Lisa lil vinci インタビュー 「曲に対して感情をどれだけ素直に表現できるか」長野・松本をメインに活動、突き詰めた独自の世界観を確立するラッパー
長野・松本をメインに活動、そのリアルなリリックと定評のあるライブパフォーマンスで注目を集めており、さらに先日リリースされたEP『Number XIII』でより突き詰めた独自の世界観を確立、今後の活躍が期待される Lisa lil vinci (リザ リル ヴィンチ)。
About : Lisa lil vinci
Lisa lil vinci (リザ リル ヴィンチ) 1999年生まれ、長野県出身のラッパー。
Andmin、G-HOPEとともにDore Mirage(ドレ ミラージュ)でも活動。
ストリーミングで「Earring」(2018年2月)、「YOU ONLY LIVE ONCE」(2019年3月)、「Yvngger」(2019年6月)等を発表するするかたわら、SoundCloudでもアグレッシブに音源をアップ。今年7月末に待望のEP『Number XIII』をリリース。同作には、Prod.にMONBEE(BCDMG)、Kaytoronto、EIT0を迎え、Feat.にGokou Kuyt、Nafy Dottが参加。オルタナからギターポップまで内包するビートにLisa lil vinciならではの心地よいフロウがのるサウンドが注目を集めている。
——音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。
母さんがRed Hot Chili Peppersが好きで物心ついた頃から同じアルバムをずっと聴いてたり、父さんがバンドをやってたので家に楽器があったりで、幼いころから音楽に多少の興味はありました。それで小学生の頃「何もない0から音楽作るのってすげぇな」って思って、鼻歌でメロディを作る遊びとかはしてましたね(笑)。
——ラップはどういった経緯ではじめられたんですか?
ちょうど小学校卒業前くらいにヒップホップに興味を持って、入学した中学で今ラッパーとして活動してるG-HOPEと出逢ったんです。
それから彼に色んな曲教えてもらって、具体的にはいつからか覚えてないんですけど、気付いたら8小節分くらいのリリックを書いてメールで送る、みたいなことしてました(笑)。
——長野のご出身ということですが、今も長野で活動されているんですよね?
そうですね、同じ長野県でも地元とは少し離れてるんですけど長野の松本市を拠点に活動しています。
他の地域のシーンがどうなのかあまりわからないんですけど、この松本のシーンはほんとに一つのチームというか、Squadな感じで動いているし、常に勢いがあって楽しいです。超いい感じっす!
——先日リリースされたEP『Number XIII』の楽曲は我々もプレイリストに入れさせていただきましたが、どういった作品になっていますか?
はい、7月末に7曲収録したEP『Number XIII』をリリースしました。
今作はレコーディングからミックスまで自分でやったので、自分好みに色を加えることが出来ました。
『Number XIII』 各配信ストア : https://linkco.re/Z0ReA22V
制作までの経緯なんですけど、去年の秋くらいにプロデューサーのMONBEEさんから「なんか1曲作ろう」って連絡が来てて、でもその時はうまくタイミングが合わなくて、そのまま時間が経っちゃって。
それから今年の4月に、今度は同じ長野県内で活動しているプロデューサーのEIT0さんから連絡が来て「とりあえず一回MONBEEさんと三人で飯行こうよ」ってなってから本格的に制作が始まりました。
EIT0さんからも「曲作ろう」って言ってもらってて、そのタイミングでもう一人、プロデューサーのKaytorontoさんからも大量のトラックサンプルを送ってもらって「こんなに曲作れるかや?」とか思っていろいろ話してたら、じゃあ4人で1作品作れるじゃん。って。こんな感じです(笑)
フィーチャリングには渋谷のイベントで出会ったGokou Kuyt君と、地域は少し違うけど同じ県内でよくイベントで一緒に遊んでるNafy Dottさんを迎えました。
具体的なテーマとしては、自分は恋愛をトピックに作る曲が多いんですけど、今作は特にそれが顕著になったと思います。
EPとして制作しましたが、自分の身に起きている事や感じてることを曲に落とし込んで作ってたので、実際に完成してみると「コンセプトアルバムみたいだなぁ」って思いましたね。例えば、EPのジャケ写はタロットカード13番“Death”の逆位置で「過去の事はもう引きずらずに立ち直るぞ」っていうメッセージを込めてたり。なので、今作のトラックリストは曲の時系列順に並べてそれを逆から並べ替えていたり、そうやって曲順だけをとってもこの作品ならではの意味合いを込めています。
曲でいうと、Track 1の「One room」は今の幸せと昔の思い出の間にいる自分の感情だったり、Track 6の「Yvngger」は歳が一桁のころからほぼ毎日一緒に過ごしてきた友達が自殺しちゃって、そのことをようやく少し歌えるようになって作った歌だったりします。
あと、ちょうど8月15日にEPから「I hate that I loved U」のミュージックビデオを公開しました。撮影は他の地元のアーティストもお世話になってる akino art studioのkenjiさんにお願いしました。ちなみにアー写の撮影もこの方にお願いしてます。
Lisa lil vinci – I hate that I loved U
この曲はVerceやHookといった構成を意識せず作ったので短いんですけど、製作した当時は結構自分の中で色々悩んでた時でほんとに「呪われてるな俺」って思ってました。
EPすべてを通して、これを聴いた誰かの”何かわからない傷み”に少しでも寄り添えればいいなぁと願ってます。自分もそうだったけど誰にでも人には言えないSADな部分があると思うんで。
——そういった背景を聞いてから、『Number XIII』を改めて聴くとまた深い味わいがありますね。LisaさんはSoundCloudにも積極的に楽曲をアップしていますが、自分的にオススメの曲を挙げるなら?
「You Only Live Once」って曲はもうそのままで、単純なメッセージを受け取ってほしいのでぜひ聴いてみてほしいですね。
「やめちゃえば?いやなこと/逆に頑張れば?いやなことも」、そーゆー感じです。
マジで人生は1度だし何でもしたいようにすんのが一番です!
「You Only Live Once」 各配信ストア : https://linkco.re/BAs8zyT5
——Lisaさんが影響を受けたアーティストはいますか?
KOHHですね。リリックやトピックの自由さやセンス、自分の中で音楽の可能性を広げてくれた張本人です。
中学生のころ学校の友達みんなに聴かせて、誰が一番KOHHのマネできるかってやってました(笑)。
——活動にあたって大切にしていることはありますか?
ヒップホップって如何にFlexできるか、みたいなイメージが始めたころにはあったんですけど今は曲に対して感情をどれだけ素直に表現できるか、って感じです。
あとは正解を求めないことですね。
——今後の活動の展望は?
そうですね、色々やりたいことがあるんですけど、とりあえず決めてるのが近いうちに海外で数か月生活します。その期間で何を感じてどうするのかは、その後考えます(笑)。
Lisa lil vinci
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