「Swag」で海外も注目 ラッパー Miyauchi インタビュー 「嘘でしょ?みたいなことをやりたい」

2024.6.21

「嘘でしょ?みたいなことをやりたい」

——今後、Miyauchiさんのどんな部分に注目してもらいたいですか? 

Miyauchi:楽曲で言ったら、『”The Mixtape”』に入っている「満点爆笑大笑い」とか。あとは「My Name」とか「Flowershop Freestyle214」あたりですね。この3曲は自分でも面白いなと思える曲ができたので。

——どんなところが面白いと分析しますか?

Miyauchi:あくまで自分の評価ですけど、今まで自分の中にあったラップのルールをぶっ壊して作れた曲だなと思ってるんです。「満点爆笑大笑い」はポジティブの押し売り曲なので、シンプルにそれを書いていたときの自分が好き。「My Name」はフックとフックに挟まれて、めちゃくちゃ長いヴァースがあるっていう構造が珍しいと思います。リリックもそれまで言ってこなかったけど、確かに自分にあることを言えてるんで自信作。「Flowershop Freestyle214」は、タイトル通りフリースタイルで作ったんですけど、自分たちはフックがない曲を作ることが多くて。その中でも自信作で、リリックで「Yeah」とだけ言ってるところがあるんです。Yeahだけで金稼げたら面白いじゃん、みたいなことを歌っていて。

——そんな曲あるかよ!と笑ってツッコまれたい感じ?

Miyauchi:嘘でしょ?みたいなことをやりたいんですよ。それができたのが、その3曲だったんで聴いてもらえたら嬉しいです。

——Miyauchiさんの中には、自分のことを正直に歌うマジメさと、世間を斜に見るようなユーモア・風刺感覚の両方があるように思います。そのバランスが理想だと思うラッパーは?

Miyauchi:今はANARCHYさんが近いかもしれないです。と言いながら、来年は「やっぱり千葉雄喜さんヤバいっす」と言ってるかもしれない。わからないですね。

——MiyauchiさんのラップスタイルのルーツにあるのはKOHHですか?

Miyauchi:そうです。KOHHさんの「This is How We Do」や「Super Star」は、さっき話したルールをぶちこわしている理想かもしれないです。あとは「Paris」とか。自分でワールドワイドって言うのはエグいなって。めざすのはそういう面白さなんですよね。

——この言葉をここでこう使うんだ、みたいな面白さ?

Miyauchi:新しい視点とか、視点を変えてみるとか。KOHHさんはそのアイデアがすごいな、天才だなって思います。けど、そういう部分を面白いと思える感性は、たぶん、僕の中にもあると思うから。それをひたすら磨いていくだけですね。

 

 
 
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この記事の執筆者

猪又 孝

音楽ライターとして国産のR&B/HIP-HOP/歌モノを中心に執筆。これまでに取材したアーティストは1000組以上。日本の著名ラッパーの作詞術をインタビューで紐解いた単行本「ラップのことば」「同2」を企画・編集・執筆。放送作家としてラジオや配信番組の構成を手掛ける他、安室奈美恵、三浦大知、東方神起、ナオト・インティライミ、EXILE SHOKICHI、Official髭男dismなどのオフィシャルプロダクツにも関わる。インタビュー原稿ガンガン受け付けます。お気軽にどうぞ。

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