jon-YAKITORY インタビュー Spotify Japanバイラルチャートで1位に急上昇、ボカロPとしても活動する注目アーティスト

インタビュー
2020.6.25
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jon-YAKITORY インタビュー | Spotify Japanバイラルチャートで1位に急上昇、ボカロPとしても活動する注目アーティスト【Who's NXT】

jon-YAKITORY

ボカロPをやりつつ作曲家としての仕事も行う。
現在はボカロだけではなく、ボーカルを招き、オリジナル曲も発表している。
楽曲「シカバネーゼ」ではYouTubeで100万再生越え、SpotifyのJapanバイラルチャートでも1位になるなど、にわかに注目を集めている。


——jon-YAKITORYさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

小さい頃から、それこそ物心つくかつかないかの時から音楽自体は好きでした。当時は「音楽が好き」という感覚はなかったのですが、小学生の頃はリコーダーでジュラシックパークのテーマとか適当に耳コピしたりして遊んでましたね。かっこいい感じではなく、ほとんどチンドン屋でしたけど。

通っていた小学校に、6年生になったら学年全員で太鼓の演目を演奏するという恒例行事があって、憧れだったし楽しかった記憶があります。演目自体は音楽の先生が作ったオリジナルの演目で、今覚えばそういう本当の意味で音楽の楽しさを教えてくれる先生が小学校にいたのは結構デカいかなと思います。当時はそんな感覚もなかったので、本当に「今思えば」ですが。

初めて「この曲のCDが欲しい!この曲が好き!」と感じたのは『メン・イン・ブラック2』の主題歌である、ウィル・スミスの「Nod Ya Head」です。ヒップホップなんですが、すごくロックっぽくて、音楽というか音源で初めて衝撃を受けましたね。ちなみにその次に買ったCDはサザンオールスターズの『海のYeah!!』です。

 
——それから自ら音楽をやることになった経緯というのは?

中学時代にリップスライムのDJ FUMIYAさんに憧れて、あれやこれやとお金を貯めてDJをはじめたのが最初です。その後、高専に進学して軽音部に入るんですが、「DJをやりたいんですけど、できますか?」と言ったらドン引きされ、立場を獲得するためにドラムを始めて、そこで「音楽活動をする」というのを意識したかもしれません。

その後、友達の部屋にあったアコギと教則本を見て、「ギターは難しそうだったけど、アコギでジャンジャンくらいならできるだろう」などと考えてギターに手を出し、曲も作れるようになりました。

軽音部にも「スニーカーエイジコンテスト」という、大会というかコンテストがあって毎年恒例で出場していたのですが、2曲披露するうち1曲はオリジナル曲を作る必要があったので、バリバリ曲を作るようになり、「ありゃ?演奏するよりこっちのほうがおもろいかも!」という思いのまま、曲作りに没頭しました。そして、当時めちゃくちゃ盛り上がっていたボカロに手を出しました。ボカロに初めて触れた時、「こんなに自由に音楽を作っている場所があるんだ」とかなり衝撃でしたね。確かカゲプロがリアルタイムの時で、僕が投稿していた曲は数百再生とかだったのに対して、カゲプロ曲は投稿数分で何万再生とかされていて、スゲー……と見ていた記憶があります。

ボカロPの人達はヒーローでしたね。今もその感覚は変わってないです。昔聴いていた有名ボカロPさんと会ったりしても、緊張しすぎて一言もしゃべれなかったりして、はたから見たら不審者みたいになっていたと思います。

余談ですが、先述のスニーカーエイジコンテストは本番の何週間か前に、専門学校や音大のプロの講師に演奏を見てもらえるのですが、その時にブロードウェイにいそうな”いかにも業界人”という感じの女性講師に、「あなたなんでドラム叩いてる時そんなに真顔なのーー!www」と気絶するくらい笑われたのですが、今も忘れてません。HAHAHA。

 
——ボカロが音楽制作のターニングポイントということですが、引き続き今もネットでの活動が中心ですか?

そうですね、ネットです。ライブはほぼしてないのですが、『山田玲司のヤングサンデー』というニコ生番組の音楽フェスがあるときに唯一出演してます。

普通にアーティストとしてライブに出る気は今のところないですね…… あ、でもシンガーやダンサーがめちゃくちゃパフォーマンスをしている後ろで、どでかい椅子にサングラスをかけてエラソーに座って、たまにゆっくり拍手をする、みたいな感じならステージにあがってみたいかもです。あくまでシンボルみたいな感じで。

 
——最新の作品はどれになりますか?

直近では「ススメ!feat.古川由彩」です。ポップでダンサブルな曲で、「人生、辛い瞬間あるよね。でも一緒に『クソくらえ!』って言ってあげるよ」というのをポップに明るく伝えています。ピョンピョン飛び跳ねながら聴いてもらえればなあと思っています。

ベースは友人のササキさんに弾いてもらっているんですが、すごくノリやすい楽しくもかっこいいベースを弾いてくれてます。僕はギターは弾けますが、ベースとなると全然だめで、いいフレーズの引き出しもないので本当に助かってます。チョベリバ感謝です。

ボーカルを古川由彩さんにやってもらっているのですが、彼女の歌は素晴らしいですよね。聴いてて元気が出るし、透明感もある。実力があるうえで、さらに超努力家で好奇心もあって、常に新しいチャレンジをし続けているので、今に名が知れ渡ると思います。


jon-YAKITORY インタビュー | Spotify Japanバイラルチャートで1位に急上昇、ボカロPとしても活動する注目アーティスト【Who's NXT】、jon-YAKITORY、「ススメ! (feat. 古川由彩)」を配信開始

「ススメ! (feat. 古川由彩)」 各配信ストア : https://linkco.re/dBru0R01

 
——これまでリリースされた作品の中でおすすめ、あるいは思い入れのある作品をあげるなら?

イチオシと言ってしまうと難しいのですが、最近よく聴いていただいている曲は「シカバネーゼ feat. Ado」です。

絶望している時ってこんな気持ちだよねっていうのを書いた曲です。サビで「神様殺して」と、なんとも物騒なことを言っているのですが、本当に絶望した時って「死にたい」ではなく、「いっそ殺してくれ」となるんじゃないかなあと思ってこういうサビにしました。本当にどん底にいる時って、食欲もないですし、笑うことはおろか泣くことすらできない、感情そのものが動かないっていう状態になりますよね。そういう時はもはや「死にたい」という感情すら動かなくて、自分の生死すらも他人の責任にしたいという感情になる気がするんです。「死にたい」ではなく「このまま死んでいかないかな」という感覚。ある種そういう時の精神状態をレポートした曲、説明書みたいな感じでもある気がします。

ボーカルのAdoさんについてはもはや説明不要ですね。聴いてもらえれば、あのパワーに惹かれない人はいないと思います。国籍人種問わず、誰もが衝撃を受ける歌声。才能ってこういうことなんだなあと感じるとともに、一緒に曲が作れていることを心の底から光栄に思います。
きっとジャニス・ジョプリンの生まれ変わりなんだと思います。


jon-YAKITORY インタビュー | Spotify Japanバイラルチャートで1位に急上昇、ボカロPとしても活動する注目アーティスト【Who's NXT】、jon-YAKITORY、「シカバネーゼ (feat. Ado)」を配信開始

「シカバネーゼ (feat. Ado)」 各配信ストア : https://linkco.re/NR0b9UZ3


jon-YAKITORY インタビュー | Spotify Japanバイラルチャートで1位に急上昇、ボカロPとしても活動する注目アーティスト【Who’s NXT】
「シカバネーゼ (feat. Ado)」はSpotify Japan バイラルチャートでも1位に(2020/06/25付)

 
——jon-YAKITORYさんは楽曲の制作はどのようにされていますか?

デスクトップPCにオーディオインターフェース、そこにギターをつないでます。宅録ですんじゃってますね。ガチプロの人からは「舐めてんのか!」って怒られそうですが、お金がないのだからシカタネーゼって感じですね。でっかいスタジオで曲を作る経験もしてみたいですが、知らない大人がそばに居られるとびっくりするくらい委縮しちゃって中途半端な物しか作れなくなるのでやっぱり経験しなくてもいいかもです。

 
——まだjon-YAKITORYさんのことを知らない人に、ご自身の特徴を伝えるなら?

なんでしょうね…… ほぼ趣味でやっていてブランディング的なことは全然徹底していないので、「なんか面白そうなことをやっているアホな奴がいる」くらいに思って頂ければ…… 「地元のやつ感」を持ってもらえたら嬉しいかもです。そして時たま「あれ?意外といい曲書くじゃん」みたいな感じで、酒の肴にでもしてもらえたらと思います。

 
——jon-YAKITORYさんが影響を受けたアーティストは?

ジミーサムP:
ボカロを知った時に一番よく聴いていました。すごく綺麗な曲を作る方で、ジャンルも幅広く、毎回新曲が出るたびに「ええ!?今までと違う!めちゃくちゃいい!」とワクワクしていました。ジミーサムPの『Unplugged Stray』というアルバムで、最後の曲にノイズだけが続く箇所があるんですが、それをソノグラフという波形で見てみると、なんとノイズ部分の波形がアルバムのジャケットの絵になって浮かび上がってくるギミックを仕込んでいて、この人の発想には一生勝てないだろうなと思いました。ジミーサムPのブログで使用機材を紹介していて、当時無料のものが多かったので自分も同じものをそろえました。心の師匠です。

RADWIMPS:
受けてます。特に言葉遊びは受けてますね、影響。自分は曲のタイトルに相当こだわるのですが、検索しやすくなるようにっていう理由もありますが、RADWIMPSの影響も強いです。「シカバネーゼ」とかもRADWIMPSの曲のタイトルっぽくないですか?まあ僕が考えると基本的にダジャレを駆使した造語になっちゃうのですが…… 「05410-(ん)」とか、曲名じゃないですが「アルトコロニーの定理」みたいな、カックイーものを考えたいですよね。

RIP SLYME:
あのポップさとクールさの配合率はずるいですよね。中学~今に至るまでずっと聴いてます。ほんとに大好き。遊び心があるアーティストがやっぱり好きですね。DJ FUMIYAが病気から復帰して、「ブロウ」という曲をミュージックステーションで披露した時のパフォーマンスはほんとに最高でした。ほんとに大好き。

 
——楽曲でいうと、どういった楽曲に影響を受けましたか?

ジミーサムP – BEAT!

ジミーサムPの曲の中ではそこまで有名じゃないのですが、心地のいい4つ打ちのリズムと迫力のディストーションギター、そして何よりメロディーがほんとに良すぎます。ほんとに大好き。

 
ryo – メルト

これも衝撃でしたね。こんなに可愛くて、でもエキサイティングな曲がこの世にあっていいのかと思いました。ほんとに大好き。

 
柊つかさ – 寝・逃・げでリセット!

もってけ!セーラー服と迷いましたが、やっぱこれですね。kawaii future bassの源流と言っても過言ではないと思います。ほんとに大好き。

 
第二文芸部 – キラ☆キラ

これもずっと聴いてました。ギターの音がほんとに良くて、ボーカルのハイトーンで元気な歌声も最高なんですよね。キラ☆キラ関連の曲は全部好きです。ほんとに大好き。

 
ホルスト – 組曲 惑星

急になに?って感じですが、オーケストラの中でもずば抜けてキャッチーで、凄くファンタジックで好きです。ほんとに大好き。

 
ASIAN KUNG-FU GENERATION – ループ&ループ

めちゃくちゃ聴いてましたしめちゃくちゃコピーしました。アジカンは僕のバンドサウンドの根底かもです。左で鳴るギターでバッキングをして、右で鳴るギターで2、3弦当たりを弾くという感覚は今でも自分の基礎になってます。

 
——jon-YAKITORYさんが音楽活動にあたって意識していることはありますか?

沢山のユーモアと、できる限りの敬意をもって、たくさんの人をびっくりさせたいです。「次はそう来たのか~」とワクワクしてもらえたら何よりうれしいですね!

 
——そういった意識の中で、リスペクト、あるいは共感するアーティストはいますか?

カルロス袴田くんは作る音楽もマインドもリスペクトしています。ボカロ界のシッダールタですね。毎回「次はこう来たか~!」と思わせてくれるので、そうありたいなと思います。

あとフレディ・マーキュリーのステージングというか、存在感はめちゃくちゃリスペクトしてます。なんというか、「パワー!!」って感じでいいですよね。

 
——現在の国内音楽シーンや音楽業界について何か感じることはありますか?

とくにないですかね…… 僕はほとんど趣味みたいなものなので。先人たち、一線で活躍している人達は偉大ですね。いつも興奮させてくれてありがとうございます。

 
——今後の活動の展望を教えてください。

趣味と言ったのですが、テキトーにやるということではなく自分が納得できるものだけ出したいという意味で、今後も自分が納得できるものをどんどん作っていきたいですね。結果がついてくれば嬉しいですが、数字を追うと作品内の納得濃度が薄くなっていってしまうので、あくまで納得指数に基づいて活動していきたいです。

英語を勉強して、海外の人にもたくさん聴いてもらえるようにするのもいいなーと思いますね。

 
——最後にメッセージを。

どんどん曲出していきますので、YouTubeチャンネル登録、並びにツイッターのフォローお願いします!!

 

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