音楽配信リリースの際に気を付けたいこと―(登録の時に便利なチェックシート付き)

2021.4.23

はじめて自分の楽曲を音楽ストリーミングサービス、いわゆるサブスクに配信リリースする時、事前に色々と調べると思います。

ネットで検索すると、個人の配信ではTuneCore Japanのようなサービスを使えば配信できるということ、そしてそれをどのように使えばよいか、色々な情報が見つかるでしょう。

一度配信してみると「こんなに簡単にリリースできるんだ!」と実感されるかもしれませんが、はじめて配信リリースする時は分からないことも多いかと思います。

中でも気になるのが配信登録の際の「審査」というプロセス(同じプロセスでも、異なる言葉を使っているサービスもありますが)。

そこにおいて「自分の楽曲が通るのだろうか」、「落ちたら恥ずかしい」といったことを想像するかもしれません。

ここでは、その部分について説明したいと思います。

※本記事は音楽ストリーミングサービスのスタイルガイドの基本部分に基づき書かれていますが、全てのディストリビューションサービスにおいては当てはまらない部分もありますので、予めご了承ください。

 

データが適切に入力されているか

個人でも使えるTuneCore Japanのようなサービスの「審査」(あるいはそれに該当するプロセス)では、楽曲のクオリティを判断するのではなく、データが適切に入力されているかの確認を行っています。「この曲は良い!」とか、「この曲はもう少し…」といった審査ではないので、そこはご安心ください。

現在、Apple MusicやSpotifyなど多くのサブスクサービスがありますが、それらでは楽曲の「データ」が取り扱われています(例えば、曲名やアーティスト名などの「情報」)。サブスクではそれらデータがそれぞれのルールに従ってきれいに整理されることで使いやすいサービスとして提供されています。

もし好き勝手に入力した情報がサブスクにそのまま登録されたら、サブスクの中は収集がつかないカオスな状態になってしまうであろうことは容易に想像されます。

そうならないために、利用者が入力した情報が各サブスクの決まり(「スタイルガイド」と言われたりします)にあっているかを確認するプロセスが求められるのです。

以下に、個人で配信登録する際に気を付けたい基本事項を記載します。(以前、同じ趣旨の記事をFNMNLにも寄稿したのでそちらもあわせてご確認ください)

ここではチェックボックス / でチェックできるようにしていますので、配信登録する時にこのページも一緒に開いて順番にチェックしながら登録を進めると、よりスムーズな楽曲登録ができると思います。ぜひ活用してみてください。


音楽配信リリースの際に気を付けたいこと―(登録の時に便利なチェックシート付き)

配信登録時に気をつけたいこと(チェックシート)

アーティスト名

正式なアーティスト名を正しく入力しているか

【登録時に注意したい点】
※スペルミス、打ち間違い、入力ブレ(半角、全角、スペースの有無) などがないか。

 


 

アーティスト名の国内向け表記、カナ表記、海外向け表記が、一致しているか(整合性がとれているか)

【登録時に注意したい点】
※例) 国内向けのアーティスト表記が「Taro」なのに、海外向けのアーティスト表記が「Daniel」になっていたりしないように。

 


 

アーティスト名の海外向け表記で、姓名が逆になっていないか

【登録時に注意したい点】
※バンド名やプロジェクト名、ワンワードのアーティスト名ではなく、いわゆる名字と名前(姓と名)からなるアーティスト名の場合は、海外向け表記の順番に注意しましょう。
例) 海外向け表記において ◯ Taro Yamada / ✗ Yamada Taro

 


 

正式アーティスト名に追加情報を記載していないか

【登録時に注意したい点】
※例えば「Kurt Cobain from NIRVANA」 はNGとなる場合があります。ただ、もしKurt Cobainが常にアーティストとしての活動名義を全て「Kurt Cobain from NIRVANA」としているならこの限りではないようです。これは、バンド名をカッコで追記した「Kurt Cobain(NIRVANA)」なども同様のようです。

 
 

ジャケット画像

ジャケット画像内にリリース登録内容と関係の無い情報が記載されていないか

【登録時に注意したい点】
※いくつかNGになりやすい例をあげると
・ジャケットにおけるタイトルやアーティスト名にスペルミスがある
・リリースに関係の無い楽曲タイトル、アーティスト名が記載されている
・リリースに関係の無い文字情報などが記載されている

※ジャケット画像において、第三者が権利を持つデザイン、肖像等を無許可で使用することは控えたほうがよいでしょう。
※推奨の形式:JPG or PNG / カラースペース RGB / 3000 x 3000ピクセル以上 / 正方形 / アスペクト比 1:1

 
 

楽曲の情報

楽曲タイトルを正しく入力できているか

【登録時に注意したい点】
※スペルミスや綴りの間違いがないか。
※国内向け、カナ、海外向けで表記ブレがないか(国内向け表記に対し、海外向けの表記にスペルミスがあるなどに気を付けましょう)。
例) 国内向け表記「Spring」 / 海外向け表記「Srping」 では✗

 


 

(バージョン情報がある楽曲の場合) バージョン情報を適切に入力できているか

【登録時に注意したい点】
※バージョン情報とは、文字通りバージョンから、リミックス、カバー、ライブ音源などを指すことが多いです。
※バージョン情報の例)
Remix
Summer Ver.
Instrumental
Radio Edit
Cover
Live at 武道館、東京、20XX

 


 

フィーチャリングアーティスト名が正しく入力されているか

【登録時に注意したい点】
※スペルミス、打ち間違い、入力ブレ(半角、全角、スペースの有無) などがないか。
※はじめてフィーチャリングアーティストを自分のリリースの時に入力する際表記が不安な場合、そのアーティストがもし既にサブスクでアーティストページが生成されているなら、そのアーティストページの表記に従って入力するといいかもしれません(検索したものをコピペするなど)。

 


 

ヴォーカルの入っている楽曲において、「インストゥルメンタル」を選択していないか

【登録時に注意したい点】
※インストゥルメンタル曲の場合は、「インストゥルメンタル」を選択しましょう。

 


 

Explicitな表現を含む作品タイトル、楽曲タイトル、歌詞において、Explicitとして登録できているか

【登録時に注意したい点】
※Explicitは、歌詞・タイトルに暴力的な単語・放送禁止用語・露骨な表現等が含まれている楽曲が該当します。

 


 

楽曲で使用されている言語が合っているか

【登録時に注意したい点】
※英語で歌っている楽曲において、楽曲言語を「日本語」を選択しているといったことがないようにしましょう。

 


 

著作者名(作詞者名、作曲者名)が正しく入力されているか

【登録時に注意したい点】
※スペルミス、打ち間違い、入力ブレ(半角、全角、スペースの有無) などがないか。

 


 

(カバー楽曲の場合)カバー楽曲として情報が適切に入力できているか

【登録時に注意したい点】
※カバー楽曲でJASRACやNextToneなどの管理事業者に管理されている楽曲の場合は、作詞、作曲者、管理番号を調べて、該当の入力欄に正しい情報を入れましょう。なお、管理事業者が管理していない楽曲の場合は、著作権者から許諾を得る必要があるでしょう。
JASRAC作品データベース検索サービス
NexTone作品検索データベース

 
 

アップロードする音源(楽曲ファイル)について

(タイプビートなどを使用している場合)使用許可がとれているか

【登録時に注意したい点】
※タイプビートをリースしてサブスクでリリースすることは可能ですが、そのマナーを守っている必要があります。詳細は下記の記事を参考にしてみてください。

 


 

音源ファイルが破損していたり異常がないか

【登録時に注意したい点】
※何かしらのエラーがある音源の場合、サブスクへ正しく納品が出来ないことがありますので、十分に気を付けましょう。

 


 

意図しない音割れや無音の部分がないか

【登録時に注意したい点】
※登録時に音源をアップする前に、再度音源を聴き直して確認しましょう。

 


 

マスタリング前やミックス前の音源を間違って登録しようとしていないか

【登録時に注意したい点】
※こちらも登録時に音源をアップする前に、再度音源を聴き直して確認しましょう。

 


 

楽曲データの規格がディストリビューションサービスの推奨のものに適合しているか

【登録時に注意したい点】
※推奨例 : サンプルサイズ:16ビット / サンプルレート:44.1kHz / ビットレート:1411bps / チャンネル:ステレオ / ファイル形式:WAV

 
 

その他(アーティストID / アーティスト写真)

サブスクにおけるアーティストID
各サブスクではアーティストごとに固有のIDが割り振られており、それに応じてアーティストページが作られます。そのIDを知っていると、アーティストの紐付けが正しくない時(マッピングエラー)の修正リクエストもスムーズに伝えることができるでしょう。

■Apple MusicでアーティストIDを知る方法 :
アーティストページを表示する

ページ内の「・・・」をクリック(スマホなら右上にあります)

「コピー」

メモ帳など何かテキストをペーストできるアプリなどにいったんペーストする

ペーストして表示されるURLの最後のスラッシュ(/)以降の複数桁の数字を確認

例)カート・コバーンの場合
https://music.apple.com/jp/artist/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3/526647
の「526647」 これがApple Musicにおけるカート・コバーンのアーティストIDとなります。
みなさんも配信した後、自分のアーティストページが作られたら自分のアーティストIDを調べてみましょう。

■SpotifyでアーティストID(Spotify URI)を知る方法 : 下記をご参考にください。
https://magazine.tunecore.co.jp/skills/129519/#Spotify_URI

 
 
サブスクにおけるアーティスト写真
Apple MusicやSpotifyでのアーティスト写真(アーティストサムネイル)は、それぞれのサービスでアーティスト向けに用意されているツール( – for Artists)を利用することで自分で登録、変更ができます。

 
 
配信登録の作業と並行して、すべてチェックできたでしょうか?

これらはストリーミングサービスのスタイルガイドの一部ですが、基本的な部分となるので毎回リリース登録の際はこのページを開いてチェックしてみるといいかもしれません。

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

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