AZUインタビュー 孤独と不安を乗り越えた先に ―― アルバム『Aurora』で描く愛、仲間、自分のスタイル

インタビュー
2025.6.6

新しい音楽を生み出していきたい

——そういったリリックに込めた思いの強さが聴く人の胸を打つんだなと、改めて感じます。次にビートについてお伺いさせてください。AZUさんはどうやってビートを選んでいますか?

タイプビートから自分のイメージに近いものを選ぶこともありますし、色々ですね。「No Follow (feat. DADA)」とかは、Tylaがめっちゃ流行ってきてて自分たちもいいよねってなってる時で、DADAとビート探して多分30分くらいでできました(笑)。

 
あと、少しですけどピアノが弾けるので、コードとメロディーだけ弾いてビートメイカーに渡して、こうしてほしいってリクエストして作ってもらう時もあります。

——なるほど、AZUさんの中でリリックと同時にサウンドのイメージも具体的にあるから、聴いた人は曲の情景が浮かびやすいのかもしれないですね。サウンドプロダクションのこだわりはあったりしますか?

低音は効かせたいですね。その方がクラブでも映えるし、基本的にめっちゃ低音が出てる曲が好きなんで。808も前に出すミックスにしてもらったり、その分声をローカットしてもらってみたいな。

アルバムを作ってた時から少し時間も経って、最近は自分でトラックも作ったりして、また自分なりに新しい音楽にチャレンジしたいなと思っています。

——ボーカルの処理に関してはいかがですか?

そこのこだわりは特にないんですけど、オートチューンのかかり方だけはすごく意識しています。去年アルバムを作り始めてから、改めてオートチューンの奥深さに気付いて。使い方を自分なりに色々研究して、曲ごとに細かく設定を変えています。とはいえ、あくまで自分の個性や声を最大限に活かすための、補助するための一つのプラグインくらいの感覚で使っています。

——ビート、サウンドに関しては、もっと幅を広げていきたいという気持ちはありますか?アルバムではロックなビートもありました。

たしかに「Thousand miles」とかはロックなテイストですよね。こういう曲を作りたいって竜之介君(山岸竜之介)に伝えて作ってもらいました。その時はめっちゃロックを聴いてる時期で、ロックっぽいのが作りたくなったのかな。まぁそうやって時期にも寄りますけど、かっこいいと思ったものは何でもやりたくなりますね。

そもそもジャンルに関してこだわりはないんですけど、自分のジャンル、サウンドだけは確立させたいなとは思ってて。もちろん世の中には色んな音楽が溢れてるんでどこかにはあてはまるとは思うんですけど、とにかく自分の中では新しい音楽を生み出していきたいなと。

——どういったサウンドでも分かるAZUさんらしさ?

そうですね、そういった部分を最近はすごく意識して制作しています。

 

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