【Who’s NXT】Frankkiss | 「ずっと挑戦し続けたい」愛媛・松山発、流行りに流されず“自分らしさ”を追求するZ世代アーティスト

コラム・特集
2021.3.18
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Frankkiss インタビュー

Frankkis
2001年生まれ、愛媛県出身。

幼少期からダンス、歌、ミュージカルを始め、CM出演等、数々の舞台やメディアに出演。若干14歳にしてアーティストとしてのキャリアもスタート。

独特なリリック、グルーヴィーなメロディー、類稀なリズム感、卓越したパフォーマンスでその注目度は高まっており、2月10日にリリースした百足を客演に迎えたMASA TAMAKIプロデュースの「Yukichi Fukuzawa (feat. 百足)」は、Spotify「New Music Wednesday」をはじめ、「New Era: J-Hip Hop」、「J-Pop 新幹線」、「Monday Spin」、Apple Music「HIP HOP DNA : NOW」など多くのプレイリストでピックアップ。続けて2月17日には、その「Yukichi Fukuzawa」や、同じくZ世代で話題のLil KINGを迎えた「My Situation (feat. Lil KING)」を含む2nd EP『Groovy My True』をリリース。

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


——まず、最初に音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

僕の家が、親父がダンスの先生だったり元々ダンス一家でして、幼少期から毎日毎日ダンス、ボーカル、ミュージカル等を親父に叩き込まれていました。僕はどちらかといえばみんなで学校終わりにはしゃぎたいタイプだったんですけど、週7でダンスなり、ミュージカルなり、と通わされていました(笑)。そこで「コイツの将来は絶対ダンサーだな」みたいな勝手な押し付けを食らわされてて。自分の中でもずっと続けていたことだからこそ、中学1年生くらいまでは「ダンスで飯を食うんだろうな」って思ってたんですよね。

でもそれが年を重ねるごとに本当に自分のやりたいことは違うって思うようになったんです。それが原因で、中学2年生の頃にダンスに通う回数も減っちゃって、地元でちょっと変な方向に進んだりもして、「オレこのままで大丈夫かなー」とか思ってた時に、5歳からの幼馴染で今バックDJをやってくれているDJ LENから急に謎の呼び出しがあったんです(笑)。LENはその頃バッチリヤンキーの印象だったんで「オレなにヤらかしたんだろ……」って思いながらLENの家に行ったら、めちゃくちゃB-BOYファッションでスケボー乗ってスピーカーでKid Inkとか流してて(笑)。それでそのまま「海の方に行こう」って、色んな場所にタギングとかしに行ったら、「あ!オレに合ってるのこれだわ!」って直感で感じて、その日をきっかけにヒップホップを聴くようになりましたね(笑)。

 
——実際に自分でも音楽活動をやるようになった経緯というのは?

音楽をやるきっかけは、僕がストリートダンス、LENがスケボー、別の幼馴染がパルクールと、3人それぞれの役割でクルーを組んでたんですけど、さっき話したようにダンスをあまり自分がしなくなってきちゃって。元々ツレとフリースタイルしたりリリック書いたりはしてたんですけど、そこで明らかに自分が1番上手かったんですよね(笑)。だから、ダンスもなあなあになっちゃうならいっそのことラッパーになろう!って思って。それから地元の先輩のDisryさんの家でレコーディングさせてもらって楽曲を作るようになりました。

 
——現在おもに活動されている地域はどちらになりますか?

僕はずっと地元の愛媛県松山市にいます。松山にいて、割と撮影とかで困ることもあるんですけど、東京に行って東京に飲み込まれてぼんやりさんになっちゃうくらいなら、自分の中の流れがくるまで松山から発信し続けようって思っています。そして流れが来てから、胸を張って「オレは愛媛レペゼンだよ」って外に出ようかなと思ってます。なんかそれが1番オレらしいかなって(笑)。

 
——一番新しい作品をご紹介いただけますか?

2月17日に2nd EP『Groovy My True』をリリースしました。このEPは「これがオレらしさ」って意味を込めていて、1曲1曲自分のリアルな経験やストーリーに基づいて書いてます。

順番に紹介させてもらうと、まず1曲目の「WHATS POPPIN??」は、一時期自分も主催してて、今は仲間が主催してる地元の「CHERRY BOMB」ってイベントがあるんですけど、そのイベントであったある出来事をキャッチーなサウンドに乗せて表現しています。なので、ちょっとリリックはチャラいかも(笑)。

 
次の2曲目「My Situation (feat. Lil KING)」は、トラックはクールな中に少し寂しげがあるサウンドで、リリックは「何でオレがこういう状況なのか」っていうのがテーマになっています。普段のライフスタイルだったりを書いてるんですけど、客演のLil KINGは関西の同い年の仲間なんですけど、「一緒に曲やろう!」っていう話になった次の日にはもうめちゃめちゃいいヴァースを完成させてくれました。Lil KINGありがとう!(笑)

 
続く3曲目の「Rainy Drive」は典型的なドライブソングになってて、雨の日にタクシーを呼んでツレと合流してドライブを始めて朝を迎えるまでを曲にしています。3ヴァース目は思いっきりファルセットで、オートチューンともキレイにハマって心地いいサウンドになってて、クルマに乗りながら聞くのがオススメな曲に仕上がりました。この曲のMVもリリース日にアップしています。

 
そして、もう第一印象から「良いね!」ってきっと思ってもらえるのが4曲目「Yukichi Fukuzawa (feat. 百足)」です。百足とも同い年なんですけど、高校生の頃からずっと関わりがあって、さっきの地元のイベント「CHERRY BOMB」にも来てもらったこともあって。お互い高校生から少し大人になって、20歳の今このタイミングで作れたのは嬉しかったです。プロデュースは今ずっと一緒に色んな曲を作っていただいてるMASA TAMAKIさんです。爽やかでありつつインパクトもある、というすごくバランスのとれたトラックを作っていただきました。それも2-3日で(笑)。曲のタイトルについては、僕はこれから海外のアーティストとのコラボも予定してるので、海外のリスナーからしても分かりやすいよう「Yukichi Fukuzawa」にしました。

 
最後の5曲目「Violet」のプロデュースもMASAさんで、MASAさんとはじめて作ったのがこの曲なのかな。最後のフックで転調したり、あえてアウトロも長くしていて、このEPをキレイに締めくくる曲になっています。テーマとしては、自分の中の高嶺の花?的な女性に向けたものになっています。

5曲それぞれで自分の好きにやってるEPなので、これを聴いてもらえれば僕のことがなんとなくは分かってもらえると思います(笑)。ぜひ聴いていただきたいです!


Frankkiss「Groovy My True」

『Groovy My True』各配信ストア: https://linkco.re/ANBTGdZT

 
——他にこれまでリリースされた作品の中で、イチオシのものを教えてください。

あー、そうですね…… 去年リリースしたEP『L to F』に収録している、「Lui Twenty」はわりともっと聴いてもらいたいなって思いますね。この曲、タイトルが一見「???」ってなると思うんですけど、実は僕の過去のInstagramの裏アカについての曲なんです(笑)。今はもちろん無いんですけど、その頃は本当に「Lui Twenty」」というアカウントがあって、音楽にあまり身が入ってない時期で、無駄に承認欲求を埋める事ばっかり考えてました(笑)。ちょっと重たいリリックになってますが、その頃のしんどさや葛藤がメロディに全開に出てると思います。トラックはDJ WATARAIさんです。


Frankkiss「L to F」

『L to F』 : https://linkco.re/HSZFbtH3

 
——楽曲制作はどのような環境やプロセスで行っていますか?

環境は様々なんですが、プロセス自体は完全ノリですね(笑)。トラックをもらって、それからカフェでリリック書いたり、車でメロディ考えたり、スタジオで考えたり…… 僕の場合、1曲に2、3日かけてもプリプロを仕上げられなかったら、その曲は諦めます(笑)。気持ちが乗って作れたらぱぱっと良い感じにできるんですけど、気持ちが乗らないとどんだけ時間がかかっても良い曲は生まれないと思っています。

 
——まだFrankkissさんを知らない人に、ご自身の特徴を伝えるなら?

曲からハマってもらえたら、まず飽きないんじゃないですかね。逆に色々なタイプの曲をしょっちゅう攻めてるんで、みんなが掴めないのかな?とも思っちゃってます(笑)。ルックスで聴いてる子は別ですけど(笑)、あくまで音楽で。

 
——音楽活動をする上で、特に意識していることはありますか?

自分はインフルエンサーじゃなくてラッパーだし、特に四国愛媛松山っていうローカルのラッパーなので、その分野心はあるのかな。スタンス的にはとにかく色々な事にずっと挑戦し続けたいと思ってます。自分自身かっこよく思えるヤツになりたいですね。

 
——音楽活動をする上で、共感、あるいはリスペクトするアーティストはいますか?

Disryさんですね。同じ愛媛のアーティストで、ずっとお世話になってる先輩です。この間、徳島でライブが被って久しぶりにお会いしたんですけど、なんかもうめちゃくちゃB-BOYだし、超ラッパーだし超ストイックだし…… マジ漢だなってすごく思います。

僕らの地元の子たちは地元でイケてることをしてる奴らに嫉妬しちゃうんですよ。ぶっちゃけ曲は聴いてるけど、日本で超バズってるとかじゃない限り、「大した事なくない??」みたいな(笑)。そんなの唸らせたいじゃないですか。僕は直接的に地元のことは曲に出さないんですけど、Disryさんはどストレートに地元のこと歌うんで、めっちゃ刺さりますね。かっこいいです。

 
——今の音楽を取り巻く現状について、何か感じることはありますか?

メジャーはもっとインディーズに寄り添った方が幅も層も広がるんじゃないかなーって最近思ってますね。まぁ、これは僕がどうこういう話じゃないんですけど(笑)

あとは、TikTokめちゃくちゃ強いですよね。だから、なる早でバズることばっかり考えてる子が多いっていうか。例えば、最近耳にした話なんですけど、MVで◯◯万円出すくらいなら、TikTokでフォロワーの多いダンサーに◯万円で踊ってもらってバズらせるとか(笑)。僕はそれは違う気がするんですよね。一段一段踏んでいくより、その方がもう早いじゃんっていう気持ちも分からなくはないんですけどね。僕も高校生の頃にそういう気持ちで謎に豹柄キャラとか付けちゃって、そしたらそのイメージを払拭するのにめっちゃ時間かかりましたけど(笑)。

 
——最後に今後の展望、予定を教えてください。

今後としては、もうそろそろMVを1本公開する予定です。あと、今年の上半期のうちにKoreanの女性アーティストとの曲をリリースしますので、楽しみにしておいてください!

 
Frankkiss

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