No Gimmick Classics インタビュー ロックの生々しいグルーヴ、エッジーなフロウで紡ぐラップ、煮えたぎる感情を昇華させた10年の集大成『vandaism』

インタビュー
2018.12.19
No Gimmick Classics インタビュー ロックの生々しいグルーヴ、エッジーなフロウで紡ぐラップ、煮えたぎる感情を昇華させた10年の集大成『vandaism』のサムネイル画像

No Gimmick Classics | ロックの生々しいグルーヴ、エッジーなフロウで紡ぐラップ、煮えたぎる感情を昇華させた10年の集大成『vandaism』
HIЯOM.S(Vo/Gt)

2008年に結成され、ブレないスタイルで活動を続ける No Gimmick Classics。ヒップホップレーベル“LOW HIGH WHO? PRODUCTION”初のバンド音源としてデビュー作『PPH』をリリース後、自主レーベル「TO3S RECORDS」を立ち上げコンスタントに作品を発表、2018年にはデジタル・シングルを立て続けに6作リリース。年に100本以上ライブをこなし、高いスキルに裏付けられたパフォーマンスも評判を呼んでいる。そんな彼らが今回12月21日に待望の1stフルアルバム『vandaism(バンダイズム)』をリリースする。Vo/GtのHIЯOM.Sさんに、これまでの10年間が詰まった今作について、また No Gimmick Classics の独自のスタンスについて語っていただきました。

Photo:セトケンタ
 

タイトル『vandaism』に込めた想い

——No Gimmick Classics 結成10年目のタイミングで今回1stアルバムをリリースとのことですが、まず今回のアルバムのテーマやコンセプトをお聞かせください。

シングルはこれまでリリースしてきたんですけど、せっかくなんでまとまった作品としては、ミニアルバムじゃなくてフルアルバムを最初に出したくて。アルバムのコンセプトは、“vandalism”=“芸術破壊”、と“ism”=“思想”っていう2つの意味をあわせて、「vandaism」っていう造語をタイトルにして、その世界観で作りました。

——スキットやインタールードもはさみながら23曲収録と大作ですが、作品の構成としてはどういう部分を意識されましたか?

レコーディング・エンジニアさんやマスタリング・エンジニアさんから「昔は隠しトラックやちょっとした工夫がされてる作品がいっぱいあったけど、最近はきれいにまとまってる作品が多い」っていう話も聞いたりしてて、音楽的に今あるシーンやジャンルの壁を破壊して新しく作りなおすとか、自分の価値観や考えを壊して新しく作りなおすっていうさっきのコンセプトにもちょうどいいと思って、こういう多い曲数でいろいろな仕掛けがある構成になりました。聴く側としても、23曲もあるけどぜんぜん通して聴けるっていうところも意識して。

——これだけ曲数が多いとレコーディングも大変だったと思います。一発録りの曲もあったそうですが。

楽器隊で録るトラックのベーシックな部分は、全部一発録りですね。そっちのほうが俺らのバンドらしい良いノリが出るし。あえてのヨレも含めて。

——今作のリードトラックをあえてあげるとすれば?

4曲目の「vandalism」と8曲目の「lll take U(roots)」です。

——いまの No Gimmick Classics を最もあらわしているのがそれらでしょうか?

そうですね、その2曲がいまの俺らかなって思います。

 

バンドで“ラップする”ということ

——他の収録曲についてもおうかがいしたいのですが、「BadraBBit」のリリックでは「bandでRAPに気負いはない それなりの覚悟でtry ファッションやアイコンの話じゃない こいつはattitude」というくだりがありましたが、このアティチュードの部分を詳しくいうと?

俺自身ロックが好きなんですけど、同時にヒップホップもすごい好きで。最近はフリースタイルも流行ってるし、それはいいことでもあると思うんです。けど、そういう流れからかラップをするバンドも増えてて、そういうバンドのボーカルと話したりすると「俺はラッパーじゃない」って言ったりするのも中にはいて。でも俺は「ラップをするならラッパーだろ」って思うし、へたでもうまくても言いたいことは言うっていう。だから「俺はそういう気持ちをもってやってるよ」っていうのを表現したラインですね。

——そういうバンドでラップをやってるけど「俺はラッパーではない」っていう人たちは、あくまでバンドのボーカルであって“曲の中で一部ラップをやってる”っていう認識なんでしょうか?

多分逆の意味でのリスペクトもあるんだと思います。ラッパーに失礼だと思うからこそ、「ラッパーではない」って言ってるところがあるというか。でも、俺は逆に本当にヒップホップが好きだっていうリスペクトがあるから「お前へたくそだな」ってラッパーやヒップホップのシーンの人に言われても全然いいと思ってやってて。むしろ「お前バンドだけどヤバいな」って言われるところを目指したいし。

——「the girl slippin’ sleepin’ breakin'(NEMURI BREAK)」ではヒップホップのサンプリングではないですが、NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」のリフが組み込まれていますね。

サンプリングっていうほどチョップもしていないし、モロなんですけど、カート・コバーンの考え方やスピリットを出したかった曲で。バース部分はラップしてるんで、サビであのリフがでてきたらけっこうインパクトがあるだろうなと思って。Lil Peepとかエモラップの流れも意識して書いた曲です。

——「giant buddha」は非常にミニマルな構成の曲ですね。

前に出たD’angeloのアルバムって、ネオソウルなんだけどハードロックっぽい雰囲気やサウンドがあったじゃないですか。「giant buddha」は、ああいうワンコード一発のミュートしたバッキングみたいなすごいシンプルなサウンドに、どうラップをのせてフックでみせるかっていう部分に挑戦しました。

——ソウルやファンクでいうと「amplitude」ではイントロにOhio Playersの「Contradiction」のサンプリングが入ってますよね?

あれはベースのshnkutiのチョイスで、あいつのセンスがあらわれた部分です。あの使い方はぎりぎりアウトかもしれない(笑)。


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shnkuti(Ba)

 

ネガティブな感情を昇華させ次のステージへ

——楽曲が多くある中、今年にデジタルシングルでもリリースした「visage」が収録されていませんが、そこには何か理由が?

「visage」のリリックの内容が、今回のアルバムテーマにおいて俺の中でズレがあったんです。『vandaism』全体で表現していることはわりと攻撃的で、外に向けたボースティングが多いんですけど、「visage」は自分の内面的な感情と向き合って書いた曲なんで、ちょっと方向性が違うかなと思って、あえて外しました。

——その外へ向けた攻撃的な部分というのは、具体的にはどういったことですか?

自分の現状やくすぶり、まだぜんぜん思う通りにいってないこともそうだし、まわりのシーンに対するもの足りなさが内包されてて。もっとピースなことや愛のあることを歌うには、一度そういう自分のヘイトの部分を殺さないと前に進めないなと思ったんです。だから、このアルバムでそういったネガティブな気持ちをいったん昇華させようと思って。言いたいことはここで全部言ってしまおうと。喜怒哀楽だったら「怒」と「哀」が強いアルバムになってると思います。ただ、そういった気持ちが結果的にちゃんとしたコンセプトにつながったし、個人的に全体がちぐはぐなものを作るのはイヤだったんで、作品トータルとしてみると良かったかなと。

——アルバムタイトル『vandaism』のもとの意味をもったタイトル名の楽曲「vandalism」にもいえますが、そういった外へ向けたメッセージも伴って、全体を通じて No Gimmick Classics らしい良い意味でラフでグルーヴィーなサウンドが印象的です。

「vandalism」も一発録りなんですけど、俺らのサウンドのグルーヴは“これが普通”っていう感じですね。「vandalism」を録ったのはけっこう前で、自分たちとしてもノリが「まだまだ青いな」って部分もあるけど、それも含めてNo Gimmick Classicsのグルーヴだし、それが普通っていうか。

——アルバムで一番最初にできた曲と一番最近の曲はどれですか?

この中だと、いま言った「vandalism」が一番早いですね、2年以上前で。新しいところだと、1曲目「dawn」や14曲目「NOMMAM feat.$iva$aigo」、17曲目「odyssey feat.524,YOUNG P.S.」、18曲目「F/illness/2018」あたりは比較的新しいです。

——今作に収録されている楽曲は、すべて今のメンバーになってからの曲ですか?

ぜんぶ今のメンバーになってからの曲です。shnkutiが最近ミックスを手がけるようになって、彼がミックスした曲も何曲か入ってます。そういう面でトライした曲もあるし、自分たちだけで完結させた曲も中にはあるんで、このアルバムの制作を通してバンドとしてのさらなる可能性も感じました。


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SUCKMAN(Dr)

——フィーチャリングアーティストを迎えた楽曲もいくつかありますが、例えば、17曲目の「odyssey feat.524,YOUNG P.S.」のフィーチャリングアーティストのみなさんとのつながりというのは?

こいつらとやってるquon6、コニシックスって読むんですけど、そのクルーのメンバーなんです。みんなラップ、ヒップホップが好きで。考え方も似てて。

——どういった集まりなんですか?

ほぼバンドマンなんですよ。ノーギミメンバーと524(コニシ)はBearsっていうバンドやってて、YOUNG P.S.は某カートゥーンバンドのボーカルやってて、そっちで契約があるんで名前を変えてるんですけど。$iva$aigoはREBLAZEっていうバンドのボーカルで。$ivaは単独でUMBとかも出てて。Bambiはバンドやってなくて、ラッパーなんですけど。

——春ねむりさんもいらっしゃるんですよね?

春も一応名前を変えてますけど、いますね。あとKAMU¥ってやつがいて。なんとなくしょっちゅう集まるメンツがクルーになったみたいな。まだリリースとかはないんですけど、何曲か録りためてあったり。


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——クルーでのライブは、もうされているんですか?

ライブは全員の日程が合わせるのが難しくて、みんなそろってやるのか、それとも数人いればOKでやっちゃうのかまだ決めてなくて。今は、いったん先に曲を作ってる状態です。

——地元が一緒とか、そういうつながりなんですか?

いや、ぜんぜんそんなんじゃないです。ライブハウスでつながって。年齢もバラバラだし。

——ヒップホップではそういう流れはよくありますが、最近はバンドでも同じようなクルーはいたりしますか?

クリエイターの集まりだったり、わりといるかもしれませんね。でも、こうやってフロントマンだけ集まるっていうのは珍しいかも。

——クリエイティブの部分で、これまでのシングルのアートワークはドラムのSUCKMANさんが手がけることもありましたが、このアルバムもそうですか?

いえ、このアルバムのアートワークはクボキカオリさんが手がけてくれました。1stと3rdのシングルもクボキさんがやってくれてて。かなり昔からノーギミをサポートしてくれてて、いつもお世話になってる方です。メジャーアーティストのアートワークもけっこうやってる方なんですけど、MVも撮ってくれてるし、彼女は本当に信頼できるクリエイターですね。


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No Gimmick Classics『vandaism』ジャケット by クボキカオリ

 

幅広い影響を受けて確立されたサウンド

——HIЯOM.Sさんの音楽的なルーツをあらためてお伺いしたいのですが、音楽活動のきっかけは?

昔ずっとピアノを習ってて、いっとき離れてたんですけど、高校の時ケガが原因で部活ができなくなって時間ができたんで、もう一回ピアノの先生のところに行ってみたんです。そしたら先生が「ピアノもいいけど、ギターも楽しいんじゃない」って、ギターが弾ける先輩を紹介してくれて。それでギターをやってみたら、ピアノよりもギターのほうが曲を作るのも楽しくて、そこからよくあるように同級生とバンドやったりして。その後、ハタチの時にNo Gimmick Classicsを組みました。

——ギターを弾きはじめた頃は、どんな音楽を聴いていましたか?

当時はHi-STANDARDとかのメロコアも聴いてたし、ミクスチャーも好きでしたね。RIZEとか。the band apartやHawaiian6もキテた時代だったし。ヒップホップだとSEEDAさんの『花と雨』がめちゃめちゃ好きでしたね。

——実は、No Gimmick Classics をはじめて聴いたとき、はからずも昔のSEEDAさんのラップの雰囲気を感じました。

SEEDAさんは今も昔もずっと好きなんです。なんていうか、ライフスタイルは全く違うのに自分に置き換えて聴けるっていうか。そこからSCARSも聴くようになったし。

——あと、やはりNIRVANAからの影響もありますか?

直接の影響があるかは分からないですけど、NIRVANAは荒々しさや、ダーティーな雰囲気が好きです。


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——No Gimmick Classics は、初期はヒップホップレーベル“LOW HIGH WHO? PRODUCTION”にバンドとして初めて所属していましたよね?

LOW HIGH WHO?とは、ライブを見てくれたのがきっかけだったんですけど、最初LOW HIGH WHO?の方は違うバンドを見にきてたらしいんです。その時、俺らのライブもたまたま見てくれてたみたいで。そうしたらDMが来て話をさせてもらって。LOW HIGH WHO?からは一枚リリースしたんですど、もうちょっと自分たちでやろうかなと思って、以降は自主でやってます。

——ロックとヒップホップに色濃く影響を受けてきた中で、今はどういう風に曲作りをされていますか?

スタジオに入って、メンバーの誰かが持ってきたネタに合わせてセッションして広げていくか、俺がギターで作ったり、shnkutiが打ち込みでトラックを作ったりですね。俺ら作曲のペースはけっこう早くて、最近だとワンフレーズをループさせたり、展開が欲しくなったら展開を作って。shnkutiとSUCKMANは音楽マニアで、やたら音楽に詳しいんですよ。だから引き出しも多いんで、アイデアを出しあいながらアレンジして仕上げてます。


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——リリックと曲はどっちが先にできることが多いですか?

今まではリリックが後だったんですけど、最近は海外のヒップホップのトラックがインストでネットにあがってるじゃないですか。だから、それにあわせて歌詞やバースを書いちゃって、メンバーにそれを送ってバンドとしてアレンジするケースもあります。歌詞が早いと、曲を作るペースは絶対あがるんで。あと、リリックでいうと、ヒップホップから気付きをもらった部分もありますね。“ぜんぜん違う生活の人の歌を聴いてる自分がいる、でもテンション上がっちゃう”みたいな。

——トラックを生音、バンド・サウンドでやるというこだわりはありますか?

あるような、ないような。最近、同期演奏するバンドも増えてきてるし機材も増えてる中で、3ピースで極力シンプルなカタチでどこまで勝負できるかって思うところもありつつ、トレンドなサウンドにも俺たちなりの自然なカタチでトライしたいし。このアルバムでも生音じゃない曲にもチャレンジしてるんで。

最近はソロでもトラックを作ったりしてて、ヒップホップのシーンでのライブも増やしていきたいなって思ってるんです。というのも、この前ライブの時にサポートギターをいれて、自分はギターを弾かずに歌とラップだけに集中してやってみたんですけど、そうしたらやっぱり新しい発見があったし、すごい可能性を感じたんで。


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——ちなみに、ギターを弾きながらラップするスタイルは最初から?

ギターを弾きはじめたころから歌って曲を作るのが普通だったんで、ヒップホップも好きだったこともあって、自然とそういうスタイルになりました。ヒップホップの人からは「もっとラップをやった方がいいよ」って言われたり、ギタリストからは「もっとギターを弾いたほうがいい」って、両方から言われつつ(笑)。

——自然なカタチでトレンドなサウンドにもトライしたいということですが、身近なところから影響を受けたりしていますか?

quon6の仲間からもありますし、あとDAG FORCEさんのバックDJやってらっしゃるDJ BUNさんと知り合って、いろいろ影響はうけたかもしれないですね。そこまで密接な関係ではないんですけど、やっぱ音楽的にすげえって。「ILL NATURE」とかよく遊びに行ってたし。

——No Gimmick Classicsが活動しているシーンというのは?

特定のシーンやホームとするハコは、今は特にないです。俺、地元が練馬なんですけど、それこそ東京のライブハウスはけっこういろいろなとこでやったし。最近は、サウンド面でも対バンで少し浮いてきてるなと自分では感じてます。ロックなんだけど純粋なそれじゃないし、ラップするけどいわゆる普通のヒップホップでもないから。


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バンドでも先端のリリーススタイルを実現

——また、今回からリリースの方法が盤はオンラインと会場販売のみで、あとは配信だけとのことですが。

現実的にレコ屋で展開とるのがちょっと割にあわなくなってきたっていうのはありますね、予算からみても。自分としては、フィジカルの価値が下がるのは少し寂しいんですけど、こういう時代だから、CDを買うまでいかなくても入り口としてまずは配信から興味を持ってもらえればと思うし。そこからCDを買ってくれたり、ライブに来てくれる人もいるだろうし。あと、配信だと海外へも届けられますからね。

——バンドだと、どうしても曲を作るのに時間がかかるので、配信に対しても慎重になりがちだったりしますが。

バンドのほうが腰が重いですもんね。俺らはバンドなんだけど、フットワーク軽く活動してるんで、ヒップホップや他のジャンルのようなリリーススタイルをバンドでもできるんだっていうところを見せていきたいです。リリースのアナウンスから、実際のリリースまでのスパンって、もうどんどん短くなってますよね。USだとサプライズでリリースしてから、そこからPRやプロモーションがスタートすることもけっこう普通になってるし。

——これまで当たり前だったリリースまでのスケジューリングやスキーム、慣習ってフィジカルを前提としたものですからね。

今はストリーミングがあるから、バンドでも曲の元ネタが発生したその事実のタイミングからその曲のリリースまで、場合によっては2〜3日でできますからね。

——バンドにスピード感があって、しかもそのクリエイティブのクオリティが高かったとしたら、それは強みになりますね。いま思い出したんですけど、SEEDAさんが昔ビーフが流行った時に1日でアンサーしたことがあったじゃないですか。そのクオリティがやっぱりヤバくて。「1日でこれを書いたんだ!」みたいな。

GUINESSとの時ですよね。しかもフックまでつけて。

——やっぱり「1日でこれを書いて曲にまでしたんだ、この人はすごい」ってなりましたからね。バンドでも「こんな曲をこの早さで作って、しかもリリースまでしたの?」っていう動きが出てくるかもしれませんね。


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バンドの今後とモチベーション

——この後のバンドの方向性に関して考えていることは?

方向性は多分変わっていく気がします。メンバーのセンスやスキルの部分も含め、バンドの状態がいますごく良くて。だから、もっとクオリティがあがっていくっていう意味で変わると思います。バンドとしてもサウンド面でも。


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——HIЯOM.Sさん的には、音楽活動のゴールはどう考えていますか?

まぁ夢は大きくって言いますけど、デカいところでライブをしたいとか売れたいとかは、いくらでも考えられるし、きりがないんで。それよりも、まずは近いところで、もうちょっと音楽ができる環境に自分を置きたいです。音楽に集中できる時間を生活にもっと増やしたいかな。


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——HIЯOM.Sさんが音楽活動を続けるモチベーションとなっているものは?

そこはいろいろごちゃまぜになってる感情というか、年齢も年齢だし。まだ認めてもらえないなってところもあるし、でもすごい自信がある部分もあって。不安や葛藤も。この作品でいうと、フラストレーションがモチベーションになっていましたね。さっき言ったように喜怒哀楽の「怒」「哀」があったからこそ作ることができたし。自分のくすぶりや煮えたぎる感情を吐き出せたんで。次はまたどうなるかわかりませんけど(笑)。

——ちなみに今いちばん腹が立つことは?

普段はあまりないんですけど、動物の虐待は許せなくて。繁華街にあるペットショップとかもう本当に見てられなくて。だから野良猫とか拾っちゃうんですけど、最近なぜか弱った野良猫がやたら家の前にいるんですよ。「あそこにいけばエサくれるぞ」って、猫のあいだで広がってんじゃないかな(笑)。

——いずれそういう愛の方向が反映された作品もできるかもしれないですね。

まぁ人間よりも動物への愛かもしれないですけどね。人間は自分でどうにかできるでしょって(笑)。


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