UEBOインタビュー アクティブに作品をリリース、“ネオ・サーフミュージック” を掲げるシンガーソングライター

2021.4.5


UEBO インタビュー | “ネオ・サーフミュージック”を掲げ、アクティブに作品をリリースするSSW【Who’s NXT】

UEBO(ウエボー)
千葉県出身のシンガーソングライター。作詞作曲に加えトラックメイク/アレンジも自ら手がける。

“ネオ・サーフミュージック“をテーマに掲げた、オーセンティックなサーフミュージックはもちろん、フォークやロック、レゲエからコンテンポラリーなR&B/ヒップホップまで、年代もジャンルも自由に往来する、独自のレイドバックしたミクスチャー感覚は唯一。ソフトなタッチだからこそ耳に残るメロディーとボーカルとともに生み出される楽曲群は、ときに日常の生活や景色に溶け込み、ときに日々の喧騒から静かな砂浜へと誘ってくれるよう。

2017年の夏にリリースした「Moonlight Wedding」は、Spotifyの「バイラルトップ 50(日本)」にてチャート第2位を獲得し、その後もストリーミング数は伸び続けロングヒット。翌年5月にはミニアルバム『UEBO』をリリース。2019年のシングル「Milk & Coffee」と「Photograph」では、そのオリジナリティをさらにアップデートし、2020年の2月には注目のラッパー・ASOBOiSMを迎えたシングル「No Drama (feat. ASOBOiSM)」が話題に。2020年11月からは「Veranda」を皮切りに12ヶ月連続でシングルをリリースしていく。

第3弾「Hometown」は、YOUTUBE再生回数15万回を突破。
2021年2月公開の「Lights」を使用した中国電力WEB CMが100万再生突破。


——UEBOさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

中学3年生のとき、友達に古いクラシックギターをもらったことがきっかけでした。

 
——そこから自分でも本格的に音楽活動を始めるようになった経緯というのは?

大学3年生のとき、短期留学先のアメリカ・ボストンでLee Ritenourのライブを見てですね。

 
——現在の活動拠点を教えてください。

東京です。

 
——最新作をご紹介いただけますか?

3月17日に全5曲弾き語りの『Acoustic EP』をリリースしました。中国電力のCM「人を思うエネルギー。」用に書き下ろした楽曲「Lights」や、春っぽい恋愛ソング「Fool」、さらに既発シングルをアコースティックアレンジしたものも収録していまして、聴き応えのある作品に仕上がりました。


UEBO「Acoustic EP」

『Acoustic EP』各配信ストア : https://linkco.re/M4pZ7uXY

 
——また、これまでのリリースで思い入れのある作品をあげるなら?

今年1月にリリースした「Hometown」です。この曲は、コロナ禍だからこそ再確認した地元への思いをテーマに制作しました。ストレートなテーマだからこそジャジーなサウンドに拘りたいと思い、キーボードはshowmoreの井上惇志さんに、コーラスはLUCKY TAPESのコーラスも務めるUKOさんにお願いしました。聴いていただける人が、自分の地元を思い浮かべながら聴いてもらえたら嬉しいです。

 
——普段はどんな環境やプロセスで楽曲を制作されていますか?

コロナがこういう状況になってからは、思い切って機材を揃えて完全に宅録レコーディングで完結できるようにしています。ビートメイカーや楽器のプレイヤーとは、データの投げ合いやZoomでのミーティングを通してコミュニケーションをとっています。

 
——ご自身で自分のサウンドの特徴を表現するなら?

今のシーンには中々いない低音ボーカルのチルミュージックというところでしょうか。

 
——具体的にUEBOさんはどんなアーティストに影響を受けましたか?

まずJohn Mayer。楽曲のテイスト、ポップさとマニアックさのバランスの取り方、ギタープレイヤーとしての素晴らしさ…… その全てに影響を受けています。特に、ギターでいかにグルーヴを出せるかというポイントでは大きな指標になっています。

次にハナレグミです。声の素晴らしさ、その声を活かしきるナチュラルだけど独特な歌唱、シンプルな歌詞にどれだけの意味を持たせられるか、と言ったところに影響を受けています。フィーチャリングで呼ばれた時の奔放なパフォーマンスもグッときます。

最後はTom Misch。ビートミュージックとギターミュージックの融合のうまさ、気怠げで気取らない低音ボーカル、端正だけど時にルーズな絶妙なギターのフレージングにグッとしっぱなしです。特に彼の場合、レコーディングのスタイルが基本的に自宅完結型なので、そういった点でも最近特に影響を受けています。

 
——楽曲でいうと、どういった曲に影響を受けましたか?

John Mayer – Neon
彼のギタリストとしての凄みが分かる一曲。一時期こればかり気が狂った様に練習していました。いまだにちゃんとは弾けません。

 
John Mayer – Who Says
John Mayerはけっこういろんなタイプの楽曲がありますが、特に僕が好きなのは孤独を歌う時の彼です。カントリーテイストと相まってすごく郷愁を誘います。

 
ハナレグミ – 家族の風景
永積さんの良さがこの1曲に集約していると思います。

 
ハナレグミ – オリビアを聴きながら
カバーアルバムで東京スカパラダイスオーケストラと演奏している1曲。絶妙な歌い崩し方で、バックのサウンドが陽気なスカだからこそ一層切なさが際立って泣き笑いの境地です。

 
Tom Misch – Nightgowns (feat. Loyle Carner)
ジャジーなリフとヒップホップのビートの融合というのが彼のスタイルですが、中でもこの曲は特に好きです。盟友Loyle Carnerのチルなラップも最高です。

 
Tom Misch – Lost In Paris (feat. GoldLink)
この1曲に出会って、Tom Mischに一聞き惚れしました。新世代の「Neon」的な曲だと思います。ライブのサウンドチェックでこれを弾いてみて、反応した人とはすぐ友達になれます(笑)。

 
92914 – Sunset
韓国の二人組のユニットです。メロディーは取っつきやすいけどサウンドは非常にオシャレで、そのバランス感覚にすごく影響されました。

 
Cuco – Best Friend
ボサノヴァとビートミュージックの融合が衝撃だった一曲です。絶妙にチープな感じもクセになります。

 
唾奇 × Sweet William – Made my day
代官山UNITでのライブではじめて聴いて衝撃を受けた曲です。それまでヒップホップに抱いていたマッチョなイメージと違う想像力をかき立てられるリリック、Sweet Williamさんのジャジーでチルなビート、全てがツボです。

 
Michael Carreon – The Simple Things
終始アコースティックギターのループだけで進んでいくのに全く飽きがこない曲です。僕のスタイルの一つの理想形です。

 
——UEBOさんは音楽活動をする上で、何か特に意識していることはありますか?

まず歌詞に関してですが、自分が心底思うこと以外は書かないようにしています。その上で聴いてくれる人の人生との接点を想像して制作しています。

またメロディーやサウンドに関しては、曲の強度という点で、究極、弾き語りで成立するというのが指針になっています。あとはあらゆる意味で無理しない、体に馴染まないことはしないということでしょうか。

 
——現在の音楽をとりまく現状に関して何か感じることはありますか?

いつの時代も玉石混交なのは変わらないし、自分にできることを精一杯届けるだけだと思っています。

 
——最後に、今後の活動予定や、展望などを教えてください

去年の11月から始めた12ヶ月連続リリースが今年の10月まで続くので、とにかく一発一発その時の自分に正直な音楽を作りたいです。そして12ヶ月リリースし終えたらアルバムにして、そのリリースワンマンができたらなと思っています。

 

UEBO
Official
Twitter
Instagram
YouTube

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア