、他の人たちと3人ではコミットの仕方も違うんで、広い友達の輪があって、その輪の中心に3人がいるイメージですね。それは”CIRRRCLE”っていう名前の由来と関係するところでもあります。


CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
L to R:Jyodan, Amiide, A.G.O

 

CIRRRCLEサウンドを産むそれぞれのルーツ

——みなさん音楽的ルーツは近かったりするんでしょうか?Amiさんはお母さんがオペラ歌手ということですが。

Amiide:そうなんです。だから小さい頃からオペラが日常にあって、家でもクラシックがかかってるし、コンサートも見に行かされてました。父親は父親でジャズが好きで。でも、小さい時から触れてるものって反動というか、ちょっと距離を置きたくなるじゃないですか。だから、ぶっちゃけ幼い時はジャズもオペラも苦手でしたね。

初めてちゃんと音楽が好きになったのは、小学校の時に宇多田ヒカルさんを聴いた時かな。「なんだこれは!」って衝撃を受けて。そしたら母親から「そういうのが好きならマライアやホイットニーも聴いてみなさいよ」って言われて聴いてみたら、もう洋楽まっしぐらになって(笑)。デスティニーズ・チャイルドやTLC、アリーヤ、ミッシー・エリオット、ローリン・ヒルとか、R&Bにハマって。なのでルーツとしてはそのあたりかな。

——A.G.Oさんはいかがでしょうか?

A.G.O:小学校の頃に普通にJ-ROCKやメロコアを聴きはじめて、中学でギターをはじめました。BUMP OF CHICKENやSum 41、THE OFFSPRINGをコピーしたり。それからもっとギターを上手くなりたいと思ってブルースやハードロックにも一通りいったんですけど、なんかしっくりこないなと感じてはいて。大学に入った後は、ジェームス・ブラウンがきっかけでファンクに目覚めて、学園祭の時ファンクで踊っている人を見て感化され、一気にダンスにハマって自分でもダンスをしていました。

——楽器から一旦ダンスにいくんですね。

A.G.O:ですね。それ以来ファンクをすごい掘るようになって。大学卒業後にDJを始めるんですけど、もっと幅を広げたくてヒップホップもディグるようになって。それで、Goldlinkの「The God Complex」に出会ったんです。Soulectionのプロダクションの上でGoldlinkがラップしてるっていう、そのコンセプトと曲の斬新さがあまりにも衝撃的で。すぐに自分でも曲を作ろうと一通り機材を揃えて、曲を作り始めましたね。それからチル/ドープなシカゴ系のHIPHOPのムーブメントがぶわっときた時に、「あ、これだな」ってバチーン!と自分の中でしっくりきて今にいたると。

——意外にもお二人ともバラバラなんですね。今日はJyodanさんが不在なんですけど、お二人が知っている範囲でJyodanさんのルーツも教えていただけますか?

Amiide:彼はヒップホップだけじゃなく、ParamoreやPanic at disco、Fall Out BoyといったFueld By Ramenのアーティストもけっこう好きで聴いてたみたい。もともとドラマーだし、そういう要素も持ちながら、Lil WayneやEminem、Ludacris、Kanye West、 The Fugeesとかももちろん通ってて。だから、ルーツとして私とJyodanは被るところもあるんだけど、A.G.Oくんとは全然かすってもいなくて(笑)。

A.G.O:全然違うよね(笑)。

——違うものを持っているメンバー集まっているからこそ、それがCIRRRCLEのユニークさになっているんでしょうね。

A.G.O:たしかに、それはあると思います。


↑毎週更新しているCIRRRCLEによるプレイリスト “OMAKASE SATURDAY”

 

誰にも指図されずに築いてきた”CIRRRCLEっぽさ”

——次に、CIRRRCLEの活動スタンスについてなのですが、以前Amiさんは「自分でやれることは全部自分でやる」ということをおっしゃっていましたよね。

Amiide:逆に言うと、やってくれる人がいないから自分たちでやるしかないっていう部分が大きいです(笑)。なんだかんだ大変ですけど、思い通りに自分たちのビジョンを形にすることができるからいいですよね。手探りですけど、自分たちのブランディング、CIRRRCLEっぽさというのも形にできはじめてると思うし。誰にも指図されずに自分たちで築いてきたからこそ、納得のいく流れを作れているのかなって感じます。

——そういったインディペンデントなスタンスというのは、やはり海外のシーンを体感しているからこそなのでしょうか?

Amiide:とにかく「成功するんだ!」っていう強い気持ちが私にはあって。帰国して音楽活動をはじめたばかりの時は、何をどうすればいいのかまだ全然分かんなくて、「レーベルに所属しなきゃいけないのかな」ってオーディションを受けまくった時期もあったんです。でも、そんなに歌が上手くない人が通過したりしていて、「ん、おかしいぞ、これは違う!」と思って。それで、まずは自分がやりたいことを自分の手でひとつずつ形にしていこうってことで、CDやMVを作ってみたり。「将来こういうことがやりたい」じゃなくて、とにかく「今やったれ!」ていうスタンスで全て始まった感じですね。

——とにかく自分でやってみて、その度に気付きを得ながら着実にやってきたと。そういう流れの中でTuneCoreも知っていただけたんですか?

Amiide:音楽をやっていて自分で曲をリリースするにはどうしたらいいかを調べたら、やっぱり日本だったらTuneCoreっていう選択肢になってきますし。TuneCoreにはAYENの最初のEPをリリースする時に出会いましたね。

——ちなみに、Amiさんは今年の2月にソロでも楽曲をリリースされていますが、CIRRRCLEとはまた違う作風になっていますよね。

Amiide:自分のソロは割とセンシティブな感じで作っています。大好きなアリーヤとか、ルーツのR&Bの雰囲気がもろに出ちゃってます(笑)。

A.G.O:CIRRRCLEで産まれるものと、メンバー個人でやっているものはやっぱりちょっと違うものにはなりますね。僕は僕で楽曲提供をしてたりして、最近は韓国のラッパーとかとよくやっているんですが、それもCIRRRCLEとは異なった感じになってますし。

Amiide:でも最近はCIRRRCLEの音楽と自分自身の音楽がだいぶ寄ってきている感覚はありますよ。「Fast Car」はかなり自分自身を絡められていると思う。ちょっと前までは「CIRRRCLEっていうプロダクトにあわせる」っていう感じもあったけど、今はけっこう自分を出しても違和感がなくなってきてると思う。

A.G.O:「Fast Car」の制作のとき、AmiとJyodanはLAにいたんでオンラインでやり取りしていたんですけど、歌はAmiとJodanに作ってもらって、そこに僕が肉付けしていったんですね。それで、「お前こういうの好きなんやろ」ってアレンジしたのをAmiに戻したら「そう好き好き!」みたいな(笑)。上手くはまった感じはありました。

——A.G.Oさんはトラックメーカーですけど、CIRRRCLEの楽曲は”Prod by A.G.O”っていうわけでもなく、3人で作り上げてる感じなんですね。

A.G.O:そうですそうです。

Amiide:Jyodanはコーラスを作る天才ですし。

 

クリエイティブへのこだわり

——先程のコレクティブの話ともつながりますが、CIRRRCLEは楽曲はもちろん、音楽以外のクリエイティブにもすごくこだわっていますよね。

Amiide:アートワークを手がけているSHOさん(SHO HANAFUSA)は、カリフォルニアの大学の先輩なんです。彼はグラフィックデザインを専攻していたんですけど、口癖が「かましたれ!」っていうパッションがすごい人で。SHOさんは大学を卒業したらすぐにNYに飛んで、COMPLEXのオフィスが入ってるビルに行って担当さんを待ち伏せして、「これ見てくれー!」ってポートフォリオを渡して、インターンで雇ってもらって今に至るという逸話があって。そういう行動力もすごいし、本当にハートが熱い人なんです。

CIRRRCLEの最初のEPから関わってもらっていて、「俺はヒップホップが大好きで、自分のグラフィックのアートでアーティストの役に立てたら何よりだ」って言ってたんですけど、最近「それを今俺はできてるから本当に嬉しい」って言ってくれて、すごい泣けました。


CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
SHO HANAFUSA が手がけた「Fast Car」のジャケット
 

——他にMVだと、ダンスクルーGANMIが出演していたり各所にこだわりが見られます。

Amiide:GANMIは「Summer Project」をkooouyaくんが自分のレッスンで使っている動画をインスタにでも上げてくれていて、そこからの繋がりですね。「Talk Too Much」のビデオの時は、日本でのシーンはSKiREくんに撮ってもらって、アメリカのシーンはJyodanと仲の良いビデオグラファーに撮ってもらいました。ちなみに、MVのディレクションはすべて私が手がけています。

——ビデオ・ディレクションのキャリアはどちらで積まれたんですか?

Amiide:大学が映画専攻だったんです。だから今でも映像制作の仕事をやっていて、編集も私自身でやっています。やっぱり人にお願いするとお金も時間もかかるし、締切も自分が頑張れば間に合うし(笑)。

A.G.O:これまで楽曲をリリースしてきて、結局一番シェアされるのがMVだったということが実感として分かってきたんで、今はリリース毎にビデオを必ず作っています。

 

“New Music Friday”へ至るまでのデータを公開

——そして、今回最もお伺いしたかったことの一つなんですが、8月終わりにリリースした「Fast Car」がその後Spotify USのプレイリスト “New Music Friday”に入りましたよね(取材時「FastCar」のSpotifyトータルプレイリストフォロワーは約430万)。

Amiide:それを日本の周りの人に言っても反応がいまいちなんですけど、NYの知り合いに言ったらめちゃめちゃ驚いてました。「レーベルがついてても、そうそう入るものじゃないわよ!」って(笑)。

——まさに快挙といえると思うのですが、そこに至るまでも綺麗にステップアップしていますよね。「Summer Project 」と「PETTY」がSpotify Japanの”バイラルトップ50”にチャートイン、「Watch」で同1位を獲得、「Talk Too Much」でアジアや南米のSpotifyオフィシャルプレイリスト入り。そして今回の「Fast Car」につながると。これは正直どこまで戦略立ててやられたことなんでしょうか?

A.G.O:確固としたフューチャーゴールを設定してきっちりやっているかといったら、そういう訳でもないんですけど、1年ぐらい活動してきた中で、リリース毎に「こうなったらいいよね」って色んな試行錯誤をして、少しづつ精度を高めてきた結果だと思います。

——プレイリストへのピッチやサブミッションも多くやったり?

A.G.O:プレイリスターやキュレーターへの地道なアプローチはかなりしました。それこそ、Spotify for Artistでの分析や、SubmitHubなどを使ってのアプローチをひたすら繰り返しました。他にも、Instagramに広告を出して、世界中の地域での効果やタイミングを計測しては調整を行ったり。プロモーション方法の最適解はまだ模索中ですが、とにかく熱量をもって取り組んでいます。


CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
Spotify for Artists オーディエンス。“New Music Friday”に入った8月後半以降に急激な伸び!
 

CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
Spotify for Artists リスナー性別と年齢比。
男女比は男性が55%、女性が44%と少し男性リスナーの方が多くなっている。
年齢層は20代後半から30代半ばがメインだか、その前後の世代も取り込んでいる。
 

CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
Spotify for Artists リスナーの地域データ。
USと日本が主要だが、アジアと南米のリスナーも多いようだ。
 

CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
Spotify for Artists 楽曲のTOPプレイリスト。
やはり”New Music Friday”がトップに。他を眺めても、Spotify公式プレイリストの影響力がよく分かる。また、Spotify 台湾の”新歌快遞”が8位にあるのも見逃せない。
 

CIRRRCLE |“New Music Friday”にピックアップされる楽曲クオリティ、情熱と知性で音楽をひろめる東京/LA発ヒップホップトリオ
トータルプレイリストフォロワー。
8月終わり〜9月初めに急速な伸びをみせ、ピーク時は約430万にも達している。
 

——CIRRRCLEは、SoundCloud含め、主な音楽プラットホームで音源をフラットに開放していますよね。そういう開放の仕方は、グローバルなプラットフォームのプレイリストやメディアなどで好意的に受け止められる傾向があると聞いています。先行や独占のリリースだとそれだけで弾かれるケースもあるとか。

A.G.O:SoundCloudに音源がないと載せないメディアもありますしね。そういう傾向も意識しつつ、音楽にお金を払うかどうかの認識や消費動向も変わってきている中で、やっぱりYouTubeやSoundCloudもすごく大事だと考えています。

Amiide:なによりもまずは多くの人に聴いてもらうことだと思うし、そこから初めて何ができるかだと思うんですよね。

——ヒットの一連の流れの中で、敢えて最初の火種になったことを挙げるとすれば?

Amiide:「Watch」がSpotifyの”Fresh Finds: Fire Emoji”に入ったことは大きかったのかな。

A.G.O:そうだね。”Fresh Finds: Fire Emoji”はHip HopとR&Bでインディペンデントなアーティストを紹介するプレイリストなんですけど、確かにそこに入ったのは大きかったですね。

Amiide:あと、とにかく色んな人に会いにいって、例えばLAでもケラーニのマネージャーにもアプローチしたし、とりあえずパッションを持って足を運びまくりました。私は情熱で、A.G.Oくんは知的に取り組むみたいな。

でも一つ言えるのは、さっきみたいな戦略も大事かもしれないけど、自分たちは音楽を伝えたいというパッションは誰にも負けないと思ってるし、どうしても多くの人に聴いてほしい、色んな人に届いてほしい、今までお世話になった人に恩返ししたい、っていう気持ちやハートの部分が最終的に今回の結果につながったんじゃないかと思ってて。

——良い楽曲を制作し、熱い気持ちを乗せて、正しいマナーで地道にアプローチした結果だと。単なる方法論に終始せずに。

A.G.O:情熱を持った上で、方法や情報に対するアンテナも常に張って、おさえなきゃいけないとこはおさえつつですね。取り組んだことに対するフィードバックをちゃんと分析して、それを次へのアクションにつなげる。

やはり曲作りにおいても、トレンドをすぐに追うのは違うと思ってて。根本を変えてしまうと3人でやってる意味もないので、世の中の流れをウォッチしつつ、芯の部分はぶらさないように、CIRRRCLEであることを保ち続けていたいです。

 

海外シーンとのギャップ

——インディペンデントなアーティストが自身で動いてオーガニックにそういう結果を出したという意味で、日本のアーティストにとっても相当な刺激になると思います。ただ、こういう動きは海外では普通なことではあったりしますし、海外と日本でギャップを感じる部分はありますか?

Amiide:やっぱり海外の方が自分たちのような活動の仕方をしているアーティストは多いですね。アジアでもコレクティブを作って積極的に活動する人は多くいます。日本のアーティストはまだどこかで”誰かにやってもらう”っていうところが、ひょっとしたらある気もします。

A.G.O:SoundCloudを掘ってて感じるのが、海外の音楽を作る人同士の繋がりの強さですよね。お互いにリポストをガンガンしてるし、そういう熱量がすごく高い。

Amiide:日本の文化なのか、自分で人に宣伝するのがかっこよくないというか、奥ゆかしいというか、そういう雰囲気はあるかも。向こうはとにかくDMしまっくたり、知らない人のインスタのポストにもコメントしまっくたり、とにかく「自分たちの曲を聴いてくれ!」っていうのが強い。私でさえ、断るのが大変なぐらいLAで何回もコラボのアプローチをもらいましたし。コラボや一緒に作ることも日常茶飯事で、リリース方法は後から考えればいいやみたいなところも日本とはギャップがあるかな。

A.G.O:エージェントがついてる場合もあるけど、とりあえず作ってそっから考えようみたいなね。そういう「まずは一歩」の動きが早いのは感じます。だから、そういうことを同年代や同じ志をもっている日本のアーティストともやりたいなって自分でも思ってるんで、これを読んでいただいているアーティストの方から、SNS経由でも全然コンタクトしてほしいです。

——そういうギャップも踏まえ、海外でもアーティストの年齢がどんどん下がっている中で、日本からももっと若いアーティストが出てくると思うのですが、未来のアーティストにこうやっておいたほうがいいとか、アドバイスはありますか?

Amiide:私たちもまだまだですけど、やっぱり自分から動かないと変わらないと思います。ジャスティン・ビーバーでさえ、YouTubeの再生回数がミリオンになってからのフックアップだったし、とにかく自分の場所にとどまらないこと。本当に売れたいならプライドとか考えないで、周りにどれだけ自分の音楽に対して熱い気持ちを持っているかを広めていったらいいんじゃないかなって思います。

A.G.O:僕も以前は、自分一人の世界で音楽作ってSoundCloudにアップするだけで満足してましたけど、結局色んな人とつながったから、今の形があるんだと思ってて。自戒もこめつつ、まずは一歩出ていくことが何かのきっかけになると思います。今でもそういう部分は勉強させてもらっているし。

あと、英語はやっといたほうがいいかなと。僕自身全く英語ができなかったんですけど、そこはこの1年意識して取り組みました。海外との繋がりや、音楽制作においても、BlogやYouTubeとかで海外のナレッジベースはちゃんとできあがっているんで、それに対して英語ができるとインプットがすごいスムーズなんですよね。なので、自身の経験も踏まえ、人とつながっていくことと英語っていうのは、これからすぐにでもやったほうがいいんじゃないかなと思いますね。

——それぞれ経験を経た上なので説得力がありますし、そこにCIRRRCLEのアーティストとしての強度がある気がします。今後ライブの予定などは?

A.G.O:正直3人できちんとライブをしたことはまだないんですよ。でも、作品も数がまとまってきたということもあり、それをしっかりライブという形にしたいとは考えています。僕らは日本とLAの2拠点あるんで、タイミングをあわせてグローバルなツアーもやりたいですね。今はオンラインで楽曲を知ってもらってる形なんで、ライブという現場で聴いても「すごいじゃん!」って思ってもらえるよう、リアルの部分のベースも作っていきたいです

——最後に、これからの作品についてはいかがでしょうか?

A.G.O:この1年やってきて、まだシングルとEPしかリリースしていないんですけど、やっと音楽の方向性の土台ができてきたと思うんで、今後は自分たちのストーリーやコンセプトを持った作品を作っていきたいと思っています。


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