日本猿インタビュー 「自己満足で終わって死ぬのが一番嫌」 ダンサブル&インテリジェントなネクストスター、覚悟の新章へ

インタビュー
2025.10.30

「強いチームと試合する方が燃える」

――本日お話を伺っていて、音楽的な快感とメッセージのバランスを重視している姿勢が伝わってきました。

そうですね。ここまで言いたいことを言える音楽って、他のジャンルには多分ないと思うんで。ストレートに自己表現をしながら、それだけにはならないようなバランスはめちゃくちゃ考えてます、

――会社員を辞めた現在、直近ではどんな活動を予定していますか?

働いていた時に作ってた曲も溜まっているので、来年にはアルバムが出せるかなっていう感じですね。次のアルバムはUKの派生系というか、UKの質感だけど寄せすぎずに新たな形を作った曲が多いし、シングルも出していくので楽しみにしてもらえたら。ライブももっと増やしたいです。

――活動ペースが上がっていきそうで楽しみです。その先に見据えている野望や目標があれば教えてください。

海外のシーンとかを見ていると、僕の音楽は国内外を問わずもっと聴かれるべきだって思うんですよ。なのでリスナーを増やして、ラップで生活できるようになりたい。で、僕のことを全然知らん人がいっぱいいる大きい会場でライブしたいです。『POP YOURS』出たいですね。僕はどこかの界隈にいるっていうタイプでもないので、普段からアウェーなライブが多いんですよ。だけど、それがけっこう心地良くて。サッカーやってた頃から、強いチームと試合する方が燃えるからめっちゃ好きやったんです。

――最後に、今のHIPHOPシーンに対して感じていることを聞かせていただけますか?

リスナーがラッパーを選べる状況にあるのは良いことだと思います。カッコいいラッパー、個性のあるラッパーが色んなジャンルにたくさんいて、人それぞれが好きな楽しみ方をできるので。ただ一方で、リスナーが消費的になりすぎてる感じもあって、それってほんまにアートなんかな?って感じることも多いです。半年前にヒットチューンを出した人が、もうまったく名前聞かへんくなったり。流行のスピードが速すぎるように感じますね。

――では、日本猿さん自身の楽曲はリスナーにどう受け止めてほしいですか?

聴くタイミングで感じることって変わると思うんですよ。自分にできるのは良い曲を作ることだけなので、それが長く聴かれ続けてほしいですね。単発で終わらず、コンスタントに。もちろんそれはこの社会の中で難しいことだと思うので、繰り返し聴くのに耐えうるような曲を作っていきたいです。

 


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この記事の執筆者
サイトウマサヒロ
1995年生まれ、フリーのライター。インタビュー、ライブレポート、コラムなど書きます。