TOTALFAT インタビュー「俺らは自分たちが思ってたよりも強いバンドだった」 “独立&DIY”を選択した3人の新たな決意と覚悟
「昔からTOTALFAT聴いてたし」って自慢させたい
——BuntaさんがEPリリースにあたって寄せたコメント(http://totalfat.net/contents/664455)曰く「強くてニューゲーム」なスタートを切ったTOTALFATとして、今はどのような目標を見据えていますか?
Shun:やっぱり、25周年でデカいイベントをやりたいです。
Jose:20周年にコロナ禍でできなかったことを。
Bunt:Zepp以上ってさっきは言ったけど、まずはLIQUIDROOMでワンマンかな。そこまでいけば、また景色が変わると思う。
Jose:バンド始めて、それこそ超DIYでやってた時の一番大きなワンマンが2009年のリキッド(『“FOR WHOM THE ROCK ROLLS” TOUR』のファイナル)だったからね。
——まさにもう一度、ゼロからスタートするイメージですね。そういった、結成25周年を目前にしながらもフレッシュに駆け抜ける姿が、若いパンクバンドにもパワーを与えていると思います。
Shun:若い世代のポップパンクシーンには、めちゃくちゃ良いバンドが多いんですよね。See You Smileとか、Good Griefとか。そういうバンドがもっと評価されるためのメソッドやコネクションを広めていきたいし、リスナーにも、応援したいバンドのライブに足を運んだり、マーチを買うようなアクションを啓蒙したい。TOTALFATはパンクシーンの中でもリベロ的な立ち位置にいられるバンドだと思うから、上手く振る舞って縦軸も横軸も活性化させてシーン全体を大きくしたいですね。TOTALFAT親方として(笑)。若いバンドやリスナーに、俺たちが切り拓いてきたものをヤバいライブを通して示したいし。
Bunta:20年以上もやってると、バンドマンから「TOTALFATを聴いて音楽を始めた」って話を聞くこともあって。俺も歳取ったなと思うけど(笑)、やっぱり嬉しいですよね。TOTALFATは、The OffspiingとかBlink-182とかGreen Dayとか、パンクを広げる側の存在に憧れて来たから。ちょっとダサいと思われても、大きなバンドになりたい。なおかつ、ドープなところも知ってるような存在でありたい。それに、台湾ではFire EX. (滅火器)、インドネシアではPEE WEE GASKINSとか、俺らと同じ世代で同じ音楽を志してるバンドが世界中にいるから、そいつらと繋がれたらもっと面白い未来があるんじゃないかな。
——そのビジョンが25周年のイベントにも結び付いてくるかもしれませんね。それでは最後に、EPを聴くリスナーや、ツアーに来るファンの皆さんにメッセージをお願いします。
Shun:TOTALFATを一瞬でも聴いてくれた人は、4人目のメンバーと言えるくらいのパワーを持ってるので、思ったことをなんでも聞かせてください。独立2年目になって、みんなを楽しませたり驚かせたりする準備がやっと整ったので、ここから一緒に楽しんでいきましょう。
Jose:ようやくフェスにはお客さんが戻ってきたという嬉しいニュースもある中で、ライブハウスにはまだ人が戻りきってないと思ってて。卒業してしまった人たちを引き戻すのはもちろん、若い子たちが「ライブハウスに行くのはイケてる」って思うようなシーンを作っていきたい。そのためにすごく良い3曲が出来たので、EPを聴いてライブハウスに足を運んでくれる人が増えたらいいなと思ってます。
Bunta:カルチャーはループするものだから、ロックやバンドの時代が絶対にまた来るはずなんですよね。だから、その時まで絶対にTOTALFATをブレずに続けたい。1人じゃ何もできないやつらが徒党を組んで作り上げるアートの価値が、評価される時まで持ち堪えたい。そしてその時が来たら、「俺は昔からTOTALFAT聴いてたし」ってみんなに言わせたいです。