「Swag」で海外も注目 ラッパー Miyauchi インタビュー 「嘘でしょ?みたいなことをやりたい」
海外から火がついた「Swag」
——「Swag」はどんな経緯で作った曲なんですか?
Miyauchi:もともとアルバムの中の1曲として作っていて。特にテーマも考えずにフリースタイルで始めて、この小節はダメだな、じゃあ、次の小節を書こう。これもダメか、次を書こうっていう中で良いワードを切りだして行ったんです。
——「Swag」というワードはどんなところから出てきたんですか?
Miyauchi:そのとき自分たちの周りでSwagという言葉が流行っていたんです。かっこよさは、外見とかお金を持っていることではなくて、汗水垂らしてお金を稼ぐことに喜びを感じるとか、人の笑顔を見て幸せを感じられるとか、それって俺らのSwagだよねっていう話になったことがあって。それがずっと頭にあって普段使う言葉だったから、フリースタイルしていて出てきたんだと思います。
——フックの“肩の力抜いて楽々、遊び働いて曲書く”っていうラインもそんな気持ちから?
Miyauchi:自分が思っている自分の長所を書いた感じですね。本来、そんなことは誇れないよって言われちゃうようなことでも、誇るかどうかは自分が決めることだと常々思っているから。ラップで食っていくのに必死で、日常生活がおろそかになったりする人もいるけど、ヒップホップは嘘がつけないぶん、日常生活がダサい人は曲もダサくなっちゃう。なので日頃アルバイトしているときでも、これが自分の音楽だと思って楽しんでやっていこうって。そういう考えを仲間内で話していたときで、たぶん、これを真似できる人は少ないだろうというところから書いた曲でした。
——「Swag」は中国版TikTokと呼ばれる抖音(ドウイン)でダンス動画がバズり、TikTokに飛び火してベトナムや韓国に拡散。逆輸入の形で日本のストリーミングチャートにもランクインしました。「Swag」がヒットしていることは、どのタイミングで知ったんですか?
Miyauchi:結構遅かったですね。バズっていることをマジで知らなくて、バイトが終わって携帯を見たらインスタのフォロワーが何百人単位で増えていて「なにが起きてるんだ?」みたいな。その後、だんだん日本のTikTokで見るようになったり、あと中国の人から「クソバズってるぞ」みたいなDMが届くようになって、それで初めて認識しました。
——今年春頃には、韓国のTOMORROW X TOGETHERやSEVENTEEN、日本のFANTASTICSなどもダンス動画をアップしていましたね。
Miyauchi:僕自身が韓国のアーティストのことをよく知らなかったから、それもピンときていなくて。友達とTikTokを見てたら「え、それ、ティーバイティーじゃん。エグ」みたいな。「すごいの、これ?」「やばいよ」みたいな。全然わかってなかったです(笑)。
——Miyauchiさんのなかで、一番大きく拡散したタイミングは、TOMORROW X TOGETHERですか?
Miyauchi:いや、SEVENTEENだと思います。あのときが一番グンと行きました。インスタのDMの通知を1回消しましたから(笑)。ありがたいことです、本当に。
——今回のバイラルヒットをどう感じていますか?
Miyauchi:嬉しいのもあるんですけど、正直、他人事というか、「へー」くらいな感じ。俺とは違うアーティストがバズってるみたいな違う世界線。まったく自分のこととは思えてなかったですね。
——「Swag」のヒットで環境面でどんな変化がありましたか?
Miyauchi:バイトを辞められました(笑)。これがマジでデカいです。
——ラップ1本でやっていきたいという目標がかなったわけですね!
Miyauchi:はい!「Swag」が広まったことで1個目標は達成したなって。
——音楽制作に対する姿勢や心持ちに変化は?
Miyauchi:「Swag」を5年後のライブで大トリに歌っていたらめちゃくちゃダサいと思うんです。なので、次なるヒット作を作らなきゃって。ヒットするかどうかはわからないけど、自分で「Swag」を超えたなという曲を作らなきゃいけないなっていうプレッシャーが出てきました。バイトを辞めたから制作に向き合える時間は増えたんですけど、比例してプレッシャーも大きくなっているのが正直なところです。