Яu-a インタビュー 1stシングル「ネオンサイン」からバイラルヒット連発 繊細な感性とビビッドな表現で若者から絶大な支持を得る新星アーティスト

インタビュー
2024.12.24
Яu-a インタビュー 1stシングル「ネオンサイン」からバイラルヒット連発 繊細な感性とビビッドな表現で若者から絶大な支持を得る新星アーティストのサムネイル画像

今年1月にリリースの1stシングル「ネオンサイン」がTikTokから火がつき、いきなりのバイラルヒット。続く「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」、「お前の彼氏寝取ってやったの。」も続けてバズり、一躍シーンにその存在感を示したЯu-a(るうあ)。「ネオンサイン」はSpotifyバイラルチャート100位圏内に約200日連続で入り続け、今年の各種チャートも賑わした。2023年に活動開始したばかりにも関わらず、その繊細かつフレッシュな感性で綴られる歌詞と耳に残るサウンドに、いま若い世代を中心にリスナーが急増している。今回、そのクリエイティブのルーツに迫った。

 
 
——Яu-aさんは音楽に囲まれた環境で育ったんですか?

特にそういう環境ではなく、周りに音楽をやってる人は一人もいませんでした。最初に音楽に接したのは幼稚園の年中あたりから始めたピアノです。でも、もともとある曲を練習するのがちょっと苦手だったんで、自分の弾きやすいようにアレンジしたり自分なりに曲を作ったりしていました。

意識して音楽を聴き始めたのは小学四年生くらい。基本的に洋楽しか聴いてなくて、カーリー・レイ・ジェプセンやアヴリル・ラヴィーンとか、そういう女性のアーティストが好きでした。

——いまの音楽スタイルに通じるような音楽に触れ始めたのは?

中学生の時にちゃんみなさんを見つけて、それからそういう系統の曲が好きになり、ラップにも興味を持ちました。とはいえヒップホップにめっちゃ詳しいとか、そういう感じでもなくて。

——そこから自分で音楽制作や活動を始めようと思ったのは、どういう流れだったんでしょうか?

経緯としてはいくつかあるんですけど、大きなきっかけになったのは以前付き合ってた人にふられたこと。ふられて、人生で一番くらいに感情がわーってなっちゃって、もう音楽やるしかないみたいな。それまでも音楽をちゃんとやりたいけど、もともと内向的な性格だしアーティストになんてなれるわけないよねって、そういう風に思ってたんですけど、その時に勢いでもう好きなことをやってやろうと。

——もともと前に出るタイプじゃなかったんですね。

今はこうして結構喋れるようになったんですけど、昔は人前にも立ちたくないし、ましてや人前で歌うなんて考えられないみたいな。すごく内気で。

——プロフィールを見ると昨年の2023年に本格的に音楽活動を開始されたということですが、現在の方向性は以前から考えていたんでしょうか?

いまのЯu-aのジャンルが何なのか、自分でもよく分かってないんですけど、とにかくアップテンポな曲が好きで。高校一年から作曲の勉強を始めて、YouTubeで検索したフリートラックにのせてリリックを書くっていう練習もしてたんですけど、タイプビートを使う時も、自然とそういう自分好みのビートになることが多かったです。

——最初のリリース、1stシングルがいきなり今年大きなバイラルヒットとなった「ネオンサイン」なんですよね。

「ネオンサイン」はもともとサンクラにあげてた曲でした。最初は自信もなかったし、サブスクでリリースする考えもなかったんです。サビだけTikTokに載せて反応が良かったらフルを作ろうかなくらいの曲だったんですけど、TikTokでちょっと伸びたんで、フルを作ってサンクラに出したらめっちゃ回って。それで、こんなに聴いてもらえるならサブスクにも出してみようと。そうしたらサブスクでもバズったという。


Яu-a「ネオンサイン」

Яu-a「ネオンサイン」

 
——ある意味TikTokとサンクラで順番にマーケティングした上でのリリースだったと。「ネオンサイン」もそうですけど、「お前の彼氏寝取ってやったの。」と「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」も、同時期にバズってましたよね。

その2曲もサンクラで伸びたんで、じゃあサブスクにも出そうという同じ流れでした。


Яu-a「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」

Яu-a「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」


Яu-a「お前の彼氏寝取ってやったの。」

Яu-a「お前の彼氏寝取ってやったの。」

 
——Яu-aさん的に、サブスクもいけると感じるサンクラの再生数ってどれくらいですか?

うーん、10万再生とか?それくらいいけば、ある程度評価されたんじゃないかって思います。

——リリースのペースもコンスタントですよね。

あんまり音楽以外のことに興味がなくて。本当にやることがないので、もう音楽やるしかないっていうか。暇があったらとにかく音楽を作ってます。

——先ほどアップテンポのビートが好みとおっしゃっていましたが、テンポ以外にビートを選ぶ基準はありますか?というのも、印象に残るラップやリリック、トップラインはもちろんですが、ビートを選ぶセンスにも非凡なものを感じます。

イントロですね。イントロを聞いた瞬間に“これだ”って思えるかどうか。最後まで聴いて決めるとかじゃなくて、もうイントロです。

——それからリリックが浮かぶ?

リリックは日頃から思ったことを書き留めているので、その中で合いそうな言葉を選んで作ります。テーマとしては、恋愛や自分の人生のこととか、それらが半々くらい。

——Яu-aさんのリリックは、例えば「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」の“金だけ一丁前に持ってるブス”などその言葉だけを切り取ると赤裸々で直接的な表現ですが、それらが組み合わさって曲全体で俯瞰すると繊細な内容やストーリーになっていて、そのコントラストが見事だなと。

人がひきつけられるような言葉を絶対入れるとか…… あと正直に書きつつも、その言葉の裏というか、自分なりの伏線を作って、いろんな解釈ができるようにすることは意識しています。それが自分の身の回りに起きたリアルなことだったり想像だったり。「お前の彼氏寝取ってやったの。」は想像ですけど、「ネオンサイン」と「悲劇のヒロインでもいいでしょ?」は実話ですし。

 

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