音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの活用方法 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

アーティスト向け
2021.7.16
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音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 - いろんなアーティストのデータから学ぶ

ライバルのデータを見るということ

インディペンデントアーティストの皆さんが個人でアーティスト活動を行っていて、TuneCore Japanでのリリースを重ねている場合、知りたいことに応じて見るツールが異なってくると思います。

例えば、

「自分にどれぐらいの金額振り込まれているか」

の場合はTuneCore Japanのダッシュボードの残高、レポートの速報/確定レポートを。

「自分の曲をどんな人が聴いているのか」

を見たい場合は、YouTube Studio、Apple Music for Artists、Spotify for for Artists、Amazon for Artistsを活用すると思います。

では、自分の数字を見ることはできても、

「ライバルのデータを知りたい」

といった場合はどうすべきでしょうか?

 
気になるあのアーティストのことも知りたい…

あのアーティストはどのプレイリストに入っている?

どのSNSにファンが多い?

 
などなど……

この場合、月額で15,000円程度の有料のサービスとはなりますがChartmetricとSoundchartsの2サービスが世界標準となってきています。両サービス共に特徴がありますが、今回はその中でSoundchartsに関してのお話となります。

 

Soundchartsとは

Soundchartsは有料でデータを提供する分析プラットフォーム。フランスのスタートアップ企業のサービスです。アーティスト名で検索することでそのアーティストの

  • SNSの数値
  • Spotifyリスナー数
  • チャート状況(Apple、Spotify、LINE、TikTok、YouTube、Shazam、iTunes、Deezer)
  • プレイリスト状況(Spotify/Apple/ 一部Amazon)

などを把握することが出来るツールです。一部の国と地域のチャート情報ではInstagramミュージック チャートも表示。

海外では700以上の会社が利用し、ユニバーサル、ワーナー、ULTRA、Atlantic、BMG、Believe Digital、ソニーATVミュージックパブリッシングはじめ、最近ではフォートナイトでお馴染みのEpic Gamesもクライアントとなっています。もちろん個人でも利用可能。利用料は月額129ドルとなっています。


音楽データ分析プラットフォームSoundcharts

※この記事をお読みの方へお得なクーポン情報も記事後半に記載していますので、ぜひ順番に最後までお読みいただければと思います。

それでは実際にどのようなものか見ていきましょう。

 

アーティストSEARCH

Soundchartsの特徴 :
Soundchartsにおいて、基本的にはSEARCHの画面で、アーティスト名で検索して各アーティストページを見ます。その中にいくつかのタブが存在します。主な使用タブについては以下の通り。

 

・OVERVIEW

SNSの数字やSpotifyフォロワーの分布や比率を把握。どのプラットホームに一番ファンが多いのかがひと目で分かります。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
TikTokでオフィシャル音源が利用されているときはアーティスト全体でどれぐらい使われているか、また曲別での推移も。下記のBLOOM VASEの場合「Bruma to Lunch」が一ヶ月前より増加し、以前多かった「Pop Corn」と並ぶ数になっていることが見てとれます。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

・AUDIENCE

細かく各SNSやSpotifyのフォロワー数の推移が表示(過去1年でみると全体の把握がしやすいです)。この場合YouTubeでのファン増加量は非常に多く安定、Instagramは伸びが少し鈍化の傾向、Twitterは他に比べるとまだ余地があるのが見えますね。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 - いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
Spotifyもマンスリーリスナー数も一年にさかのぼって見ることができます。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 - いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
Instagramの男女構成比や年代構成も見れます。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
Instagramに関してはフォロワーの都市別分布も。ライバルのアーティストのファンは都心に偏っているのか、それとも地方都市にも広がっているのかをチェックするには最適ですね。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

・CHARTS

このタブではApple Music、Spotify、LINE MUSIC、TikTok(”楽曲を選ぶ”の箇所にある人気急上昇やホットなど各プレイリスト)、YouTube、Shazam(都市別含む)、iTunes、Deezerなど世界中のチャートイン状況を見れます。

下記はLINE MUSICのソングTOP100の場合の例。

この楽曲の場合、画面右の詳細にて2021年2月4日に初チャートインし、4月20日の最高位を経て現在も推移中なことが分かりますね。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
またTikTokではTikTokアプリ内の”楽曲を選ぶ”の箇所にある「人気急上昇」や「ホット」など、いわゆるTikTokアプリ上でいう”プレイリスト”の項目をモニターできます。下記はその中でTikTok上で最も注目される「人気急上昇」でのチャートイン状況。右の詳細を見ると、ランク外になったりもしつつ、5位に健在していることが分かります。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

・PLAYLISTS

Spotify、Apple Musicでどのプレイリストに入っているか、順番はどのあたりに入っているのかを見ることが出来ます。

こちらはSpotifyにて。下記のアーティストの場合、プレイリスト”Soul Music Japan”では8番目にポジショニング。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
こちらはApple Musicにて。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
上記のような公式プレイリストに加えて非公式プレイリスト(個人や団体、TuneCoreが運営するプレイリストなど)の状況も見れます。
TuneCore Japanが運営するtuneTracks Weeklyに収録されているのが見て取れますね。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

・AIRPLAY

いわゆるラジオでのオンエア状況(Tokyo FM、Zip FM、ABC放送、AirG、FM802、FM 愛知、FM 福岡、Kiss FM、LOVE FM、North Wave、TBSラジオ、J-WAVE、FM 横浜、Nack 5、BAY FM、Inter FM、文化放送、ニッポン放送、FM Cocolo、NHKラジオ第1、NHKラジオ第2、はつかいち、FMりべーる)など。
(※ただしラジオの性質上オンエア状況全て完全にモニターできているわけではないようです)


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

注意点

インディペンデントアーティストの初リリースや、まだ作品数が少ないと検索に出てこないことも多いので注意点をいくつか。

 
▷アーティスト名検索に関して

①日本語名で検索してヒットしない場合、英語名で検索することをオススメします。
例:「藤井風」は「Fujii Kaze」で検索ヒット。ただし「ヨルシカ」のように日本語名でもヒットするアーティストもあり。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
②検索結果が複数の場合、SpotifyのアーティストページURLを参照してSoundcharts上にアーティストページをインデックスしているので、Spotify folowerの数字が実際と合致しているページが正しいページとなる。

 
③チャートのセクションから、LINE、Spotify、Appleのチャートで表示されるアーティストをクリックしていろんなアーティストの詳細ページに行くのもオススメです。

 
④どうしてもアーティスト名がヒットしない場合は、Spotify URLの末尾で検索も可能。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
またSNSの紐付きはされていない場合もあり、あるいは、されていてもURLが間違っている時がありますので、その場合は”ADD NEW DATA SOURCE”から各SNSのURLが入力可。また、間違っているものは右下のチャットボタンからのメッセージが最速(英語のみ)。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
画面のように自分で入力することが可能。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
修正が反映された結果。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

Charts

チャートのセクションでは世界中のチャートを確認することが可能です。ライバルのアーティストの数字、というのと少し異なりますが、今のトレンドを瞬時に確認可能。Apple Music、Spotify、LINE MUSIC、TikTok(”楽曲を選ぶ”の箇所にある人気急上昇やホットなど各プレイリスト)、YouTube、Shazam(都市別含む)、iTunes、Deezerなど世界中のチャートを網羅。

こちらはLINEミュージックのTOP100(毎時更新ではなく日時更新となります)。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
TikTokはカラムで「人気急上昇」以外も選択可能。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

AIRPLAY

こちらはチャートの形をしたラジオのオンエア情報。世界各国のラジオチャートが見れます。日本はTokyo FM、Zip FM、ABC放送、AirG、FM802、FM 愛知、FM 福岡、Kiss FM、LOVE FM、North Wave、TBSラジオ、J-WAVE、FM 横浜、Nack 5、BAY FM、Inter FM、文化放送、ニッポン放送、FM Cocolo、NHKラジオ第1、NHKラジオ第2、はつかいち、FMりべーる)など。ただし前述の通りそもそも日本全国のラジオ局全てをモニターしているわけではないので、このランキングの価値はそれほど無いかもしれません。

 

Compare

インディペンデントアーティストの方にもオススメなのはこの機能。特定の3アーティストを入力してSNSのファンボリュームを比較することができます。

例えば下記の場合ですと、TikTok軸でファンを伸ばすアーティストもいれば、Spotifyで認知を伸ばすアーティストもいて、いずれもYouTubeチャンネル登録者とInstagramが肝になってきそうですね。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
Spotifyのマンスリーリスナー数の推移を比較して見ることもできます。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 

最後に

Soundchartsは、毎月の月額で129ドルとインディペンデントアーティストからしてみると金額が高いことも事実です。一方でTuneCore Japanでの収益が安定してきたアーティストにとっては、自分たちでレーベルを作ったり、コレクティブとして集まったりしながら、こういった「情報」に投資していくことは大切なことかもしれません。まずは知って、その上で選択する。ということが大切かと思います。

今回この記事をご覧のTuneCore Japanユーザーさま向けの特別なクーポンコードをSoundchartsにご用意いただきました(1ドルで最初の2ヶ月間フル機能を利用できる内容です)。

まずは下記のURLからトライアルを登録して試していただき、

https://soundcharts.com/ja?utm_source=tunecore&utm_medium=article&utm_campaign=2021

 
ダッシュボードの一番下のUpgradeをクリック


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
下記のような画面に。一番上のBilled Annualy(年間一括払い)ではなく


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
左側のBilled Monthly(月額支払)を選んだ上で、Unlimited Artists (129$) のUpgradeをクリック


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
住所など記載し Continue paymentをクリック


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
下記の画面で青文字で「Apply coupon」を必ず押してください(このまま「Proceed to Checkout」を押さないでください)。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
クーポンコードを入力する画面になるので「TUNECORE」と全て半角大文字で入力。すると129$が128$割り引かれて1$になります。この状態で「Proceed to Checkout」を進めてください。


音楽データ分析プラットフォームSoundchartsの使い方 – いろんなアーティストのデータから学ぶ

 
 
英語ですがクーポンコードの入力方法。
https://help.soundcharts.com/en/articles/4197581-how-to-apply-a-coupon-code

 
 
また同じく英語とはなりますががSoundhartsのブログはためになる記事も多いのでオススメです。英語が苦手な場合はDeepLなど使ってくださいね。

 
 
こちらはその中でも日本語訳にしている記事です。

世界の各ストリーミング配信サービスがどのように再生単価を定め、支払っているかの翻訳。 再生単価の数字は古いデータなので、そこは一切気にせず、ARPU(Average Revenue Per User)がどう希釈化していくかがとても分かりやすいです。ARPUという概念はインディペンデントアーティストの方にもぜひ把握していただきたいです。

 
以上、音楽データ分析プラットフォームの世界的にスタンダードなサービスSoundchartsの活用方法でした。

 
 
img via : Soundcharts
illustration by ancomo

この記事の執筆者
Ko Matsushima / 松島 功
音楽と美容が好きな人。 Spotify Japanを退職後、気ままに生きていたのですが2020年5月に株式会社arne設立。