YUTORI-SEDAI インタビュー 「とにかく歌を大切に」 共感を呼ぶ歌詞とメロディーでZ世代から高い支持を得る話題の3ピースロックバンド

インタビュー
2023.3.28

TikTokで話題の曲「すき。」

——最近大きくバズってヒットしている「すき。」にもその辺の意識が反映されていますよね。「すき。」はどういう流れで作られたんですか?

金原 : 今までバラードっぽい静かな曲をけっこう出してきたんですけど、またちょっと違った感じの曲も作りたいっていうのがずっと頭の中にあって。今までの曲とは違った雰囲気のポップでキャッチーかつ、YUTORI-SEDAIが常に意識している歌詞に共感してもらうことを重視して作りましたね。じゃあ恋愛、もっと言うと片想いは誰でもしたことあるよねっいう風に、みんなが自分に当てはまって共感してもらえるようにかなり考えました。

——サウンドも鍵盤が印象的ですし、かなりポップですよね。

金原 : ポップさはめちゃめちゃ意識しました。歌詞の雰囲気にあわせてピアノは最初から絶対いれた方がいいと思ってましたし。

——さくさんと上原さんは「すき。」のデモを最初に金原さんから聴かされた時はどういう印象でしたか?

上原 : とにかくキャッチーだなって印象が強かったです。デモを聴いた瞬間にすぐベースラインが思い浮かんだというか、耳に残るし、個人的に好きな曲調だなって。

さく : 率直に良い曲だなって思いました。

——Z世代を中心に多くのリアクションを得ていることに対してどう感じていますか?

金原 : まずは普通にめちゃめちゃ嬉しいです(笑)。自分は感覚的な部分が多いので、ここまで結果が出ると思っていませんでしたが、一つ成功体験が作れたのは大きな意味があると感じています。一方で、Z世代の興味関心はサイクルが早い部分もあるのかなと思うので、曲が伸びている今だからこそ、いつ離れてしまってもおかしくないっていう緊張感を持ってこれからも楽曲を作りたいと思っています。

上原 : 今回のリリースを経て、改めてTikTokのすごさを感じました。TikTokを入り口として、サブスクやYouTube、それぞれのSNSにリスナーが流れていくのも肌で感じました。

YUTORI-SEDAI「すき。」

YUTORI-SEDAI「すき。」
 

 
 
Z世代からの高い支持

——そのようにYUTORI-SEDAIがZ世代から支持されるのはどうしてだと自分たちでは思いますか?

金原 : 特に恋愛にフォーカスした曲が多いという点は一つなのかなと感じていますが、その中で僕自身が女性脳なので、歌詞についても共感を得やすいのかな?と思う部分もあります。そのうえで、メロディーにはこだわって楽曲を作っているので、それも理由になっていたら嬉しいなと思っています(笑)。極論、リスナーがどんな好みを持っていたとしても、良いメロディーがあれば誰の好みにもなり得る可能性があると考えています。

さく : あと個人的には金ちゃんの歌声も影響しているんじゃないかな。歌詞とメロディーがよりZ世代に届きやすい歌声、性質になっている気もします。

——たしかに今回の「すき。」に限らず、例えば「もう一度好きになって」なども共感する声が多いですよね。

金原 : やはり僕が女性脳な部分があったり、女性に限らず人の気持ちをなんとかして理解したいと思ったり、そのために色んな価値観を受け入れて生きてきた部分もあるので、「こういう時ってこうだよね」っていう発想が出てきやすいところも、ひょっとしたら影響しているのかもしれません。
 

——それは実体験にもとづいている?

金原 : 曲によりけりですが、実体験を基にすることは多いです。自分の経験やまわりから聞いた話の中で、自分の気持ちが動いた事を曲にしています。「すき。」に関しては、今は特に恋愛してるわけではないので(笑)、過去の自分の経験を重ねながら、片想いしている人の気持ちを想像して書きました。
 

次のページ: 「寄り添えるような恋愛の曲を」
この記事の執筆者
THE MAGAZINE
国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア