アンと私 インタビュー「あとは僕たちに任せてもらえれば大丈夫」自称・裏アカでしか呟かれないバンド、満を持してオーバーグラウンドへ
1stフル『FALL DOWN 2』はアンと私の“説明書”
——1月10日には1stフルアルバム『FALL DOWN 2』がリリースされます。アンと私にとっては初のCD作品でもありますが、感慨はありますか?
うーん。初めてのことなんでまだあんまり実感がないというか。僕自身、家にCDプレーヤーもパソコンもないですし。あくまでアンと私のことが好きな人たちに持っていてほしいというという気持ちで作ってますね。昔みたいにCDショップに行ってジャケ買いするっていう時代でもないですし、サブスクのアルゴリズムでもどうしたって僕たちに辿り着かない人っているので、そういう人たちにまで届くように頑張ろうとは毛頭思ってないです。
——なるほど。
自力で好きな音楽を見つけて、関連するバンドやそのルーツを辿っていく楽しさってあるじゃないですか。だから、僕たちがそこまでリスナーの手助けをする必要はないと思ってます。
——内容としては、これまでの活動を総決算したベスト的な内容にもなっていますね。
良い部分から悪い部分まで、「もうちょっとできたんじゃないかな」って思うようなところも含めて楽しんでもらえたらなと思います。リリース時からライブを経て大きくアレンジが変更された2曲については再録バージョンになっているので、ライブに来る前の説明書のような仕上がりにもなってるかなと。
——3曲の新曲でも、サウンドの幅を大きく広げています。オープニングトラック「FALL DOWN」では今までにないヘヴィなフレーズがフィーチャーされていて。
「FALL DOWN」は、僕のアイデアを吉村(Gt)が形にしてくれました。当初はMÅNESKINみたいなリフから出発しようと思ってたんですよ。やれることとやれないことがあるので、そう上手くはいかなかったんですけど。
——確かに、ギターリフが力強く楽曲をリードする点にはMÅNESKINに通ずるものがありますね。「僕は Rick Owens / 履いて君の所へ / 誰にも真似なら出来ないな / 僕自身が輝くダイア」という歌詞も、ここまでの話を踏まえるとHIPHOP的なボースティングに感じられます。「やれること」が徐々に広がっているという実感もあるのではないでしょうか?
そうですね。「FALL DOWN」は楽しく作れた曲でした。
