IRIS MONDOインタビュー 熱狂のアジアツアーも完遂、中国版インスタ“RED”など多彩なアプローチで国境を超えファンベース広げるオルタナ ✕ ポエトリー
ポエトリーリーディングで伝える思いの丈
――改めて、『IM』はIRIS MONDOの多面性や深化が感じられる一作になっていると感じました。ところで、歌唱とポエトリーリーディングの割合はどうやって決めているんですか?
KSW:最初から割合を決めて作るってことはないですね。歌詞を書いているときに、「ここは余さずに思いの丈を書きたいぞ」「ここはちゃんと盛り上げたいぞ」と思ったところをポエトリーリーディングにするっていう感じ。そこは気持ちで決まってくるところだと思います。曲ごとに伝えたいことは違うので、たとえば「ドランクマジシャンボーイ」はパーティーソングだからあんまり入ってないけど、「比と並」みたいな曲だと気持ちが溢れてすごいことになりますね。
――となると、歌よりも濃い内容をポエトリーで綴るようなイメージ?
KSW:ですね。受け取り手がどう感じてもどうぞって基本的には思ってるんですけど、誤って伝えたくないところや、なぜそのサビに至るのかを説明したいときにはポエトリーにすることが多いです。
――ポエトリーリーディングは、ラップとは違う意識なんですか?
KSW:「KICK ASS」はラップっぽくしたりしてますね。リズムに乗ってカッコよく見せたい時は韻も踏みますし。ただ、伝えたい言葉や思いがハッキリとある時は、韻を踏まずにそのままで。
さったん:デモを作る段階で「このパートはポエトリーが良い」みたいな希望を出したりもしますけど、それで実際に入れてみてハマらなかったら変えることも全然ありますね。
――デモ音源はどんな流れで制作していますか?
さったん:いわゆるバンドサウンドのドラム・ギター・ベースによる簡易的なオケに仮メロと歌詞を付けてアレンジャーさんに投げるっていうのが一番スタンダードな流れですね。「LIFE」「Day.1」のようにくるみちゃんのメロから作るパターンもあります。
――使っているDAWソフトは?
KSW:二人ともLogicです。
――ちなみにお気に入りのプラグインなどはありますか?
さったん:プラグインではないけどSpliceはめちゃくちゃ使ってますね。デモとはいえ、ある程度の完成度のものにはしたいので。
アジアツアーは「帰りたくねえ!」って感じだった(笑)
――6月にはシンガポール、バンコク、天津、北京、広州、上海、そして東京を巡るアジアツアー『MAY YOUR NEW DAY IS A BETTER DAY』を開催していましたが、いかがでしたか?
KSW:初の海外でどうなるかと思ってましたけれど、めっちゃ楽しかったです。
さったん:良すぎました。
KSW:中国ではREDというSNSで楽曲の再生数が伸びていたのである程度集客はあるだろうと分かっていたんですけど、シンガポールやタイは動員が読めなくて。
さったん:なので、Instagramでタイ語の字幕を付けた広告を展開してみたり、自分たちでできる限りのことをやりました。蓋を開けてみたら、かなり集まってくれて盛り上がったよね。
KSW:海外のお客さんは、熱狂的な方がすごく多くて。私たちが出てきただけで「キャー!」ってなるんですよ。スーパースターになったかと勘違いしちゃうところでした(笑)。本当に愛があって、お手紙を書いてくれたり、グッズをくれたり。
さったん:ずっと「夢みたい」って話してましたね。日本に帰ってからも数日間は「現実だったのかな?」ってふわふわしてるくらい。
KSW:IRIS MONDOの歌詞が好きだって言ってくださる方も多くて。色んな言語に翻訳された私の言葉がこんなにも多くの人に届いているっていうことに、すごく感動しましたね。
さったん:地域ごとのお客さんの盛り上がり方の違いも感じたよね。
KSW:そうだね。北京とか天津はライブハウスやロック文化が根付いていて、日本のライブハウスと同じように手を上げたり手拍子をしたりジャンプしたりっていうノリがわかってる方も多かったんですけど、広州のお客さんは私たちのことをアイドルのように見てくれていて。
さったん:歓声がすごいし、ちょっと前に乗り出しただけで「ウワーッ!」みたいな。お互いの方を、悲鳴に反応して振り返ってたよね(笑)。
KSW:あまりにも大きな声だから、さったんがポロリでもしたかと思ったくらい(笑)。
――そのくらいストレートに感情表現してくれるオーディエンスが多かったんですね(笑)。他に何か印象的な出来事はありましたか?
KSW:私は一回もお腹を壊さなかったです(笑)。
さったん:お腹壊さないで帰れたら伝説だなと思ってたんですけど、私が一回やられちゃって悲しかったです。敗れた(笑)。あとは、現地で横断幕や旗を用意してくれてる人がいたり、ファン同士でグッズの交換をしてたり。
KSW:IRIS MONDOのオリジナルグッズを作ってくれてるんですよ。だから、私たちが用意してきたグッズが売れない(笑)。
さったん:出発前は日本に帰りたくなるかなと思ってたんですけど、終盤は二人とも「帰りたくねえ!」って感じでした(笑)。
比と並のサビをフルで大合唱する海外すごすぎる pic.twitter.com/JLfNtB0ACL
— IRIS MONDO(アイリスモンド) (@IRIS_MONDO) June 23, 2025