次の作品(EP)の参考になる7つのアイデア ― 7 IDEAS FOR YOUR NEXT EP

2021.1.5

音楽ストリーミングサービスが普及した現在において、アーティストはシングル/アルバムといったフォーマットだけに限らず、柔軟に作品をリリースすることができるようになりました。配信リリースにおいては従来のようにシングルを出してアルバムを出すといったルーチンワーク的なリリーススタイルよりも、状況に応じてコンスタントに作品をリリースすることで、リスナーやファンから関心を持ち続けてもらいやすくなるでしょう(コンスタントにリリースすることの重要性は下記の記事もぜひご参考ください)。

とはいえ常に新しい楽曲を作りリリースし続けるには相当の労力・時間がかかってしまいます。そこで、今回はEPというフォーマットに着目したいくつかのアプローチを考えてみたいと思います。

 


次の作品(EP)の参考になる7つのアイデア ― 7 IDEAS FOR YOUR NEXT EP

限られたリソースの中でファンに多くのコンテンツを届けようとする新進気鋭のアーティストにとって、アルバムより短いEPというフォーマットでできることはたくさんあります。全く新しいアルバムを制作しリリースするには費用も時間もかかりますが、EPはキャンペーン等の前後でのリリースや活動をキープするにおいて素晴らしいプロダクトです。

またEPは多様な形をとることができ、思い通りのものを収録することもできます。上手くいけば素晴らしい作品を残すことにもなります。

そこで以下に次回(または初めて)のEPをリリースする際に検討したい7つのアイデアを紹介します。

 
全て新曲
すでに作成した音楽をベースにしたアプローチについて言及する前に、まず最も一般的なEPは新曲をすべて収録したものです。3〜8曲を制作・収録し、それらを1つ(もしくは1つ以上)の作品ごとに編集することができ、制作中の曲数に応じて作品の数も決められるでしょう。

 
デラックスバージョン
多くのビッグアーティストが活用しているトレンドは、フルアルバムを出す前後に新しいEPをリリースするのではなく、既存の作品にEPに相当する楽曲を追加し、すでにリリースされたアルバムに新たな命を吹き込むことです。アルバムをデラックスバージョンとして再リリースすれば、ファンに改めて買ってもらったり全曲をストリーミングで聴き直してもらったりすることができるかもしれません。また、最近ファンになったリスナーにさらに音楽を聴いてもらえる機会になるかもしれません。

 
ライブバージョン
ライブの収録には費用がかかり難しいところもありますが、時代の変化や技術の進歩によって以前より簡単にできるようになっています。最近は会場によってライブの収録に対応している機材を用意しているところもありますし、そうでない場合もアンダーグラウンドなアーティストがお気に入りのパフォーマンスや楽曲のライブバージョンを出すための方法はあります。

昨今ライブ/コンサートを行うことは難しくなっていますが、それらが再開した際に、将来的にパフォーマンスの収録をする可能性があるかを確認しておきましょう。収録しておけばフルアルバムやEPでリリースできるかもしれません。実際に、Dave Matthews BandやThe Grateful Deadなどのミュージシャンは、ライブから素晴らしい作品を残しています。

 
デモバージョン
デモテープは普段から軽く扱われたり忘れられたりすることがありますが、もったいないです!最も大事な収録曲ではないかもしれませんが、熱烈なファンにデモテープを共有して収益を増やすことはできます。シングル、EPまたはアルバムをリリースした後に、レコーディングの過程で作られたデモテープを一緒にパッケージ化し、EPとしてリリースするという方法があります。SpotifyやApple Musicのようなストリーミングサービスにデモテープを追加するのに最近はそれほどコストもかかりません。

これらの作品はそこまで再生回数は増えないかもしれませんが、お気に入りの楽曲の全てのバージョンを聴きたい人を喜ばせ、新しい作品を待ち望んでいたファンを興奮させ、また、眠っているコンテンツから少しでも何かが生み出される機会になるかもしれません。

 
リミックスバージョン
リミックスは素晴らしいアイデアの一つです。ただ、相応の費用がかかることもあるので、金銭と時間、労力の面でコストをかけるに値するかどうかをまず確認しましょう。また、ヒットしたシングルをさらに宣伝したい場合、リミックスバージョは新しいリスナーを引き付ける素晴らしい方法です。さらに、別の方法として1つのアルバムからリミックスのEPをリリースすることも考えられるでしょう。

 
アコースティックバージョン
普段からアコースティックギターやピアノだけを使って楽曲をリリースしているアーティストにとってアコースティックEPはあまり役に立たないかもしれませんが、バンドやヒップホップ、EDM系の音楽を作っている場合、アコースティックパージョンで楽曲をレコーデイングし直すこともひとつの方法です。また、全く異なるバージョンで録り直すことによって、すでにリリースした楽曲でも違った魅力を放つこともあります。

 
インストゥルメンタルバージョン
忘れられがちなデモテープのように、最新の作品をまとめるときに収録したインストバージョンのトラックも、コンピューターやハードディスクのどこかで眠っていて、輝く時を待っているはずです。そして、その時は今かもしれません! 最新アルバムのインストバージョンをEPとしてリリースし、歌詞にとらわれることなく、ファンがあなたの美しい音楽を聴けるようにしてみるのもいいかもしれませんね。

 
※この記事はTuneCore USのBlogの翻訳記事になります。(原文へ
翻訳 : Ayako Tsukazaki / 編集 : THE MAGAZINE

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

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