E.scene インタビュー 結成当初から注目を集めてきた実力派バンド 改めて等身大の自分たちを表現した1st EP『in the room』リリース
E.scene
2018年結成、新潟を拠点に活動する3ピースバンド。そのサウンドは、メロウでスモーキーなボーカルに、R&B/Funk/ヒップホップ/ネオソウル/ジャズ/フュージョンなどのテクニックを取り入れたメリハリとグルーヴのあるリズム隊のプレイが濃厚に絡み合う。ライブにも定評があり、R&Bダンスで培ったボーカル真琴のパフォーマンスはライブハウスでは収まりきらないスケールを感じさせる。2019年には結成からわずか1年で「出れんの!?サマソニ!? 2019」最終選考に選出、さらに『FUJI ROCK FESTIVAL’19 ROOKIE A GO-GO』にも出演を果たす。音源においても、「麗しい日々 / いいじゃん」(2019年5月リリース)、「意識」(2020年4月リリース)は数々のプレイリストにピックアップされ、先日4月20日には待望の1st EP『in the room』をリリース。こちらも10以上のプレイリストインを果たし、いま改めて注目を集めている。
メンバー : 真琴(Vo)、CHIPPI(Ba)、Yoshinao(Dr)
——まずE.sceneのみなさんそれぞれ音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。
真琴:本当の意味で音楽に興味を持ちはじめたのは最近で、CHIPPIとYoshinaoとこのバンドを組んでからです。彼らにいろんなアーティストを教えてもらい、その中に私もハマるものがあったりして、それが楽しく私からも知りたいと思うようになりました。
CHIPPI:自分は親が音楽好きなのもあって、小さいころから身近に音楽がありました。物心がついたときには、すでに音楽が好きでした。
Yoshinao:僕はドラムを習いはじめたのが小学1年生からで、それにともなって音楽を好きになりました。そして、ドラムを演奏することを通してさらに音楽に興味を持つようになりました。
——E.sceneはどういう経緯で結成されたんでしょうか?
Yoshinao:まずお互いに違うバンドを組んでいたCHIPPIに声をかけて、それからソロで活動をしていた真琴に声をかけて、3人がライブハウスで出会い結成にいたりました。
3人とも新潟在住なので、制作は新潟で行っています。ライブは東京ですることが多いです。
——先日1st EP『in the room』をリリースされましたね。
CHIPPI:このEP『in the room』は、E.sceneを組んでから自分たちの中で紆余曲折があり、何をやりたいかが段々はっきりしてきた時にできた5曲を収録したEPです。決まったジャンルや大きなテーマがあったわけではないですが、とにかく自分たちのやりたいこと、等身大の自分たちを表現することを意識しました。
収録曲を順番に紹介させてもらうと、1曲目「adv.」は重心の低いリズム隊と浮遊感あるトラックの中で、“もがきながらなにかを掴みたい”という真琴のメロディと歌詞の一体感を感じてほしいです。
次の「form」は、不安や整理のつかない感情を抱えながら、どんどん進んでいく時の中でどう生きていくかという歌詞と同じフレーズ感で進んでいく曲のリンク感が特徴です。特に「わたしたち自由自在ね」という歌詞から一気に広がっていく展開が一番の聴きどころです。
3曲目「self」では、強く前に進んでいく曲の中で、周りがどうこうではなく自分がどうしていきたいかという真琴の強い想いが伝わればいいなと思います。
続く「3」は、メロディーとトラックと歌詞をそれぞれ3人が別々に担当して作った曲で、それぞれが想い描くE.sceneが入り混じって、自分達のアンセムとなる曲に仕上がっていると思います。想いと共に変化していく展開が特徴的で、歌詞をみながら聴いてもらいたいです。
そして最後の「eye」は、E.sceneで初めてシンセベースを導入した曲で、バンドの新しいサウンドを感じることができると思います。自分の中で自分が入り混じっていくような、最後のボーカルアレンジが聴きどころです。
『in the room』各配信ストア : https://linkco.re/ua9gnFrb
——E.sceneでは普段どのようなプロセスで楽曲制作されていますか?
CHIPPI:基本的に自分がデモを作って、それをYoshinaoのスタジオで3人で合わせてメロディやリズムなどを決めていき、再度持ち帰りブラッシュアップしていく形です。
——E.sceneは最初の音源から早くも評価されていましたが、自分たちではE.sceneのサウンドをどのようにとらえていますか?
Yoshinao:他のバンドにないサウンド感と、その中で存在感を放つボーカルの一体感はE.sceneでしか味わえないと思います。
——そういったサウンドを産み出すみなさんは、それぞれどのようなアーティストに影響を受けましたか?
真琴:私はThe Internetです。理由はかなりシンプルで、とにかくカッコいいから。どの曲もヴォーカルの立ち位置が心地よくて好きです。今まで声量のある部分が自分の魅力だと思っていましたが、迫力のある大きな声を出すことだけが魅力じゃないんだなと教えてくれたバンドでした。そういった意味では人生の中で一番影響を受けています。
CHIPPI:まずRed Hot Chili Peppers。自分の青春です。初めて聴いた時の、“細かいことは分からないけど、とにかくやばい”って思った瞬間は今でも忘れられません。フリーのベースもめっちゃコピーしました。レッチリはP-Funkにハマるきっかけにもなりました。
あと、マーカス・ミラーは、最初に聴いた当時はまだ中学生でバンドをあまりやっていなかったんですけど、ベースだけでここまでの表現ができるのかと思わされたベーシストです。
そして、Soulquarians。とにかく全員かっこいいです。Commonの『Like Water for Chocolate』を最初に買って、それから調べてErykah BaduやD’Angeloなどを聴くようになりました。ネオソウルやヒップホップを聴くきっかけになりました。
Yoshinao:Chris Daveは、ドラマーの中で最も尊敬する一人です。もたったりよれたりするビートの美学に衝撃を受けました。生でライブを見たときの感動は忘れられません。今でも撮ってもらった写真を待ち受けにしています。
他には、Steve Lacyです。彼のキュートでクールな楽曲、アーティストとしての存在感も大好きです。自由で大胆なビートはダサかっこいいような要素もあり魅力的です。
——楽曲でいうと、どういう曲に影響を受けましたか?
真琴:特にこの曲みたいなものはないですが、その時の気分に合うものを聴いています。
CHIPPI:絞るのが難しいですね…… とにかく上記のアーティストたちの楽曲は間違いなく自分の10代を形成したと思います。
Yoshinao:Robert Glasperの「Intro (feat. Affion Crockett)」。Robert Glasperの『Fuck Yo Feelings』というアルバムの1曲目です。唯一無二で独創性を誇るChris Daveのフレーズにはいつも衝撃を受けます。このアルバムはChris Daveのカリスマ性がとことん出てるなと思います。
そして、Steve Lacy「Guide」。とにかくビートがシンブルで大胆。このビートをきちんとカッコよくさせてしまう彼のセンスに脱帽です。ドラマーじゃないからこそ独創性に溢れたビートが作れるのかなと思います。
——みなさんは、音楽活動をする上で何か特に心がけていることはありますか?
真琴:何事も気持ちを一番大切にしています。それは1人で始めたころから変わらない部分です。彼らとバンドを組んでからは、想いを伝えるための技術や知識を少しずつではありますが学んでいったりチャレンジすることを大事にするようにしています。
CHIPPI:今の自分が表現できることに100%集中することです。
Yoshinao:自分の音に、3人の音に誇りを持てるよう常に探究しています!
——今の音楽を取り巻く状況に関して、何か感じることはありますか?
CHIPPI:感じることはあるけど、どうこう言えるようなアーティストにまだなっていないので、とにかく自分たちの音楽をより突き詰めていきます。
——最後に今後の予定や展望を教えてください。
真琴:新潟在住なので今は県外でライブすることが難しい状況が続いていますが、今年は音源制作に力を入れてみなさんにE.sceneの楽曲をたくさん聴いていただければと思います。状況に応じてライブができるようになれば、しっかり対策をしてみなさんに生の音で音楽を届けることができれば嬉しいです。
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