$HOR1 WINBOY インタビュー 「Honey Bunny」でも話題 ダンス世界一のキャリアを持つSNS世代から絶大な支持を得るNewアーティスト

インタビュー
2021.1.30
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$HOR1 WINBOY インタビュー |「Honey Bunny」でも話題 ダンス世界一のキャリアを持つSNS世代から絶大な支持を得るNewアーティスト

$HOR1 WINBOY ―― 滋賀・彦根出身、2000年生まれの新進アーティスト。そのキャリアにおいて、すでに日本のダンスシーンでは知られた存在であり、世界大会でも数多く優勝の実績を持つ。2020年からソロでの音楽活動をスタートすると早々にリリース前にも関わらずTikTokで楽曲「Honey Bunny」が大ヒット。今年に入り満を持して改めて「Honey Bunny」を配信リリースすると、続けざまに先日1月26日に「アーティスト活動をスタートさせるまでの6ヶ月間の葛藤全てが詰まった」という1st EP『6 Months』を発表。今後の活躍に注目の集まる$HOR1 WINBOYに話を聞いた。

 
ダンスに打ち込んだ幼少〜学生時代

——$HOR1さんは早くも3歳でストリートダンスに出会ったとのことですが、そのきっかけをまず教えてください。

ダンスはもともと兄ちゃんがやっていたんです。それで時々自分もスタジオに連れて行かれて、小さいながらもそこで音楽に合わせてわちゃわちゃしてたらしくて(笑)。それを見てた母親が、「センスありそうだし、ちゃんと習わせてみよう」っていうことで自分もダンススクールに通い始めました。ハマったんでしょうね、そこから大きくなるまでずっとやってきた感じです。

——その後ダンスの世界大会で優勝するまでになられたということで、$HOR1さんの才能を見抜いたお母さんの目は間違いなかったですね。

どうなんですかね(笑)。才能かは分からないですけど、ひとつ言えるのはとにかくめちゃくちゃ努力しました。

——そういうダンスに打ち込んでいた時も音楽はやっていたんでしょうか?

いえ、もうずっとダンス一本でやってきました。

——ご出身は滋賀の彦根ということですが、地元にクルーのようなダンスや音楽の仲間はいましたか?

それが全然いなかったんです、びっくりするぐらい(苦笑)。音楽やダンスで周りの友達と遊ぶってことは全くなくて。遊ぼうって誘われても普通にサッカーとかゲームみたいな。それ以外は自分でダンスばっかりやってたんで、周りと合わないし自分から誘うこともなくなって。誰かとダンスの練習をするにしても兄ちゃんとでしたね。兄ちゃんが家に帰ってきた瞬間に「バトルやろう!」って、すぐお互いセッションが始まるみたいな。リビングのところに4、5畳のスペースがあるんですけど、そこで爆音鳴らしながら、毎日汗だくになってやってましたね。実際近所からクレームも来たし、そこの床とかもうボロボロになったり(笑)。

——ダンス世界一の裏にはそういうストイックな練習があったんですね。その後、2018年に上京されましたがその経緯というのは?

ダンスでそういった結果が出てたんで、声をかけていただいて上京しました。最初は断っていたんですけど、色々経緯があってという感じで。その頃はダンスで同世代から刺激を受けることがだんだんなくなってきてたし、ダンス以外の新しい分野にも挑戦してみようと思ったというのもあります。そういう中で、自分で歌いたいなっていう思いがだんだん強くなって。ダンスもずっと一人でやってきたんで、音楽をやるならグループよりも一人でやるほうが向いてるなと思って、今の感じになりました。もともと自分のペースで一人で行動するのが好きだし。

——ダンスは当然として、音楽自体も昔から好きだったんですよね?

はい、もう音楽はずっとめちゃめちゃ好きで。マイケル・ジャクソンやジェームス・ブラウンをはじめ、そういうファンクやディスコ、R&B、ジャズ系とか。自分はロックダンスだったので、自然とそういうのを耳にするんですよね。NE-YOやNelly、ビギーとかも。

——ダンサーではなく、音楽アーティストとして憧れる存在はいますか?

クリス・ブラウンみたいになりたいです。ダンスは一通りオールジャンル踊れるので、最終的にはそういう歌って踊れるアーティストというか。そういう方向の動きを今年はどんどんやっていくつもりです。

 
音楽アーティストとしても一躍その名を知らしめた「Honey Bunny」

——そして先般から「Honey Bunny」がヒットしていますが、あの曲はどうやって産まれたんでしょうか?

けっこうラフな感じで出来た曲なんです。ある日、彼女と歩きながら家に帰ってて、その後彼女に予定があって2〜3時間くらい時間が空いた時に、さっき一緒に歩いた感じがなんかすごくいいなと思って、その場ですぐ書いたのが基になってます。それこそ10分か15分くらいで出来て。で、自分でもめっちゃいいのできたなと思ったんで、ちょっとTikTokにアップしてみようってなったんですけど、ただ普通にアップするのは面白くないなと思って、自分で振りを付けてアップしたら、もう想像以上にバズったみたいな感じです。

——全然予想していなかった?

全く予想していなかったです。「え、めっちゃ反応ある!」みたいな(笑)。驚きました。リリースとかも全然考えてなかったし。そもそもサビしか作ってなかったし。

——リリースしていないにも関わらずBillboard JAPANの「TikTok週間楽曲ランキング」で14位まで上がっていましたよね。そこから少し時間が空いて今年の1月3日にシングルとして改めてリリースされましたが、サビだけあった状態からどのように曲として仕上げたんでしょうか?

ちゃんとした曲に仕上げるにあたっては、シュン君(SHuN-BOX)が協力してくれました。レコーディングもシュン君の家でやって。曲のアレンジ、例えばダブルやハモリとかのイメージは自分のアタマの中にあったんで、それをシュン君に伝えながら作り上げました。シュン君ってこっちが伝えたいことに対する理解も早いし、作業自体もその場でスピーディーにやってくれるんで、ソッコーで仕上がりました。とにかくシュン君はなんでも早くて、自分も待つのが嫌いなんで、彼は本当に最高です。

——以前SHuN-BOXさんにインタビューした際、$HOR1さんとの出会いもお聞きしました。

多分その時シュン君が全部話してると思うんですけど、やっぱり出会ったあの時の彼は本当にすごくて。あれはもう声をかけずにはいられないですよ、普通に。多分その場にいたら、誰でもいくと思います(笑)。

 
——そして「Honey Bunny」リリース後、LINE MUSICの上位ランクインしたり、今はSpotifyのバイラルチャートにも入っていますが、改めてそのヒットをどう感じていますか?

シンプルに嬉しいですね。あと、やっぱりびっくりしていますし、実感がまだないです。知ってくれている人も多いんだろうなとは思うんですけど、それはあくまでネット上だけっていうか。これがコロナがなくて、ライブもどんどんやって、来てくれる人が増えていく感じだったら実感できると思うんですけど。なので、今はまだSNSでバズってるだけでしかないという気持ちです。自分が有名だとも一切思ってないですし。今でも、例えば誰かに「「Honey Bunny」っていう曲知ってる?」って聞いて「知ってるよ」って言われて、「実はあれ俺の曲だよ」っていったらめちゃめちゃびっくりされることが多いので(笑)。それはそうだろうなって自分でも納得してるというか。曲が知られてるだけで、歌ってる本人までたどり着かないんですよね、あれだけ使われてたら。だから曲だけじゃなくてやっぱり自分自身を知られたいっていうのはあります。


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——きっかけはTikTokだと思いますが、TikTokで曲が流行ることに色んな意見がありますが、$HOR1さんはその辺についてどう思っていますか?

俺はTikTok大好きです。色んな分野の人を見れるし知れるし、トレンドも一番早いと思います。海外の音楽も結局今やTikTokで人気のダンサーが踊るからヒットしていたり。SpotifyのプレイリストもほとんどTikTokで聞いたことある曲ばかりですよね。だから、影響力も広まり方すごいなと思うし、マーケティングの色んな要素が詰まってるなと。一般人が有名になれるっていうところもいいですよね。

——さかのぼると、$HOR1さん自身も2019年の12月からTikTokをやられていますが、どういうタイミングで動画はアップしているんでしょうか?

やりはじめた当初は、遊び感覚のふざけた感じでやってたんです。で、そのうち周りからダンスがヤバいんだからガチで踊ったの上げたらバズるんじゃないって言われて。その時はアンダーグラウンドでやってきたダンサーっていう気持ちがどこかにあったから恥ずかしかったんですけど、やった方がいいってめっちゃ言われるから、一回流行ってる曲に音ハメしてあげたらそれがすごいバズって。で、それから毎日3投稿くらいは当分アップし続けていました。その後、数字が安定してきたっていうのと、その時はダンスしか方法がなくて正直かなりキツかったんで、だんだん投稿するペースを落として、今はもう気分で投稿するぐらいになっています。

——カップルダンスもありますよね。

そうですね。カップルだと、やっぱりいつもよりLikeが多かったりします(笑)。

@shori_w1nboy

ひなちゃんとtiktokいっぱい撮った!まだまだ溜めどりあるよ😂@hina_yshr ##父の日 ##表紙チャレンジ ##スポーツあるある ##本気出してみた ##おすすめ

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——「Honey Bunny」のMVには、なつぱくchannel(なつぴぴとPVCMVNのカップルチャンネル)のなつぴぴさんが出演されていますが、「Honey Bunny」のMVはどういうコンセプトで作られましたか?

あのコンセプトずばり「彼氏目線」です。日常のVlogのような雰囲気を意識して作りました。カップルの1日、一緒に過ごすリアルな時間を撮った感じですね。撮影自体もすごい楽しくて。

 
——PVCMVNさんもラッパーですが、普段から仲が良いんですか?

そうですね。ある日PVCMVNがSNSでフォローしてくれて、こっちもなつぱくchannelでPVCMVNを知ってたから、「あ、PVCMVNや」と思ってフォローを返して。で、本当に偶然なんですけど、そのフォローを返した次の日にたまたま湘南に遊びに行ったらPVCMVNが撮影してて。で、話しかけに行ったらPVCMVNも超びっくりするっていう(笑)。そこから直接知り合いになって、ご飯一緒に行ったりするうちにどんどん意気投合して。出会うべき人だったのかなって思うくらい、なんか運命的な流れで仲良くなりましたね。だから、今後曲も一緒にやると思います。

——$HOR1さんは普段はどういう風に曲作りをされていますか?

基本的には好きなビートを探して、それを聴きながらそのサウンドの雰囲気にあったリリックを組み立てていく感じですね。ビートが悲しい感じだったら最近自分にあった悲しいことを書くし、ハッピーな感じだったら嬉しいことを書くみたいな。リリックは最初に出た一言から言葉から繋げていく感じですね。基本全部リアルで。リアルじゃないと自分の場合は書けないですね。

——ちなみにダンスの正式な活動というのは今どういう状態なんですか?

今ちゃんとしたダンサーの活動っていうのは全然してないです。今後大会にも出ないと思いますね。ダンスのイベントやワークショップもやらないと決めています。音楽をやると決めたので、それを中途半端にはしたくないので、自分の中で区切りをつけています。

——また、動画のコメント欄などを見ると海外からの反応も良いようですね。

そうですね、なのでいずれは海外での活動も目指していきたくて。日本だけじゃなく、自分なりに音楽を発信していきたいです。

 
この6ヶ月間の葛藤全てが詰まったEP『6 Months』

——そして、新しいEP『6 Months』を1月26日リリースされましたね。改めてご紹介いただけますか?

『6 Months』は、「Honey Bunny」を含んだ5曲入りのEPになっています。「Honey Bunny」以外の4曲のうち、2曲はリリース前にもTikTokライブで披露してた曲で、あとの2曲はこのEPで初公開になった曲になります。サウンドとしてはギターのテイストもあったりしますし、EPのテーマとしてはタイトル通りこの充電期間だった6ヶ月間の自分を込めています。この6ヶ月間の自分の日記というか、そういうことが伝わる内容になっています。「Honey Bunny」みたいなハッピーな曲だけじゃなく、俺の色んな面、本当の部分が分かるというか。なので、リリックもちゃんと聴いてほしいです。特に、最後の5曲目「6ost now」には全て詰まっているので本当に注目してほしいです。


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パーソナリティ /メンタルケア / 今後の展望

——少し話は変わりますが、$HOR1さんの人間性の部分も少しお伺いしたくて、音楽、ダンス以外の趣味とかってありますか?

趣味は服を買うことですね。好きなブランドだと、Lafayetteが好きです。サポートもしていただいてて、とても有り難く思っています。他には古着も好きで、よく買うところだったらBannyやPIN NAP、Noahとか。よく考えたら趣味は服しかないかな(笑)。

——服に対するこだわりはどの辺ですか?

色使いですね。普通のファッションをしても面白くないと思う方なので、色の組み合わせは毎日けっこう考えます。

——他にプライベートなことですが、ご自身の性格は自分でどう思われますか?

うーん(笑)。几帳面な方ではないですね。その一方で、まとめ役っぽかったりするかも。基本的には静かですね。普段からあまりしゃべる方ではないし。けっこう警戒心が強いというか、気を許した人としか話さないというか。

——メンタルのケアはどうされていますか?昨今、やはりSNSで有名になることは、ヘイターとかディスとかキツイことも多々あると思うのですが。

気分が下がった時は友達と会いますね。それでちょっと話して、弱音を少し吐くみたいな。刺激ももらえるし。

——人の意見は聞くほう?

これまでは人の意見はあまり聞かなかったんですね。だからそれこそ今年の目標を「いったん受けれよう」っていうのに決めてて。まさに今「この曲はヒップホップじゃない」とか色んな批判が飛び交ってるじゃないですか。で、俺自身も色んな好き嫌いはあるんですけど、どんな曲にせよ、それぞれつくった人の思いや感情が込められて作られているはずだし、そう考えたら自分の曲もそうだから、そういうのも全部含めて、好き嫌いはまず置いといて受け入れようっていう。で、受け入れてみてやっぱり無理だったら「うん、無理!」っていうバイブスでいようかなって(笑)。

SNSの誹謗中傷で最近思うことは、それは結局日本だけじゃなくてどこの国でもあることなんですよね。どの国の有名人もそうなんで、自分程度がメンタルやられたところで、まぁ世界レベルの有名人でもみんな言われてるんだよなと思って。だから、良いと言ってくれる人を自分なりにちゃんと大切にして生きていければいいかなと思ってます。

——最後に、今後の展望を教えてください。

「Honey Bunny」がバズったって言っても、まだやっと改めて活動が始まったばっかりだと思ってて。音楽アーティストとしては、経験がゼロの状態といってもおかしくないくらいなので、だからこそ今後の成長を見ていてほしいし、期待してもらいたいです。その期待の予想を超えるアーティストになりたいんで、とにかく必死に頑張っていきます。

 

$HOR1 WINBOY
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