秋山璃月インタビュー SUMMER SONIC 2024出演やあいみょんとの共演でも注目集まるSSW「いい曲を作るのが、唯一のやりたいこと」
“純度”を求めた最新シングル「記憶喪失」
——8月2日にリリースされた約1年ぶりの新曲となるシングル「記憶喪失」は、どのような思いで制作されましたか?
制作し始めたのは去年、レーベルを離れて以降です。打ち込みとか技術的なギミックを詰め込んだ面白い曲じゃなくて、なるべくまっすぐな曲にしたくて制作しました。ただ、明るく前向きすぎる感じにはしたくなかったから、自分が精神的に安定していなかった16歳の時の感覚を思い出しながら作ってます。
——歌詞は、これまでに何度かリスタートを切るタイミングを経てきた秋山さんなりの決意表明のようにも感じたのですが。
自分の決意表明や今後の方針とはあんまり関係してないんだけど、久しぶりのリリースだから、純粋さというか、純度を持った曲が良いなと思ってて。何かが始まるイメージの曲ではあります。
——8月5日には、YouTubeにてLIVE VIDEOと題された動画も公開されています。環境音もそのまま収録されていたり、秋山さんらしさが空気感ごとパッケージされた動画になっていますね。
MVを作ろうかなと思ってたんだけど、あんまり思いつかなくて(笑)。弾き語りが好きだし得意だから、今回はああいう映像をプロモーションビデオ代わりにしてもいいかなと思ってこの形にしました。かえってこれで良かったかなと思ってます。
——初めて秋山さんを知る方も、グッと引き込まれる映像になっていると思います。
ありがとうございます。もうちょっと再生されてほしいけど、なかなか難しいですね(笑)。100年後とかでもいいから、もう少し見られたら嬉しいです。自分はもう生きてなくてもいいから、誰かにいつか届いたら。
「いい曲を作るのが、唯一のやりたいこと」
——今週末8月17日には、『出れんの!?サマソニ!? 2024』を勝ち抜き『SUMMER SONIC 2024』東京会場のステージに立ちますね。近年は、こういったコンテストに積極的にエントリーしていたのでしょうか?
サマソニは今年初めてですね。なんか、単純に夏の思い出が欲しかったというか。あいみょんさんとのライブもあるけど、もう一個くらい大きなイベントがあったらいいなと思って。バンドメンバーと一緒に、大きなところで一回やりたいねっていう気楽な思いで応募しました。
——出演する自信はありました?
審査に行く前はもちろんあったつもりだけど、他のアーティストを聴いて、自分の音楽はダメだなと思ったり……。良く言えばビックリ箱みたいな、悪く言えばハチャメチャな、ムラのあるバンドだから。通過してホッとしたし、嬉しかったです。
——そのある種の爆発のようなものを期待されているということでもあると思います。改めて、当日の意気込みは?
意気込みっていうか、ただ楽しみです。何かを感じてくれる思ってくれる人がいたらいいなっていうのはもちろん思うけど、あんまり気張らず、良い演奏したいっていうだけですね、本当に。
——ちなみに、他の出演者で楽しみにしてるアーティストはいますか?
Belle and Sebastianは最近教えてもらって聴くようになったんだけど、めっちゃ良いなと思ってて。観てみたいです。
——最後に、今後の活動の展望を教えてください。
とにかく色んな曲を作ってきたから、それを8月から毎月出して、アルバムも年内に作りたい。多くの人に届くまで出し続けたいし、既に知ってくれる人たちの豊かな時間に関われる存在でありたい。とにかくたくさん曲を作って、音楽をもっとやりたいってことばかり考えてます。
——その先には、よりスケールアップしたフィールドを見据えている?
ちゃんと自分が100%納得できる音楽を作りたいだけです。それが結果的にメジャーでも通用してほしいし、大きなとこでやれるなら嬉しいけど、それは目的じゃない。いい曲を作りたいっていうのが、自分のやりたい唯一のことなので。