文藝天国 インタビュー 鮮やかな感性で儚く美しいオルタナロック
鮮やかな感性から紡ぎ出される儚く美しいオルタナロックサウンドを鳴らす、水屋とko shinonomeの二人の高校生メンバーからなる 文藝天国。同世代を中心に熱量の高い支持を集めている。
About : 文藝天国
2019年1月結成。オルタナティブロックを作っています。
メンバーはボーカルの水屋と、コンポーザーのko shinonomeの2人です。2人とも高校生です。よろしくお願いします。
——お二人はまだ高校生ということですが、それぞれ音楽に興味を持ったきっかけというのは?
水屋 : 小学生の頃「けいおん!!」というアニメを見て、中学に入ったらバンドをやりたいなと思って。それで中学で軽音部に入って、そこからパンクやオルタナなんかを聴くようになりました。
ko shinonome(以下、ko) : 小学生の頃にニコニコ動画で同人音楽を聴くようになって、そこからとても音楽が好きになりました。
——文藝天国が結成された経緯を教えてください。
ko : 中1の頃、パソコンでボーカロイドを使って曲を作り始めたのですが、いつか人が歌う曲も作りたいなとずっと思っていました。それで、高校でバンドを始めて、そのあとライブハウスのつながりで水屋に出会いました。
水屋 : そうですね、私も軽音部でバンドをやっていて、コウくんとはライブハウスで知り合いました。去年の暮れに私がインスタに弾き語り動画を載せたのがきっかけでかな、一緒にバンドやろうって誘われて今に至ります。
——最新作を紹介していただけますか?
ko : 先日リリースした1stミニアルバム『プールサイドに花束を。』はレコーディングからCDプレスまで全部自主制作で作りました。CD版には、曲とは別に短い詩のようなものも入れたのでぜひ見て欲しいです。
聴きどころは… そうですね、「seifuku」という曲が特に気に入ってます。自分はここに生きているんだということを曲にしたいとずっと思っていたので、アルバムに入れられて良かったです。
1曲目の「尖ったナイフとテレキャスター」は、西加奈子さんの『窓の魚』という小説からヒントをもらって書きました。
あとはMVとしてYouTubeにも出した「アイスクリイムは溶けるから。」は “オルタナティブロック×ポエトリーリーディング” といった感じの曲になってます。薬物依存と美学の話です。この曲のミュージックビデオは、同級生で映像を作ってる すみあいか と一緒に作りました。絵コンテを描いてくれたりして一緒に演出を考えるのがすごく楽しかったです。ぜひYouTubeでご覧ください。
それと、僕が前に個人名義で出した「水槽少女」という曲もアレンジし直して収録しました。
『プールサイドに花束を。』 各配信ストア : https://linkco.re/HZ1q9AyD
——文藝天国のサウンドからは、フレッシュな感性と衝動性の独特のバランスを感じるのですが、どういったアーティストから影響を受けてきましたか?
ko : 作曲面では向井秀徳さんですね。作曲を始めた頃は型にはまった音楽しか作れなかったのですが、「ここをこうしてみよう」とか、「こうしたら面白いかな」という自由な発想が少しずつできるようになってきました。向井さんの音楽はいつも自由で、とても影響を受けました。
それから、真部脩一さんにもかなり影響を受けました。耳に残る印象的なメロディを書かれる素晴らしい方で、どの曲も聴いた瞬間に、真部さんだとわかる洗練された音楽で、作曲を始めたての頃から聴いていました。
作詞面では椎名林檎さんに特に影響を受けました。比喩や言葉遊びをよく用いられて、日本語の美しさをとことん追求されている方だと思います。
あと、高校の軽音部で組んでいたバンドではけっこう古い、それこそ70、80年代のハードロックをやっていたのでギタープレイはそれらの音楽がルーツになってると思います。
——影響を受けた楽曲でいうと、どの辺になりますか?
ko :
椎名林檎 – メロウ
重い音像の中にあるフラつきそうな浮遊感が好きです。
きのこ帝国 – さくらが咲く前に
安定と不安定を常に合わせ持っているバンドだと思います。
ナンバーガール – Tattooあり
魂を抉るかのようなサウンド。
青葉市子 – いきのこり●ぼくら
青葉さんは声が凄く素敵で好きなのですが、特にこの曲は、優しさと儚さが入り混じっていて美しい音楽だと思っております。
samayuzame – 天國へみちづれ
触れてしまったら壊れてしまいそうな繊細な音楽、唯一無二のエレクトロニカだと思います。
四つ墓 – うじのわくほど
ギターと変拍子が非常に格好良いです。
——今後の活動の展望や予定は?
ko : メンバー2人とも今忙しい時期でして、来年落ち着いたらライブとかもやっていきたいです。