【IYOW】haqu (ハク) インタビュー |「ビートメイクは時間を忘れて没頭できること」
ヒップホップからフューチャーベースまで、ジャンルやシーンを問わず、リマーカブルなプロデューサー/ビートメイカーをフィーチャーする THE MAGAZINE new series IYOW (In your own way/words)。
今回は、ベールに包まれたスタンスを貫きつつ、Taeyoung BoyやPablo Blastaをはじめ、オントレンドかつ耳の肥えたラッパー/アーティストからのビートリクエストが絶えないプロデューサー/ビートメイカー haqu (ハク) にフォーカス。
——キャリアのスタート/きっかけ
もともと小さい頃から音楽は好きな方だったのかなと思います。ひとりで地元のレンタルショップとか音楽聴けるところに何時間でもいれる感じだったんですど、バイブスを共有できる人が今ほど多くはなかったので、インターネットで黙々とディグっては飽きて、また自分好みを探して…みたいな感じでした。
そんなこんなでPCで曲が作れることを知り、魅力を感じて触り始めたのですが、マイブームになったのはここ3年くらいです。特に楽器を弾いたりできるわけでもないので、ほんと知らないことだらけですが…
——ターニングポイント
自分の中で「これは熱中しはじめたな、、、」って思ってからですかね。
時間を忘れて没頭できることっていろいろあると思うんですけど、そのひとつになったというか。はじめはたまに程度から、今度は時間作ってプラグインとかDAWの使い方をYouTubeでみる、みたいな。料理とか旅行とかスポーツと一緒で、ビートメイクもそのひとつです。
それからは「人と一緒に作ることも楽しいな」となって、国内をはじめ会ったこともない韓国のビートメイカーと曲を作ったりしてきました。
——最近作
「YOUNG」Taeyoung Boy
「everyday everynight Remix ft. TOYCOIN & Taeyoung Boy」Pablo Blasta & haqu
——キャリアスタート時の制作環境
触り始めた頃はすぐフリーズするPCにインターフェースなし、¥3,000のSONYイヤフォンを直差しで遊んでいました(笑)。
——現在の制作環境 / メインの機材
DAW : FL Studio
おもちゃみたいで楽しい。
PC : MacBook Pro 15 inch
FL StudioがMacに対応してよかったです。
インターフェース : FOCUSRITE (フォーカスライト) / Scarlett 6i6 G2
ヘッドフォンのアウトが2つあって、レッドカラーが差し色にもなるインターフェース。
セカンドディスプレイ : LG
Amazonで適当に購入したもの。
LED
車に搭載されがちな見覚えのあるUSBタイプ。
Philips Hue
照明は大事。
——モニター環境
ヘッドフォン: audio-technica ATH-M50x
モニターヘッドフォンは買ってからずっとこれ。
イヤフォン : Apple AirPods
コンパクトなデザインと世界中で使われてるということもあり、今はエンドモニター的にも主にこれを使ってます(音が漏れるので好みはあるかもしれません…)。
モニタースピーカー : KRK Rokit Series 5
パインアメみたいな見た目のスピーカー。
——使用音源
Omnisphere
オムニスフィアは音色的にもエモいものが豊富で好み。
Drum
基本的にどこでもPCだけで作るので、ドラムはドラムキットのサンプルを使うことがほぼです。
808やサブひとつとっても、ほんといろんな音があるなー…と。
——使用プラグイン
FabFilter シリーズ
Q2、MB、DS、Saturn、R、L2と、どれも万能でよく使います。Q3気になります。
Ozone シリーズ
イメージャーと簡易マスタリング時に刺したりしています。
Fruity シリーズ
FL Studio純正プラグイン・エフェクトも使いやすくて好きです。普通に使います。
Valhalla シリーズ
雰囲気がいい感じになるので、テクスチャとか自然音にもかけたりします。
Gross Beat, Glitch 2, Looperator, HalfTime
これ系はパーツでも全体でもかけて遊んでます。
アイデア 2 pic.twitter.com/HePTR51e7q
— haqu (@whoishaqu) 2018年8月8日
——ビートメイクのプロセス
特に決まってはいないですが、コード、メロディー、ドラム、その修正の繰り返しなのかなと思います。
時間が経つと前に自分が作ったものでも覚えてないし、プロジェクトファイルを開く気力も飛んでいくタイプなので、その時のフィーリングで一気に組むこともあれば、正直途中でパタンと閉じてNetflixするときも多々あるので、意識低いかもしれないですがビートに関しては無理してやろうとはあまり思わず、触らないときは全然触らないかもしれません。
——ビートメイクポリシー
YouTubeを見ててもSoundCloudをディグってても世界には才能だらけで学ぶことが多いのですが、音楽ってなんとなく料理だなって思うことがあり。
食材や調味料、調理方法で出来上がるものも変わってくるし、身体に合う合わないとか、出来上がった料理の好みも人それぞれで、でも味わい方みたいなのが自分なりにあるとその料理を存分に楽しめるというか。
ジャンクフードもあれば、トラディショナルなものもあったり、なんかよくわかんないけど美味しいとか、みんなが美味しいって言うものは美味しかったりもするし、別に正解なんてものはないんですけど、辿ればユニークな部分や作り手の好みが出てる部分はあるのかなと思います。
そんなマインドとその時の気分だったりノリで音楽を作ったり、聴いたりしてます。
——欲しいハード・ソフト
OP-1
爆音で音楽鳴らせる部屋
——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー
Kanye West
ひとりに絞るのはすごい悩ましいんですけど、彼は地球上に存在することが結構やばいと思います。
今後何をしても楽しみな存在だし、「何してもいい」感じをあそこまで醸し出す人はなかなかいない気がしますね…
生み出してはぶっ壊れていくのも、バイブスいいなと。
——影響を受けた楽曲
「Troop (feat. Smino)」Tobi Lou
「Legends」Juice WRLD
「Nights」Frank Ocean
「Everybody Dies In Their Nightmares」XXXTENTACION
「long distance」sam gellaitry
「zaddy (Remix)」Yugi boi
「.. Girl」Mura Masa
「Kiss Kiss」CASHMERE CAT
「Disclosure – You & Me (Flume Remix)」Flume
「i < 3 u」Oshi
好きな音楽も入ってますけど、音楽ってその当時を思い出してエモいです。
SoundCloudが全盛期の時は常に新しいものに出会えてて自分的にいい時代だったんですけど、これからもいろんなアーティストやビートメイカーが出てくると思うと普通に楽しみですね。
——Message
日本にもスタジオがたくさんできて欲しい。
haqu
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