Cherry Brown & Lil’Yukichi |「ビートメイカーの価値やポジションを上げていきたい」ラッパーとしての集大成作品『Archives』とプロデューサーとしての今後(本人による『Archives』全曲解説付き)

2019.3.25


Cherry Brown & Lil’Yukichi |「ビートメイカーの価値やポジションを上げていきたい」ラッパーとしての集大成『Archives』とプロデューサーとしての今後

国内でのフリーミックステープのリリースの先駆けとして、またユニークな楽曲と高いラップスキルで注目されてきたCherry Brown。一方で、プロデューサー/ビートメイカー名義のLil’Yukichiとしても、旬なアーティストへの楽曲提供、映画へ劇中歌提供などでアクティブに活動をしている。昨年末に、ラッパーCherry Brownとしての集大成となるベスト作『Archives』をリリースし、今後はLil’Yukichiでの活動をメインにしていくという。国内におけるビートメイカー/プロデューサーのポジションをもっと上げていきたいと語る彼に話をきいた。

※インタビュー本文中で語っている『Archives』の新曲5曲以外についても、本インタビュー末尾にCherry Brown本人による全曲解説を掲載しています。

 

ベスト作『Archives』リリースのきっかけ

——昨年末には、40曲入りの作品『Archives』をリリースされましたね。

『Archives』の最後に入ってる「Cherry Brown Talks…」でも話してるんですけど、2008年にはじめてフリーでミックステープをネット上にリリースして以来、これまで多くの作品をリリースしてきたんですね。その中にはもうリリース当時にダウンロードした人しか聴けない状態の曲もあって。それで、そういう曲もいつかまとめて出したいなとずっと思ってて、2018年が節目の10年ということで、改めてデジタルでちゃんと聴けるように過去作をまとめた『Archives』をリリースしました。

 
——高校生の時の曲もあるんですよね。

そうですね。当時Myspaceにアップしてたような曲も収録しました。

——曲を選ぶ際、昔の曲を改めて聴いてみてどうでしたか?

まぁ懐かしいなと。この歳のときにこういう曲作ってたんだみたいな。歌詞がヒドいってのは思いましたけど(笑)。

——新曲も5曲収録されていますがが、それらを作られたのは最近ですか?

昨年の後半に作りました。10周年って気付いたのが10月でけっこうギリギリだったんで。

——昨年、「新しい音源はもう出さない」と宣言されていた中で、それを覆すファンにとっては嬉しいリリースになりましたが、新しい曲を作った理由というのは?

単純に昔の音源を集めただけのベスト作品だったらつまんないかなと。特に深い理由もなくて、それだけです(笑)。

——新しい曲を5曲にしたのは?

それも特に意味はなくて。なんとなく5曲のEPとベストが一緒になってる感じにもなるし、ちょうどいいかなと。

 

5つの新曲について

——その新しい楽曲についてですが、「Ch0 ハード」はham-Rさんを客演に迎えられていますね。ham-Rさんの名前が表舞台に出てくるのは久しぶりだと思うのですが。

ham-Rさんは、ラッパーとしてもビートメイカーとしても昔からずっと好きなアーティストで。何回か普通にお会いはしてて、一緒に曲を作るっていう話もあったんですけど、タイミングが中々あわなくて。それで、去年偶然お会いする機会があったんで、改めて「一緒にやりましょう」ってお誘いして。

 
——曲として意識したところは?

ham-RさんはUKのベース・ミュージックとか好きで、僕もham-Rさんきっかけでそういう音楽にも触れるようになったんで、そういうテイストのあるビートでやりたいなと。なので、UKのアーティストが作ったトラップサウンド風なビートに仕上げました。ham-Rさんもビートを気に入ってくださったみたいで。

——たしかham-Rさんは、早い段階でのミックステープのリリースなどCherryさんの活動を以前から評価していましたよね。Cherryさんの動きによっては「もう少し意義のあるコンテクストを内包した文化が形成される」と。

そういうことを深くお話したことはないんですけど、ありがたかったですね。でも、そういう期待に応えれる動きができてきたかというと、若干後悔してるっていうか(苦笑)。今考えれば、その後もっといいやり方があったかなと。当時は若かったし全部一人でやってたんで、そういう部分まで意識できなかったのが正直なところですね。ただリリースするのが楽しいっていう方が強くて。

——ちなみに、今ham-Rさんは何をされてるんですか?

なんか色々されてるみたいですよ。とりあえず忙しそうでした(笑)。

——次の「日本゜語ラップ」はダジャレがテーマになっている?

昔から日本のラップに対して、そういうシーンに興味がない人からは「アメリカのモノマネ」とか「ダジャレでしょ?」っていう意見がけっこうあったと思うんです。だからそれを逆手にとるっていうか、一回全部ダジャレの曲をやってみようと。曲調的にもLil pumpあたりのユルいノリ、短くサクッとした感じを意識しました。

 
——「NCWMCO」ではSEEDAさんとご一緒されています。

この曲は、SEEDAさんが、同じパーティーに出演した時「一緒にスタジオ入りたいね」って言ってくださったことがきっかけです。ビートは僕とNocoNocoの共作のものを選んだんですけど、レコーディングの仕方がちょっといつもと違くて。バック・トゥ・バックじゃないけど、SEEDAさんと数小節ずつ交互に録るっていうのをやったんです。

——フリースタイルな感じ?

ですね。曲のテーマを、スラングで「偽りがない」っていう意味の「No Cap」に決めて、あとはリリック含めその場のノリで進めました。めちゃめちゃ楽しかったし、新鮮な体験でしたね。

 
——「浅草ARデート」はうって変わって可愛い曲ですね。Chaki Zuluさんプロデュースの楽曲ということですが。

去年クラブでたまたま会ったときに「一緒にビート作りましょうよ」って言ったら、「いいけど、数年前オレがビート作ろうぜって言ったら、お前『僕自分で作るんで』って言ってたじゃん」って言われて、「マジすか」みたいな(苦笑)。酔ってたのか全然覚えてなくて「すいません」って(笑)。そんなやりとりもありながら、時間作ってもらってChakiさんのスタジオに遊びに行って。それで『Archives』をリリースする予定を話したら、じゃあその作品用に1曲作ろうよってことになって。

 
——あの可愛い雰囲気は、何かテーマがあったんですか?

その時ChakiさんがApple Music開いたら、ちょうど『化物語』のサントラのバナーが展開されてたんです。それで「これ知ってる?」って言われて「知ってますよ」って説明してたら、その中に「白金ディスコ」っていう曲があって。その「地名+カタカナ」っていう組み合わせが面白いねって流れになって、曲自体もすごくいいし、Chakiさんも気に入ったみたいで。それで、“漢字とカタカナの組み合わせ” と “アニメ要素”っていうアプローチで考えはじめて、思いついたのが「浅草」、「AR」、「デート」みたいな(笑)。

——タイトルが先にできた?

最初はChakiさんがコードを決めてビートを組んでいって。その間リリックを書いてたんですけど、一度その作ったのを聴かせたら全部ボツになりました(笑)。Chakiさん、かなり厳しかったです(笑)。その後もけっこう書き直すように言われたりして。書き直しとか、これまでのキャリアでほぼ言われたことなかったんですけど、そうやって言われて今までとは違う考えに気付くことができたんで、すごく勉強になりました。

——わりと具体的な指摘だった?

そうですね。例えば、「〇〇“は”」を「〇〇“が”」に変えるだけでも伝わりかたが違うとか、リスナーに正しく伝わるような言葉の選び方とか。

 
——新曲の最後、「! (Prod. by Lil’Yukichi)」は導入部分がアブストラクトなサウンドになっていますね。

これはSILENT HILLでお馴染みの山岡 晃さんの『袋』という曲がめちゃめちゃかっこよくて、それに影響を受けてビートを作りました。作ったのはけっこう前で、その時はとりあえず置いてたんですけど、ある日、曲を作ろうとした時にふと「そういえばあのビートあるな」って思い出して。そこから一気に思いつくまま勢いで仕上げた曲ですね。

 

プロデューサーLil’Yukichiとして

——いま改めてLil’Yukichi名義とCherry Browm名義の活動の割合はどれぐらいでしょう?

前までは半分ずつくらいだったんですけど、今後はLil’Yukichiメインでがっつりやっていこうと思ってます。その区切りとしての、今回の『Archives』だったりもするんで。

——Lil’Yukichiとしては、最近だと今注目されているGOBLIN LANDの『NEO CHINPIRA』にも提供していましたよね。「KANSAI SEKAI」、「国境」、「音楽と遊ぶ」と。

彼らを一番はじめに知ったのは「US ft Jin Dogg」だったかな。聴いて良いなと思ったし、見た目ももちろんインパクトあるし。なので、依頼が来たとき「こっちもぜひ」っていうことでやらせてもらいました。3曲とも全部オーダーで、YUZinくんからいろいろ提案してもらって。「KANSAI SEKAI」のロックのテイストとか、けっこう僕的にもチャレンジングでしたね。

 
——ヒップホップのアーティスト以外に楽曲を提供されることはありますか?

ここ最近はないですね。しいていうなら、去年あいみょんさんの楽曲のRemixは手がけさせていただきました。

 
——そういうところまで対応できるプロデューサーとして懐の深さがありますよね。その幅広さを支えるCherryさんの興味関心の部分で、最近はどういう音楽を聴いていますか?一時期はアイドルにハマってたときもあったと思いますが。

アイドルはもう全くなんですよね。数年前にすっかり冷めちゃって。だから、最近は割と普通にアメリカの最新のヒップホップを聴いてますね。それこそ、Metro Boominとか808 MafiaのSouthsideとかはずっと大好きなんで。

——プロデューサー目線で音楽を聴くことが増えました?

この頃はだいぶそういう感じはあります。

——どういうところで情報をチェックしていますか?

Twitter、Instagramとか人に教えてもらったりだとか。あと僕Spotifyユーザーなので新曲一覧とかからですね。基本インターネットが多いですね。

——プロデューサーとして一緒にやってみたいアーティストはいますか?

最近だと、SANTAくん(SANTAWORLDVIEW)は好きですね。SANTAくんも一緒にやりたいとは言ってくれてるんで、タイミングが合えばいつかご一緒したいです。

——海外アーティストだと、どの辺とつながっていますか?

アトランタのプロデューサのKc Da Beatmonsterがキャリアも僕と同じくらいで、2作目のミックステープと2nd、3rdのアルバムにビートを提供してもらってて。いつかアトランタに行って、彼とは一緒に何か作りたいなとは思ってます。

——今回の『Archives』をリリースするにあたって、昔の楽曲の当時のアーティストさんとお話されたりしましたか?

「俺の嫁」って曲は、さつき(さつき が てんこもり)がイントロで喋ってるんで、さつきに「『Archives』にこの曲入れるけどいい?」って連絡はしました。さつきは「メシおごってくれたらいいよ」って言ってました(笑)。

 

映画『大和(カリフォルニア)』への楽曲提供

——楽曲の提供では、昨年は映画『大和(カリフォルニア)』でも劇中歌を担当されていましたね。そこでは何曲ぐらい作られたんですか?

10曲ぐらい作ったのかな。たしか全部は使われていなかったと思います。その何曲かは僕のBandcampでアップしています。

 
——どういうきっかけで劇中歌のお話がきたんですか?

監督の宮崎大祐さんは、もともとヒップホップが大好きな人で。それで、宮崎さんから「今度映画作るんで、音楽をお願いできますか」ってお声がけいただいて。それから、僕のMVも何本か撮ってもらったりして。

——映画の音楽を作るという経験はいかがでしたか?

自分の作った曲が映画館のサウンドシステムから流れてきた時は普通に感動しましたね。貴重な経験をさせていただきました。

——事前に映像を見て作ったんですか?

はい。前もって映像を見させていただいて、シーンを説明してもらいながら、監督がイメージする雰囲気をリクエストしてもらって。それを踏まえた上で作曲しました。

——映像やイメージから曲を作ってみていかがでしたか?

これもけっこうチャレンジングでしたね。普段ビートを作る時はノリ先行というか、とりあえず音を出してから組み立てることが多いんで。劇中歌のように、前もって「こういうビートを作ろう」って明確に決めて作ることはあんまりないんで、勉強になりました。

——どちらかというと、アイデアよりまずは制作する環境に身を置くタイプなんですね。

そうですね、色々考えるよりまずはソフトを立ち上げるんで。僕の場合、ビートに関していうと前もってアイデアがどうこうっていうのはほぼないんですよね。

 

楽曲制作の環境

——DAWを開いてまずどの音から鳴らしますか?

上ネタですね。シンセサイザーを立ち上げて、基本的にはメロディーかコードを決めて、そこから音を変えたり、組み立てたり。

——よく使うシンセサイザーは?

未だにNexusはすごい使ってます。海外だと「まだ使ってんの?」みたいな扱いなんですけど、俺はまだまだ超好きで。超使ってます。音いいですよね。

——基本的な機材だと?

FL Studioと、AkaiのMIDI鍵盤・MPK MiniとRolandのオーディオインターフェースぐらいですね。

——楽器は?

楽器は何も弾けないんです。だから例えば「KANSAI SEKAI」のギターリフも、Spliceから4種類ぐらいのギターリフのサンプルを引っ張ってきて組み合わせて逆再生させたもので構成してます。

——普段はスタジオで制作されているんですか?

スタジオもあるし、家でも作ります。

——ミックスとマスタリングもご自身でされているんでしょうか。

マスタリングはやらないんですけど、ミックスはやります。ビートを作りながらだいたいのミックスも同時にしていく感じで。

——「NCWMCO」でNocoNocoさんと共作されていましたが、共作は昔からやられていたんですか?

割と最近です。一昨年、ZOT on the WAVEと一緒に作ったのがきっかけで、そこから “誰かと一緒に作る”っていう選択肢が自分の中にできた気がします。やっぱり一緒に作ると客観的な意見も聞けるし、自分には無い相手の感性を取り入れたりもできるんで、共作はそういうところが良い点だと思います。

 

“感覚”から生みだされるクリエイティブ

——Cherryさんのクリエイティブって、ストリートな感性に基づいたアプローチで、いわゆる理論に基づいたアカデミックなアプローチと同等かそれ以上のクオリティを実現していると思うんですよね。それはどうしてできていると思いますか?

そう言っていただいてありがたいんですけど、自分では分からないんですよね。感覚で生きてるんで(笑)。ストリートなアプローチっていうのはあると思いますけど。

——感覚に依拠するところが大きいと、メンタルのステータスも作品に影響を与えると思うのですが、2014年ごろはスランプだったらしいですね。

その頃はかなりスランプでしたね(苦笑)。ちょうど1stアルバム出した後ぐらいだったかな。僕もともと超ネガティブなんですよ。スランプだった時はもう音楽やりたくないなって思うことが多くて。でも、そういう時でさえ結局なんだかんだ曲は作っちゃうんですよね。だから、曲をつくること自体が僕の芯の部分なのかなとは思いました。それしか出来ないと思うし。

——ポジティブに考えられるようになったきっかけは?

SQUASH SQUADのVito Foccacioと雑誌の企画で対談する機会があって、そこで“陰・陽”の話をして、色々考えさせられたのは覚えてますね。そういった周りの人の色んなポジティブなものを見聞きして、インプットしているうちに徐々にですけど良い方向に向かった感じです。

 
——改めて、今現在Cherryさんが音楽をやるモチベーションとは?

例えば、今トラップ的なサウンドって世界的に流行ってると思うんですけど、僕は昔からサウスが超好きだったんで、それこそ10年以上前からそういうのを作ってきたんですね。だから、ビートを作っててもトラップっぽいのは飽きたなって思うこともあるんですけど、そういう中でも、まだ自分の中にないジャンルや、フレッシュなものを聴くとチャレンジしたくなるんですよね。

新しいものに触れることによって、これまで自分がやってきたことに対してまた別のアプローチが見えてきたりするし、ひとことに “音楽”っていっても、そこにはまだ僕が知らない世界が沢山あって、その魅力やそこへの好奇心が自分のやる気につながっているとは思います。

——では、今後作るビートが大きく変わる可能性もある?

かもしれないですね(笑)。とにかく、色んなジャンルで幅広くやっていきたいなとは思っています。

——今の時点でチャレンジしてるビートはあったりしますか?

いま興味があるのはだいたい作っちゃってるんですよね。ドラムがないアンビエントなビートとか。でも、最近個人的に一番食らったのが、2000年代初期にイギリスで生まれた“Bassline” っていうジャンルの音楽ですね。すごく面白いんで、それを今風に解釈したものを作りたいなとは考えています。

 

「もっとプロデューサー、ビートメイカーの価値やポジションを上げていきたい」

——Cherryさんはプロデューサー、ラッパー、両方の視点もお持ちで、さらに世界のシーンにも通じていらっしゃいますが、現行の日本のヒップホップシーンについてはどう感じていますか?

すごく良くなってきていると個人的には思っています。まだ発展途上なんでしょうけど、踏ん張っていけばもっとデカくなるだろうし、面白くなりそうだなと思います。

——具体的にどういったところが良くなってきていると思いますか?

自由な表現っていうんですかね、少し柔軟なものに対してけっこう昔だと「これはwackだ」、「ヒップホップじゃない」みたいに言われてしまうことも多かったと思うんですけど、今だとリリックの内容含め、ヒップホップという枠組みの中であっても、表現できる幅が広がったなと思いますね。ファッションやビートのセレクトも含めて。

——今は普通にみんな歌ってますしね。

そうですよね。オートチューンの功績はすごい。

——最後に、今後の展望は?

もっとプロデューサー、ビートメイカーの価値やポジションを上げていきたいです。ラッパーたちと同じレベルで語られるようにしたいというか。どうしてもビートメイカーって裏方な感じになりがちなんですけど、もっと“アーティスト”として認知されるようになればいいなと。それもあって、去年ZOT on the WAVEと一緒に『Cook Up Japan TV』っていうYouTubeを主体としたビートメイカーのためのプラットフォームを立ち上げました。今年はそういったことにももっと取り組んでいきたいです。


Cherry Brown & Lil’Yukichi |「ビートメイカーの価値やポジションを上げていきたい」ラッパーとしての集大成『Archives』とプロデューサーとしての今後

 

Cherry Brown本人による『Archives』解説

無地Tee [Prod. by Lil’Yukichi] (2008)

この曲は完全にDem Franchize BoyzのWhite TeeやNever Again FamilyのBlack Teeにインスパイアされて作った曲。
当時は本当に無地Teeばかり着てたような気がする。渋谷の片隅で少し話題になったり地元の友達の小学生の弟の学年で少しヒットしてたみたいです。
因みにこの曲のリミックス(2009年ぐらい)にはMinchanbabyさんが参加したヴァージョンがありました。

 


Just Do It [Prod. by Lil’Yukichi] (2006)

高校生の時の曲。ラップ始めたばかりで何を書いていいか分からずクラブに行った事もなかったので想像で何曲かパーティーチューンを作ってました。2000年代初期頃にアメリカのヒップホップで流行ってたLil’JonやJust Blazeでお馴染みのイケイケなシンセサウンドっぽいのを使っています。

 


Finger Snap [Prod. by Lil’Yukichi] (2006)

これも高校生の時の曲。自分で曲を作り始める前に “トランスのシンセ音っぽいのとサウスのビート混ぜたらやばそう・・・” って思ったのを実行実践したビート。
当時アメリカのアトランタ発祥のヒップホップのサブジャンルSnap Musicが大好きすぎてスナップダンスの曲を作りました。なのでサビでは「指パッチン」と歌っています。

 


Maji Yabai [Prod. by Lil’Yukichi] (2014)

“宇宙までぶっ飛んでちゃうぐらいヤバーイ!” みたいなのを表現した曲です。こちらもアトランタ発祥のヒップホップのサブジャンルのFuturistic Swag(たぶん2007~2009年?)をこの年に久しぶりに表現してみました。YouTubeに当時お世話になったファッションブランドのgalaxxxyのお店で撮ったヴィデオもあるのでぜひ。

 


高校生戻りたい。 [Prod. by Lil’Yukichi] (2008)

切実に高校生に戻りたいという曲。高校を卒業して初めてJKの素晴らしさに気づき始めてた頃、尖りはじめてた頃だと思います。別曲でDJ FUJI TRILLをfeatしたJK賛歌(風児は別にJK好きではなかったと思う)って曲もあって入れようと思ったんですけど怒られそうだったので止めました。高校時代はずーっとイヤフォンつけて音楽聴いたり、ラジカセを学校に持っていって昼休み中に音楽爆音でかけてるような生徒だったので高校生らしいこと何も出来なかったと思います。
イントロ部分は完璧に餓鬼レンジャーの1stのあのスキットのオマージュです(笑)。

 


I’m シ尺尻工リ力 [Prod. by Lil’Yukichi] (2010)

イントロでもシャウトしてるんですけど、アメリカのラッパーLil BのParis Hiltonって曲に対しての日本からのアンサーソングです。完全ギャグで作ったんですけどかなりバズりましたこの曲。盟友YGSPの同曲のEDM Trap Remixを色んな著名DJの方々がかけてくれたおかげでもあります。こちらの歌詞ワードプレイもそこそこあるのでゆっくり聴いてほしいです。
例えば、 “飛行機手配しな~もちろんファーストクラス” のくだりはZeebraさん、今井了介さん、DJ KEN-BOさんからなるFIRSTKLASとエリカ様が出演されてたドラマ「ファースト・クラス」とかけてたり。
数年遅れでヴィデオも作ったのでYouTubeからどうぞ。

 


Crank Dat Ultra Man [Prod. by Lil’Yukichi] (2007)

これはSnap Musicから派生したCrank Datシリーズを日本でやってみました。Soulja Boyのスーパーマンが一番有名ですが、これはBatman,Spiderman,Aquamanなどヒーロー系を中心に様々なCrank Dat~みたいな曲がその当時色んなアーティストにより作られてました。日本なら「ウルトラマンだろ!」と思いダンスの振りもちゃんと付けてリリースしました。大阪のダンスチームがダンスをアレンジして動画アップしたりしてくれました。
正直言うとウルトラマンはあまり観ていませんでした。セブンを少しぐらい。

 


M-Walkin [Prod. by Lil’Yukichi] (2014)

くそスランプ中に作った曲。フラストレーションとか色々な物を書きなぐりました。あとLil’YukichiとしてもこういうEast Coastのラップビートも作れるよっていうのも当時知ってほしいと思いこういうビートを作って使いました。

 


これはリット [Prod. by Lil’Yukichi] (2016)

Litって言葉が流行ってたくさん使われてた頃に作った曲で “This is Litって日本語で言ったら面白いなー” って思って作った曲だったんですけどどうやら僕だけだったみたいです・・・(笑)。
個人的に気に入っているラインは “俺ってバイなのかも?だって好き2次と3次の子。女子!踊る like 希子、俺らリット” です。
サウンド的にもサビとフックの真逆な二面性あるビートが面白いと思います。
こちらヴィデオもYouTubeにあるのでぜひ!

 


俺の嫁。(feat.さつき が てんこもり) [Prod. by Lil’Yukichi] (2008)

先ほどもありましたが、恐らく2008年ごろから色々と道を踏み外していったんでしょうね。萌え系アニメに大変ハマっておりました。ひたすら大好きなアニメキャラの事をラップした曲ですね。イントロで話してるさつきさんは当時同じ学校に通っていて、素晴らしい作曲家で尚かつ頭のおかしい人で、色々教えてもらいました。因みにこの8bitサウンドを使ってトラップ作ったの諭吉さんが第一人者だと思います。

 


俺の嫁。[第2話] [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

まさかの第2話ですね。勢い劣らずかましています。更に嫁が増えて紹介していきます。こちらのビートはそれぞれのパートでレゲトンっぽいのとか様々なビートアプローチをしていますね。

 


俺の嫁。[第3話] [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

うわー3話まであります。サビではついに歌っています。ここらへんの時代から曲でオートチューンを多用し始めているかと。
違うジャンルの音楽も色々聴いていたので “BPMって倍で取れるんだ!” って気づいてドラムは半分になったり倍になったり忙しい曲です。

 


にーそっくす☆ [Yuuyu Aensland Remix] (2011)

こちらはリミックス。曲としてはリリースしていなくてライヴ時限定で披露してたヴァージョンです。この当時流行り始めていたEDM寄りのトラップを意識したリミックス。最後4つ打ちでど派手になるアレンジは大好きだったバンドAttack Attack!からの影響です。ひたすらニーソックスへの愛を歌っている気色の悪い曲です。

 


YARITAI!!! [Prod. by Lil’Yukichi] (2010)

タイトルから酷すぎて・・・タイトル通りの曲です。相当溜まっていたんだと思います。

 


EJC [Prod. by Lil’Yukichi] (2010)

下ネタ事情が続きます・・・。これは正直に言うとオナニーの曲ですね。それをThree 6 Mafia直系のドラッグソングっぽく歌っています。
どうでも良いんですけど小4ぐらいからハマってしまってその時の事を書いたんだと思います。小学生の頃学校から帰ってきて一発かましてそのまま寝て塾をバックレて親に叱られたのは良い思い出です。
EJCというのはEjaculateを縮めてものです。

 


Kossetu [Prod. by Lil’Yukichi] (2016)

大人になってからスケボーに乗れる事に気づいて一時期乗ってたんですけど凡ミスで滑って転んで肩からコンクリに落ちて初めて骨折した時の曲です。
個人の解釈ではThree 6 Mafiaが1曲の中でビートチェンジするのやり始めたな(以前にもやってた人いたら教えてください)って感じなんですけど、それをマネしました。
前半と後半の激変具合がすごく好きです。
初めての骨折中は片手でライヴしたり、DJしたり、ビート作ったり大変でしたが良い思い出です。

 


A H–[あほ] [Prod. by Lil’Yukichi] (2008)

これはとあるパーティに遊びいったら内心めちゃキレる事が起きまくって勢いで作った曲だと思います。恐らく初の日本語Crunkですね!
イントロは一人三役ぐらいやってます。最初に流れる曲はKNUX a.k.a Mr.Austin の Fuck The Policeって曲でその次は僕がギャグでやったJoedan Boiって名義で作った曲です。
アウトロでも言っている通り女性を攻撃する曲ではないです。今現在の時代だと問題になりそうな歌詞だなーって思って正直入れようか迷ったんですけど、イントロが大好きなんで収録しました。

 


FYTGWYIGID? [Prod. by KC Da Beatmonster] (2016)
(Fuck Your Twitter Girl What’s Your InstaGram ID?)

昔ツイッターの曲とか作ったりもしましたけど、時代が経ち “人のつぶやき見てるより可愛い女性の写真見てる方が最高じゃん!!” って思って作った曲です。
こちら、あまり日本のラップでないようなフロウを意識して歌った記憶があります。
曲をプロデュースしてくれたのはアトランタのKC Da Beatmonsterで、彼は前述したFuturistic Swagシーンのど真ん中で活躍していた人物です。今もバリバリ現役でRich Kids,Migos,Chief Keef,Prodigy (Mobb Deep)などに楽曲提供している色んな意味で僕がすごくリスペクトしている方です。

 


OreDaYo! [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

これは特に内容のない曲ですね。ただビートがいつもと違うアプローチで作った曲で気に入ってた曲だったので。

 


P0UND!!! [Prod. by HyperJuice] (2013)

ダブステップやブロステップを好んで聴いてた時期がありまして、ぜひそういう曲でラップしたいと思いHyperJuiceに頼んで実現した曲です。
ライヴ時に破壊力を発揮した曲で歌うのもすごく楽しい曲でした。

 


Chiki Bang feat.KNUX [Prod. by Lil’Yukichi] (2014)

こちらはリメイクで、オリジナルは2008年かその前にリリースされていた曲です。ビートをブラッシュアップして、二人とも日本語多めに歌詞を書き直しました。
“銃は使わないけど、僕らの音楽は銃みたいだからぶっ放すよー” ってイントロで言っています。
YouTubeにヴィデオが上がっていますのでぜひ観てください。

 


Lil Bug [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

恐らく日本で最初にゴーゴーダンサーについて歌った曲なんじゃないんでしょうか?たぶん。
Three 6 Mafiaみたいにドロドロした暗いビートでエロく女子の事を歌うのをやりたかったんでしょうね。もう少しエロく出来ただろうよと個人的に思います。
お気に入りのラインは “俺は席に座ったまま遠くからステージ見つめる。さっきのダンサーがケツ振る。俺を2つの意味で立たせる”。
タイトルのLil Bugはステージに引き寄せられる様を青いライトに引き寄せられる虫に見立てたんだと思います。

 


Happy Birthday [Prod. by Lil’Yukichi (2008)

誕生日の歌。途中で語ってる自分が物凄くキモいんですけど、曲としてはすごく気に入っているので入れさせていただきました。

 


Fukc These H0es [Prod. by KC Da Beatmonster] (2015)

こちらの曲1番のヴァースは女性関係で嫌なことがあって作った曲だったと思います。サビと2ヴァース目に関しては僕というよりある人の視点からの歌詞ですね。
KCくんのビートもかなりやばくて、ライヴの時とかもバッチバチな重低音がすごく気持ち良いです。
YouTubeでヴィデオもありますので観てくださいね。

 


Goodbye To You [Prod. by Lil’Yukichi] (2010)

こちらの曲、好きって言ってくれる人が意外に多くて驚いたのを覚えています。
女性の事を歌っていると見せかけて、本当は鬱的な感情を歌っている曲です。
今はだいぶ改善されてると思うんですけど、自分上がり下がりの差がすごく激しくて・・・この時代前後は友達と居るのに急に下がったりしてすごく面倒くさい奴だったと思います。
“上から下見て思ったまた一段と綺麗になったね~” っていう表現なんですけど、恐らく鬱な俺かっけー!的な痛い感情も歌ったんだと思います。本当はこういう感情嫌だけど、きたらきたでちょっと心地よいというか、なんというか。
実はこれ手を加えておりまして、オリジナルだとアウトロで喋ってるんですけどそれがキモすぎてマジで無理だったのでそこだけミュートした軽いクリーンヴァージョンになっております。

 


Still Trapped [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

これはその当時もうあまりやりたくないような事を数年間やっておりまして・・。その事を歌っています。
サウンド的にはアラバマのBlock Beattazという本当に素晴らしいプロダクションチームが居てその人たちにインスパイアされて作ったビートです。

 


B-tch I Need Some More [Prod. by Lil’Yukichi] (2014)

これは自信満々でリリースした1stアルバムが盛大にずっこけて大スランプになってちょっと回復したぐらいに作った曲です。
もっと欲しいんだけど?って感じの曲です。
この気持ち悪い発声方法が結構良いですよね?自分は好きです。
Gothicaってグループとかも聴いたりしてた頃なのでサウンド的にそれの影響もあったりするかもです。

 


Got Dope? [Prod. by Lil’Yukichi] (2008)

ゴッリゴリなトラップシットを作りたくて作った曲です。Lil’Yukichi視点の曲ですね!ビート売ってトラップするみたいな。
ドラッグの生成方法とビートを作る過程を合わせてるのも良いですね。
もろにShawty ReddやYoung Jeezyにインスパイアされて作ったものです。
今となってはもう少しタイトルを捻りたかったなというのが正直なところ。

 


Kawaiii [Prod. by KNUX a.k.a.Mr.Austin] (2014)

サビで歌ってる通り “君ってかわいいよねー” って曲です。
好きなラインは “キュートな子たちは全員キャッツアイ。だって彼女ら眼を奪うのが超うまい。(視線が彼女らに釘付けになるから)気分はフェンブレン見えない周り(ダイの大冒険に出てくるキャラで両目を潰された人。眼(視線)を奪われちゃって可愛い女の子に夢中で周り見えないよね-って意味)”。
ビートはKNUXがばっちりかましてくれています。
ヴィデオも色んな人が出てくれて面白いのでYouTubeで観てね。

 


Summa Tyme [Prod. by LISACHRIS & Lil’Yukichi] (2015)

こちらなんかのタイミングでリサクリスさんと話してた時に一緒にビート作りましょう的な感じになって実現した物。最初彼女がビートをある程度作って送ってくれてその後にLil’Yukichiが音を足したり抜いたりとかした感じなんですけど、僕もリサさんも “このビート・・・夏だ!!” ってまさかの一致して最後の夏の曲というような曲にしました。
ヴィデオも撮りまして、宮崎大祐 監督の素晴らしいワークによってヒヤっとした感じが映像でより一層強調されているので合わせて観てみてください。

 


I’m A Hentai [Prod. by Lil’Yukichi] (2009)

こちらは日本のとあるレジェンドのお方が突如ニコニコ動画にアップされた謎の最高の動画をサンプリングしました。
2ヴァース目でも歌ってるんですけど小学生の頃は変態大魔王でした。小3ぐらいから下ネタをずっと連呼してたら女子全員に1年間ぐらいずっと無視されていました。

 


Far Away -遠くへ- [Prod. by Lil’Yukichi] (2016)

これは何度も言っている大スランプから少しずつ考え方も変わっていき、前向きな歌詞をのせた曲です。
長い間立ち止まっていたので進み続けなきゃダメだとやっと気づけてその思いを綴りました。

 


ぐぐえー [Prod. by Lil’Yukichi] (2016)

わからなきゃとりあえずググれや。

 


たきし [Prod. by YGSP] (2013)

こちらはTalking Shitを日本語にした曲で曲の内容はただただ戯言を言っているだけみたいな。
盟友YGSPによるトラップシット(本人的には「全然トラップビートじゃないけどね!」 との事らしいです。)にのせた楽しい曲ですね。
YGSP,PIPI,minさん,KNUXや原宿に居た人たちに手伝ってもらい楽しく撮ったヴィデオもあるので観てね!

 
 


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