KUVIZM インタビュー 「曲の中に、自らの “琴線”に触れる何かを入れることを欠かさない」
ヒップホップからフューチャーベースまで、ジャンルやシーンを問わず、リマーカブルなプロデューサー/ビートメイカーをフィーチャーする THE MAGAZINE series IYOW (In your own way/words)。
今回は、スタイリッシュな映像とエッジィなコンテンツの内容、そしてそれらを際立たせるサウンドで人気のYouTubeチャンネル「シラフ知らズ」への楽曲提供から、配信ストアでも再生を伸ばす堂村璃羽、急速に注目を集める女性ラッパー・nate、多彩な才能が集う夜猫族のnoma、tip jam、そしてLEAP、RICK NOVA等々、幅広いアーティストたちと楽曲制作も行う KUVIZM (キュビズム) にフォーカス。そのクオリティは、「【XFLAG公式】リミックスコンテスト」でもDÉ DÉ MOUSE賞を受賞するなど、各所で高く評価されている。
About : KUVIZM
ビートメイカー。
術ノ穴のコンピレーションアルバムへの参加や、LOW HIGH WHO? でのアルバム配信を経て、2019年より、ラッパーへのトラック提供を本格的に開始。
楽曲ごとに、様々な曲調やトレンドを取り入れつつも、一貫して独特の叙情性を感じさせるビートを制作する。
モンスターストライクの公式リミックスコンテストでの DÉ DÉ MOUSE賞 受賞をはじめ、若手ラッパー等へのトラック提供を多数おこない、今後の活躍が注目されている。
——キャリアスタートのきっかけ
ラップミュージックを聴く中で、ラップ以上にビートが好きなことに気づき、ビートメイカーに憧れて活動をスタートしました。活動初期は、大学の先輩や友人、先輩ミュージシャンからのアドバイスをいただきながらビートメイクを覚えていきました。
就職をきっかけに音楽活動を休止した期間が数年間ありました。今も会社員ですが、ある日、ふと思いつきでビートを作ったところ、他にない充実感を得ることができて、自分の生活には、ビートメイクが必要だと改めて気付き、活動再開し、今に至ります。
——ターニングポイント
たくさんありますが、ぱっと思いつくターニングポイントは3つあります。
昨年、10年来の友人のラッパー、コカツ・テスタロッサと曲を作り、それを通じて、自分のビートにラップが乗ることの喜びを知りました。それをきっかけにラッパーの方へのビート提供を積極的におこなうようになりました。
モンスターストライクのリミックスコンテストへの参加を通じて、今の活動のサポートをしていただいている音楽業界の方々と出会い、活動の幅が広がりました。
音楽家の山岡晃さんと出会い、音楽を作る上での勘どころをたくさん教えていただき、今のビートメイクに活きています。
——最新作
LEAP, RICK NOVA & KUVIZM 『SAMA SAMA』
堂村璃羽 『たばこ』
自分が携わった楽曲は下記にまとめています。
——制作環境、使用音源/プラグイン
以前は、Nord Lead 2xなどのハード機材を使用していたこともありましたが、現在はほぼソフトウェアで制作しており、SERUM、Omnisphere、KONTAKT、WAVES全般、bx_digital、NeutronのEQやExciter、Transient Shaperをよく使います。
ボーカルのエディットでRXをよく使用します。
——ビートメイクのプロセス
コード進行を決める
↓
メロディやリフを作り、音色も決める
↓
ドラムとベースを組む
↓
展開や楽器を加えるなどアレンジを進める
曲の方向性を最初に決めるパターンと、メロディやリフありきで曲の方向性を決めるパターンがあります。余談ですが、個人的に朝の作業が捗ります。
——ビートメイクポリシー
チャンスとタイミングが大事だと考えているため、作業のスピードを大切にしています。同様の理由で、曲調やジャンルなど、「自分にできないこと」をなくしたいと考えています。
自分が好きじゃない音楽は世に出したくないので、曲の中に、自らの「琴線」に触れる何かを入れることは欠かさないです。
普段から、なるべくたくさんの音楽を聴いてインプットすることを意識しています。
まだまだ勉強したいことがたくさんあります。音楽は奥が深いなとつくづく思います。
——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り
nate×KUVIZM – Round Trip
LEAP, RICK NOVA & KUVIZM – ここから先へ
環ROY – Song Deluxe Cubism Remix
Shing02 – Luv(sic) pt.3 Izumi Naoki Remix
『モンスターストライクメインテーマ KUVIZM & uyuni Remix』
——Message
曲作りも、それ以外の活動も、人との出会いが自分の可能性を広げてくれている実感があります。音楽をやっている方でも、そうでない方でも、自分に興味を持ってくださる方がいらっしゃいましたら、気軽にご連絡をいただければと思います。
今後のリリース予定といたしまして、DOTAMAさん、k-overさん(City Your City)、ヨウヘイヘイさん、Kuroyagiさん、日高大地さん、CHARLESさん、Saint Vegaさん、Qujaさんに、お渡ししたビートがそれぞれいい曲に仕上がりそうなので、配信開始した際には是非聴いていただきたいです。
インタビューありがとうございました。
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