pinfu インタビュー 「面白そうだな、ヤバいなという気持ちを一番大切に」“令和ロックンロールの救世主” 埼玉発4人組バンド

2021.4.2


pinfu インタビュー

pinfu
埼玉発の4ピースバンド。2019年9月に結成し、2020年1月の初ライブより本格的に活動を開始する。同年6月に1st Single「フィクション」をリリース。7月度の「Eggsレコメン!」に選出され、タワーレコード6店舗にて販売開始。

2021年1月には、1st Digital Single「たとえば君が死んだら」を発表、同年3月に下北沢近松にて初の自主企画「東京万博 Tokyo-Burn Punk」を開催。「令和ロックンロールの救世主」を掲げ、各方面から注目を集めている。

メンバー:石ノ森けんぢろう(Vo/Gt)、クドウソラ(Gt)、イノウ(Ba)、なすよし(Dr)


——まず、バンド名の由来を教えてください。

けんぢろう : 自分の憧れのバンド、The ピーズの「平和」という曲名から拝借しました。

 
——pinfuさんにとって“平和”とは、具体的にどんなものですか?

けんぢろう : 「たとえば君が死んだら」という曲の中でも“お前らしく優しくあれ”と歌っているのですが、今のこの暗い世の中でも心穏やかに生きてほしい、自分らしくいてほしい、といった個々人の内面の平和を望んでいます。

 
——「令和ロックンロールの救世主」という肩書きに込められた想いを教えてください。

けんぢろう : 実はタワーレコードのバイヤーさんがつけてくださった肩書きなのですが、自分たちにとってとても嬉しいものだったのでそのまま使わせてもらってます。

 
——現在の活動拠点となる地域やエリアはどこですか?

けんぢろう : ライブは下北沢、練習は埼玉県川越市が活動拠点になっています。

 
——pinfuのみなさんがそれぞれ音楽を始めたきっかけを教えてください

けんぢろう : 学生時代、家の隅でずっと埃をかぶっていた父親のクラシックギターを弾いてみようと思ったことです。

ソラ : もともと両親が極度の音楽好きで、小さい頃からいつかは僕も音楽をするんだろうなって思ってて、高校に入るタイミングで軽音部があったのでそこからバンドを始めました。

イノウ : UNISON SQUARE GARDENのベース田淵智也さんのパフォーマンスに感動を覚えて、音楽をやっていた友達にベースを借りた事です。

なすよし : 『けいおん』見て、ドラムをはじめました。

 
——お互いメンバーに出会った経緯は?

けんぢろう : 自分が弾き語りで、イノウの前身バンドと川越で共演し、そこでイノウが自分をバンドに誘ったことが始まりでした。その後、メンバー募集でギターのソラが加入しました。そして、ソラの高校時代の知り合いであるドラムのなすよしが加入し、今にいたります。

 
——バンド活動をしてきて、一番思い出に残っていることはなんですか?

ソラ:初のCDをメンバー4人で手作りしたことです。

 
——逆に、一番辛かった思い出はありますか?

なすよし : 「たとえば君が死んだら」のMV撮影で真冬の夜中に茨城の海に行ったのですが、砂浜で車がスタックしてしまい、明け方にJAFを呼んだことです(笑)。

 
——続いて、普段の楽曲制作のプロセスを教えてください。

けんぢろう : 自分がデモ音源を作り、それにメンバーがアレンジを重ねて、スタジオで意見を出し合いながら形にしていってます。

 
——これまで制作した楽曲の中で、最も思い入れのある楽曲はありますか?

けんぢろう : 「たとえば君が死んだら」という曲です。2020年のコロナ禍に対する虚しさ、怒り、願いなどの感情をこの曲にぶつけました。曲中の”君”は、人ではなく音楽という意味なのですが、たとえ音楽が衰退していくようなことがあってもずっと音を鳴らし続けていこうぜ、そんな意思を込めて作った曲なので一段と思い入れがあります。


pinfu インタビュー「たとえば君が死んだら」

「たとえば君が死んだら」各配信ストア : https://linkco.re/yYbBRySg?lang=ja

 
ソラ : 「sweet sixteen」という曲です。この曲は、pinfuの中でも唯一の女の子目線の曲です。異性目線で書かれた曲が好きなのでこの曲を選びました。ギターのフレーズも無愛想な女の子をイメージして作ったんですけど、めちゃくちゃお気に入りです!

イノウ : まだライブでしかやっていないんですが「Navy Blue」という曲です。冗談じゃなく、けんぢろうさんから最初に送られてきた音源を、結成前には1日30回くらい聴いていました(笑)。

なすよし : 「ローリング」という曲です。加入後はじめてドラムを付けた曲です。息が上がる疾走感が全部メチャクチャにしてくれます。体力の消耗はピカイチで自家発電よりも疲れます。

 
——自分の演奏パートで注目すべきポイントや、お気に入りの箇所を教えてください

けんぢろう : 色々な曲に歌謡曲のようなメロディを入れている点です。「なんだか懐かしいな」と感じてくれたら嬉しいです。

ソラ : 「フィクション」のサビのフレーズです!ディズ二ーランドのビッグサンダー・マウンテンをイメージして弾いてます!!疾走感がすごいです!

イノウ : 「ローリング」のフレーズです。最初から終わりまで、ベースソロレベルでうるさいです。結構楽しいと思うので、早く”弾いてみた動画”を誰かに出して欲しいです (笑)。「音の鳴るほうへ」のラスサビのベースラインは、バラードという土台に反抗するかのようなフレーズで気に入っています。以前対バンした方に「あそこのベースやばいね」って200回くらい言われました。

なすよし : 「たとえば君が死んだら」のサビのフレーズです。両手で思いきりぶっ叩くだけなので真似してみて下さい。楽しいと思います。

 
——音楽活動をするうえで、pinfuさんが特に意識していることはありますか?

けんぢろう : 面白そうだな、ヤバいなという気持ちを一番大切に活動しています。

 
——けんぢろうさんはソロでも活動していますが、バンドでの活動と意識の違いなどはありますか?

けんぢろう : ソロとバンドの音楽性は意識して分けています。ソロは、父親の影響で幼少期から現在まで慣れ親しんだ昭和歌謡やフォークソングの要素を入れてメロディを作っています。歌詞は情景が浮かぶように、言葉を選びながら書いています。バンドではTHE BLUE HEARTS、銀杏BOYZ、忌野清志郎、The ピーズ、Ramones……そんな思春期に聴いていた、憧れのバンドに近づきたいというコンセプトで曲を作っています。歌詞についても「10代の自分ならこう思うだろうな」と考えながら書いています。

 
——メンバーそれぞれが尊敬しているアーティストを教えてください。

けんぢろう :

峯田和伸
中学の時にGOING STEADYを聴いてから現在に至るまで大好きなミュージシャンです。音楽以外にも、彼のファッションやカルチャーなどにもとても影響を受けました。

The ピーズ
20歳のころ『リハビリ中断』ばかり聴いていました。大袈裟でなく、当時はThe ピーズに救われていました。

たま
唯一無二の存在です。見てはいけないものを見てしまったような怖さとドキドキがたまの音楽にはあって、どっぷりハマりました。学生時代、知久寿焼さんの真似をして下駄を履いて生活している時もありました(笑)。

 
ソラ :

KOTORI
まだバンドを始める前に、KOTORIのワンマンライブを観に名古屋まで行ったことがあるんですけど、アンコールで僕にギターを弾かせてくれたんです。そのときに、僕もこっち側から同じ景色を見たいなって思わせてくれました。永遠の憧れです。

神聖かまってちゃん
僕がまだ小学生の頃、親にひたすら聴かされてました。当時の幼い僕にバンドのかっこよさを教えてくれた伝説のバンドです。僕も将来、子どもができたら絶対に聴かせます。

 
イノウ :

星野源
活動を始めてから今まで、大袈裟に言えばずっとひとつのテーマで思いを歌っている気がします。そして、ストレートな強い言葉ではなく、優しく包み込まれたいびつな感情を歌う姿がとてもかっこいいと感じています。とてつもなく大きな何かがすぐ裏側に潜んでいる感じがして、とても惹かれますね。

UNISON SQUARE GARDEN
リリースされる曲を聴くたびに「その手があったか」と、僕も1ミュージシャンなりに本気で萎えています。簡単な言葉でまとめてしまうのは失礼かと思いますが、3人の演奏力と音楽を引き出す力は天才的だと思います。田淵さんにしか作れない曲を3人にしかできない演奏で鳴らしているので、1度ハマったら抜け出せるわけがないんですよね。

 
なすよし :

BLANKEY JET CITY
高校時代から中村達也さんのドラムに憧れて練習してきました。ジャズをメタルの強さで叩いたようなプレイに惚れ、ムキムキボディに憧れましたが、僕はまだ爪楊枝レベルです。

 
——続いて、それぞれが影響を受けた楽曲を教えてください。

けんぢろう :

大滝詠一 – 恋するふたり
多幸感のある煌びやかなメロディにうっとりしてしまいます。いつかこんな素晴らしい曲を作れたら……と憧れている曲です。

 
森田童子 – ぼくたちの失敗
儚い歌声や、心をえぐる曲名と歌詞。初めて聴いたときの感動と恐怖が忘れられません。時代が移り変わっても色褪せない名曲です。

 
Ramones – 電撃バップ
無駄をすべて削ぎ落とした完璧なロックンロール。pinfuの曲を作るうえで、いつも頭の中にあるのはRamonesの音楽です。

 
ソラ :

神聖かまってちゃん – ベイビーレイニーデイリー
当時のリトルクドウが、この曲を初めて聴いたときに感動したからです。

 
スーパーカー – cream soda
これはよく車の中で聴いてた曲です。ちなみにこの曲は、僕のカラオケの十八番です。

 
イノウ :

Ken Yokoyama – I Won’t Turn Off My Radio
初めて心に刺さったパンクがこの曲でした。これを最初に「ミュージックステーション」で聴いたとき、恥ずかしながらKenさんの事を知らなかったし、Hi-STANDARDも何となく名前知ってるなあくらいでした。そこから色々調べまくって、他の曲も聴いて、って感じでパンクの世界に入るようになりました。この公式ライブ映像はイントロだけで涙がちょちょぎれます。

 
UNISON SQUARE GARDEN – 場違いハミングバード
サビまでのクールな進行と、サビからの鬼キャッチーな進行のギャップに衝撃を受けた記憶があります。まさにこの曲から影響されて、A、Bメロは難しいコード進行でサビからは超王道コード進行の超キャッチーなメロディの曲を作ったりしました。pinfuでやりたくて作った曲があるんですが(まだ合わせたことはないですけど)それもサビがかなりキャッチーなので、みんな好きになると思います(笑)。

 
なすよし :

BLANKEY JET CITY – D.I.J.のピストル
めちゃくちゃかっこいい。

サンボマスター – 欲望ロック
とにかくかっこいい。

 
——実際に、いつか対バンしてみたいアーティストはいますか?

メンバー一同 : 銀杏BOYZ、神聖かまってちゃんです。

 
——最近の日本のバンドシーンについて、なにか思っていることはありますか?

けんぢろう : どのバンドも演奏が上手いな、と思います。

 
——3年後の自分たちは、どんな姿で音楽をしていると思いますか?

けんぢろう : 大きいステージに立っていると思います。

 
——バンドとしての目標、将来の夢を教えてください。

メンバー一同 : pinfu主催のフェスを開催することです。そこで思い切り演奏したあと、メンバー4人でビールを飲みたいです。

 
——最後に、今後の活動予定や告知など読者に一言お願いします!

メンバー一同 : 2021年4月15日に、1000枚限定シングル「たとえば君が死んだら」をリリースします。ぜひ手にとってください!平和と書いたら俺らがpinfu!

 

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