E.R.Iインタビュー New EP『Slice』リリース シーン第一線のラッパーやプロデューサーも認めるR&Bシンガーソングライター

2021.7.10


E.R.I インタビュー

E.R.I

R&Bを軸に独自のスタイルをミックスし、飾らない女性の本音を綴った歌詞が特徴のシンガーソングライター、トップライナー。

BAD HOPのVingoやBCDMG所属のRy-lax、Jinmenusagi、名古屋のSOCKSら人気ラッパーとのコラボ曲も話題で、「Bluff feat.Vingo」のミュージックビデオはYouTubeで94万回再生を突破。2021年3月に発売されたDJ RYOW 12作目となるアルバムでは、AIや¥ELLOW BUCKSら20組の豪華アーティストと共に参加。

そして、2021年7月にNEW EP『Slice』をリリース予定。プロデューサーには長年制作を共にしているLA在住のTC、DJ RYOW率いるSPACE DUST CLUB、客演には、Yo-Sea、神戸の2MCユニット NO NAME’SからREViが参加。シングルリリースされている「ブルー」と「Put It On (Remix)」を含め、自身の心情、日常の中に散りばめられたストーリーの一切れ(Slice)を集めた全5曲入りの作品となっている。


——まず最初にE.R.Iさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

今思うこれかなっていうきっかけは、小さい時に母親が借りてきた『天使にラブソングを』っていう映画を観て、聖歌隊の話なんですけど、その歌のシーンで感動したのを覚えてます。その続編、『天使にラブ・ソングを2』に若い時のローリンヒルが出てるんですけど、”なんなんだこの人は”って子供ながらに衝撃を受けて何度も観ていました。未だに観る度に新鮮な感動があります。

 
——ご自身でも音楽活動をするようになったのはどういう経緯だったんでしょうか?

高校生の時、友達に誘われてクラブで歌ったのがきっかけでした。デイイベントだったんですけど、そのクラブの店長さんが「夜も出てみないか」って声をかけてくれて。その時は2人組で歌ってたんですけど、数年で解散して、曲作りにつながることが学びたくて大学に行きました。在学中は音楽活動はしていなくて、卒業するタイミングくらいで、プロデューサーのTCさんと曲を作ろうという話から今のスタイルが始まった感じです。


E.R.I インタビュー

 
——現在の活動の拠点はどちらになりますか?

東京を拠点に活動しています。

 
——7月9日にリリースされるNew EP『Slice』について、どういう作品に仕上がっているか改めてご紹介いただけますか?

「Slice」は、”一切れ”とか”切り取ったもの”っていう意味なんですけど、去年あたりから感じたことや友達との会話の中のことだったり、私の中の日常から切り取ったストーリーを集めた作品になっています。

1曲目の「Put It On (Remix) [prod.by TC]」は、服を脱いでいくっていうトピックは定番だけど、ワンナイト終えた後、服を着ている時の感情にフォーカスしたら面白いんじゃないかなって思って作った曲です。Remixにするにあたって、2番バースを新しく書き換えたんですけど、”自分feat.自分”みたいな感覚で、客演でこの曲もらったら私はどう乗せるかなって想像しながら作りました。

 
次の「NO CHEMISTRY feat.REVi(NO NAME’S) [prod. by Space Dust Club]」は、良い化学反応が起きない2人をテーマにしていて、お互い惹かれ合っていても一緒にいると上手くいかない関係性をパレット上で混ざる色に例えました。Space Dust Clubのビートに、REVi君(NO NAME’S)のキャッチーで口ずさみたくなるフローと、甘いようで冷静な男性像が凄くマッチした一曲になったと思います。

 
続く「Low Key feat. Yo-Sea [prod. by TC]」のテーマは2人だけの世界です。2人だけが分かっていればそれでいいっていう美学と、ちょっとした諦めも含んでます。Yo-Sea君の癒される歌声とメロディに乗せたグレーなリリックが、更にこの曲の雰囲気を引き出してくれました。

4曲目の「WIND [prod. by TC]」は、ただ強い気持ちだけじゃなくて、その中にあった弱さとか葛藤も描きました。色々思い出しながら書き出した現時点での自分です。解放感を表現したくて、サビで思いっきり歌える曲にしたいとプロデューサーのTCさんに相談したところ、イメージ越えのビートに仕上げてくれました。

そして最後の「ブルー [prod. by TC]」は、憂鬱(ブルー)な気持ちを”ブルー”っていうキャラクターに例えて、そんな君とはもうお別れするよっていう曲です。今までの私の楽曲ではあまり無かった、爽やかな電子音サウンドで、後半になるにつれて憂鬱のブルーから青空に変わるような、どんどん晴れてく気持ちが伝わったらいいなと思います。


E.R.I Slice

EP『Slice』各配信ストア : https://linkco.re/47XZr8nM

 
——E.R.Iさんは、ふだん楽曲の制作はどのようにされていますか?

はじめに、思い付いたメロディとかフローをMacBookで簡易録音していって、ある程度コーラスやリリックまで固めたら、デスクトップMacのLogicで、マイク使ってプリプロを作っています。

最近は、YouTubeからタイプビートを拾って歌をのせて、そこからプロデューサーさんにインスピレーションでビートを作ってもらう流れが多かったです。

よくお世話になっているプロデューサーのTCさんが、色んな作り方を試させてくれました。いつも勉強させてもらって感謝しています。

 
——E.R.Iさんはご自身のどんなところが音楽的特徴だと捉えていますか?

R&B、HIP HOPベースに、海外国内ジャンル問わず良いなと思った音楽を聴くので、そこが自分のメロディとかリリックにも反映されているような気がします。どこにも振り切れてないけど、それがある意味私の個性というか、スタイルなのかなって最近は思ってます。


E.R.I インタビュー

 
——音楽活動にあたって何か特に意識していることはありますか?

今のスタイルで始めた時、自分の良いと思うものを楽しんで作ろうというスタンスで始めて、それがずっと続いてる感じです。自分の音楽は本気の趣味みたいな感覚です。たまに自分の機嫌取りつつ、楽しい最高って思って生まれたものをリリースしてます。


E.R.I インタビュー

 
——リスペクトしているアーティストはいますか?

1人あげるなら、宇多田ヒカルさんが好きです。この時代に生まれて宇多田さんの音楽を聴く事ができて、幸せだなと思ってます。

 
——最後に今後の活動の展望や予定を教えてください。

7月9日にリリースされたNew EP『Slice』、是非聴いてみてほしいです。あと、プロデューサーのMONBEE君がリミックスしてくれた「Jenga(MONBEE Remix)」も夏にピッタリなので、そちらも是非聴いていただけたらと思います。

MONBEE君もそうですし、今回EPで参加してくれたYo-Sea君、REVi君、プロデュースをお願いしたSpace Dust Clubの皆さん、アルバムに参加させてくれたDJ RYOW君など、色んな方と作品作る機会をいただけてとても刺激になったので、これからもっと色んな音楽できたらいいなと思っています。

今制作している曲もあるので、今後の活動も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

 

E.R.I
Twitter
Instagram
YouTube
TuneCore Japan

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア