「ランデヴー」バイラル1位も獲得!人気急上昇、今最注目のバンド“シャイトープ”はなぜ今の若者に支持されるのか ― 気だるくて甘い濃密な追体験、シャイトープが描く身近な失恋とロマンス
女性目線で描かれる「pink」
「ランデヴー」に次いでバズっている「pink」は対照的に、女性目線からの楽曲だ。
「記憶の中で笑う可愛いあなたを / 手繰り寄せて抱きしめたくなった / 最低だって思ってたけど / よく似た別の人だったみたいね」
この歌詞からわかるように「pink」の中で描かれる男女関係の縺れは、明確に男性の裏切りが原因となっている。運命の相手だと思っていた彼の最低な行為に酷く傷つけられた彼女。他のことが手につかなくなり、慣れない度数のお酒なんて飲んでしまう。記憶の中でほほ笑んでいる彼がリアルで、最低なことをしたあの人はもはや赤の他人だ。
酷く傷つけられたとしても優しかった彼が離れて行ってしまう辛さに耐えられない彼女の叫びに、多くの女性たちは共感してしまうのかもしれない。筆者からすると、「ほかにもっとイイ人たくさんいるよ」と声をかけたくなるが、この状況の彼女たちからは余計なお世話と一蹴されてしまうだろう。男女の事は当人同士にしかわからないことだ。
彼らの楽曲では派手な恋愛はあまり描かれない。誰の身にも起こりえる、または経験したことのあるようなありふれた恋愛の切なさや憧れを描いた共感性の高さが、彼らの楽曲の最も魅力的な点だ。